2003.06.27

厚労省、盗難防止ゲートの電磁波などで医薬品・医療用具安全性情報を発表

 厚生労働省は6月26日、医薬品・医療用具等安全性情報190号を発表した。これは、副作用情報に基づく使用上の注意の改訂指示とその根拠などを、主として医療関係者向けに月刊で提供しているもの。今回は、総務省で2000年度から実施されてきた「電波の医用機器等への影響に関する調査研究」の中で、ワイヤレスカードシステムなどから発生する電磁波が心臓ペースメーカーや植え込み型除細動器に与える影響についての調査報告内容を紹介している。

 公共施設の入退室管理や店舗などの盗難防止用として用いられるゲートシステムや、タッチ式の乗車券読み取り装置などのワイヤレスカードシステムから発生する電磁波などが心臓ペースメーカーや植え込み型除細動器に与える影響について調査が実施された。心臓ペースメーカー27機種(47モード)と除細動器6機種(8モード)について、ワイヤレスカードシステム13機種と、盗難防止装置10機種を通過する実験を実施した。盗難防止装置については、単純な通過のほか、ゲート内で身体をねじる(振り返る)場合や、ゲートにもたれかかり、送受信版に接近する場合などの状況を想定して実施された。

 その結果、ワイヤレスカードシステムでは、心臓ペースメーカーについての564組の組み合わせ試験中26組(4.6%)で、8cm以内に近づいた時に影響が見られた。除細動器では影響は見られなかった。

 一方、盗難防止装置に心臓ペースメーカーを通過させる実験では、正面を向いて通過した場合で10.6%に影響があり、接近した場合には47.2%と半数近い組み合わせで影響が見られた。25cm以内に接近した場合、ペースメーカーのプログラムがリセットされるケースも見られた。除細動器については、身体をひねった場合と近接した場合だけ、影響が見られた。ほとんどが除細動器のペースメーカー機能への影響だが、不要除細動を起こすケースもあった。

 こうしたことから本号では、植え込み型の心臓ペースメーカーや除細動器を装着している患者に対して、盗難防止装置などにはなるべく近づかないようにすること、やむをえず通過する場合には、正面を向いてなるべく早く通過することなどを患者に徹底指導することを要請している。

 次に、医薬品の「重要な副作用に関する情報」として、前号(189号)以降に改訂を指導した重大な副作用に対する使用上の注意について、次のものが掲載されている。手術不能または再発非小細胞性肺癌の抗腫瘍薬「ゲフィチニブ(イレッサ)」、精神神経用剤の「炭酸リチウム」、合成抗菌剤の「メシル酸バズフロキサシン」。

 ゲフィチニブでは、突発性肺線維症、じん肺症、放射性肺炎、薬剤性肺炎への慎重投与の記載と、重大な副作用として、重度の下痢、脱水、急性膵炎が追加されている。急性膵炎を発症した死亡例を掲載している。

 炭酸リチウムでは、重大な副作用として腎性尿崩症と痴呆様症状、意識障害が追加された。症例として、尿量が最大5〜7l/日となった尿崩症例を記載している。

 メシル酸バズフロキサシンについては、急性腎不全、肝機能障害、黄疸、偽膜性大腸炎、血小板減少、横紋筋融解症、痙攣を追加しており、急性肝不全による死亡例と黄疸発症例を掲載している。

 このほか、塩酸ドネペジルなど11種類の医薬品について、使用上の注意の改訂内容を掲載している。安全性情190号の全文はこちらまで(中沢真也)。

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