2003.07.28

外来小児科学会、警察庁にチャイルドシート着用違反取り締まりの厳格化を要望

 日本外来小児科学会は7月23日、警察庁長官宛てにチャイルドシート着用違反に対する取締まりを厳格に実行するように求める要望書を提出した。2000年4月から、乳幼児を自動車に乗せる場合にチャイルドシートの着用が義務付けられたが、その後、装着率は頭打ちの傾向にあり、最近になって着用率が微減しているという報告もある。このため、外来小児科学会では、「子どもの安全と健康を推進する立場にある小児科医として、着用率の向上対策を求めることにした」(同学会理事で緑園こどもクリニック院長の山中龍宏氏)もの。

 チャイルドシートの効果ははっきりしている。チャイルドシートを使用していなかった場合の致死率は使用している場合の約4.5倍、重傷率は同じく約2.6倍にもなるという。ところが、警察庁と日本自動車連盟の調査によれば、2003年7月時点の着用率は、6歳未満全体で51.7%に過ぎないという。特に1歳未満の着用率は72.0%と高いが、1〜4歳では52.5%、5歳では31.2%と年齢が上がると下がってしまう。子どもが嫌がるからといってチャイルドシートを着用させない親が少なくないが、山中氏は、「自動車のように高速の乗り物に乗せるなら身体を固定せざるをえない。チャイルドシートを装着しないのは虐待に等しいと考えてほしい」と強調する。

 チャイルドシート未装着に対する取り締まりは非常に少ないのが現状だという。2002年の取り締まり(点数告知)件数を見ると、シートベルトが320万5259件、二輪車のヘルメットが9万8442件であるのに対して、チャイルドシートの着用義務違反に対する点数告知はわずか8885件しかない。取り締まりが十分実施されているとは考えにくい件数だ。

 山中氏は、「小児科医は、子どもの健康を全人的に守る立場にある。不慮の事故は子どもの死因の大きな部分を占めるだけに、交通事故対策は重要だ。来院に自動車を利用する場合も多く、小児科医として見過ごすことができない問題として、今回の要望に踏み切った」としている。(中沢真也)

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