2003.07.10

ニコチンパッチによる禁煙効果研究の参加者、1年間の禁煙成功者の半数は8年後も禁煙継続

 ニコチンパッチによる禁煙効果を確かめた介入試験の参加者を対象に、8年後の喫煙状況を調査した英国における研究報告が、British Medical Journal誌2003年7月5日号に掲載された。ニコチン代替療法の介入試験で3年を超える長期予後の報告はほとんどないという。報告によると、8年間で一時期でも禁煙に成功した参加者は12%に過ぎず、参加者の88%は喫煙を続けていた。しかし、介入試験で1年間の禁煙に成功していた参加者に限って見ると、その半数強は8年間禁煙を継続していた。

 当初の介入試験は1991〜1992年にかけて実施された。参加者は、英国の一般内科医を受診した1686人で、1日15本以上の喫煙者である。研究では12週間にわたってパッチを貼り、1年間の禁煙が実現したかどうかを、唾液中のコチニン濃度(20ng/ml以下)と呼気中のCO濃度(10ppm以下)で確認した。当初の研究期間中、1年間の禁煙の維持に成功したのは153人だった。

 その後1999年から2000年にかけて、存命していた試験参加者1532人に連絡をとり、最終的に840人から喫煙状況についての回答を得た。フォローアップできた回答者は、未回答者に対して有意に女性が多く(59.0%対51.7%)、また当初の試験期間中、1年間の禁煙成功率も有意に高かった(13.2%対5.5%)。本論文では、フォローアップに応じなかった未回答者はすべて喫煙を継続しているとみなして分析している。その仮定で、8年間喫煙を継続した参加者の比率は87.6%だった。

 一方、当初の試験で1年間の禁煙に成功した153人のうち54%に当たる83人は、以後8年間禁煙を続けていた。これはフォローアップ時生存者の5%に当たる。フォローアップ期間中、1年間以上禁煙した参加者は172人(フォローアップ時生存者の11%)、1年未満の期間、禁煙した者は29人(同2%)だった。ニコチンパッチ群とプラセボ群における8年間の禁煙者率は5.9%対4.3%で有意差はなかった。

 8年間という長期の観察期間中、完全な禁煙に成功した比率は5%に過ぎない。しかし、最初の1年間を乗り切れば、その後も禁煙を継続できる可能性は数字の上では10倍以上になる。示唆に富んだ研究成果といってよいのではないだろうか。

 論文のタイトルは、「Abstinence from smoking eight years after participation in randomized controlled trial of nicotine patch」。原著全文は、こちらまで。(中沢真也)

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