2003.06.18

インスリン経口投与に1型糖尿病の予防効果なし、DPT-1の「経口インスリン試験」が結果発表

 米国国立衛生研究所(NIH)は6月15日、関連機関の米国国立糖尿病・消化器・腎臓病研究所(NIDDK)が実施してきた1型糖尿病の予防介入試験「DPT-1」(Diabetes Prevention Trial-Type 1)で、経口インスリンに1型糖尿病の予防効果が認められないとの結果が出たと発表した。研究結果は、現在米国New Orleansで開催中の米国糖尿病協会(ADA)年次集会で報告された。

 「DPT-1」試験は二つの介入試験で構成されているが、うち低用量のインスリン注射による予防試験(インスリン注射試験)は既に完了し、予防効果がないとの結果が出ている(NEJM;346,1685,2002)。今回の「経口インスリン試験」もネガティブだったことで、欧州の「ENDIT」(European Nicotinamide Diabetes Intervention Trial、関連トピックス参照)も含め、1型糖尿病予防効果を見る主要な3試験はすべて「効果なし」との結果になった。

 「DPT-1」の経口インスリン試験の対象は、家族歴や免疫・代謝検査から、5年以内の1型糖尿病発症リスクが中等度(25〜50%)と見積もられた372人。無作為に2群に分け、インスリン結晶7.5mgを含有するカプセル製剤またはプラセボを1日1回服用して、糖尿病発症率の違いを調べた。参加者の年齢は3〜45歳で、中央値は10歳。平均追跡期間は4.5年だった。

 その結果、両群とも約35%の人が、追跡期間内に1型糖尿病を発症。1年発症率は両群ともほぼ7.2%と変わらず、経口インスリン製剤に1型糖尿病の発症予防効果は認められなかった。なお、経口インスリンに起因する副作用も特に生じなかったという。

 NIDDKでは今後、「DPT-1」両試験で得られたデータの解析を進め、自己免疫による膵細胞破壊の抑制などに基づく新たな予防介入試験を行う予定で、今秋にも「Type 1 Diabetes TrialNet」を通して患者登録を開始する。

 今回発表された、DPT-1の「経口インスリン試験」に関するNIHのプレス・リリースはこちら、DPT-1の「インスリン注射試験」に関するNIHのプレス・リリースはこちらまで。(内山郁子)

■ 関連トピックス ■
◆ 2002.9.3 EASD学会速報】ニコチンアミドは1型糖尿病の発症を予防するか−−注目のENDIT試験の結果が発表

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