2003.05.26

【糖尿病学会速報】 2型糖尿病患者の肥満度に日米で大差、JDCSの中間報告から

 1996年に開始された2型糖尿病患者に対するライフスタイル介入の有効性を検討する厚生省(当時)班研究の「Japan Diabetes Complcations Study(JDCS)」の中間報告で、患者の肥満度が非常に軽く、一般人口と大差ないこと、開始5年間で、介入群のHbA1cがわずかだが非介入群に比べて有意に低くなったことなどが報告された。5月23日に開催された糖尿病学会学術集会の一般口演の「疫学、統計、死因1」で筑波大学内科の曽根博仁氏が発表した。

 日本人の2型糖尿病患者の肥満度は、白人の2型糖尿病患者だけを対象とした英国の前向き調査(UK Prospective Diabetes Study)参加者に比べて、極めて低く、一般人口の平均値と大差ないことを明らかにした。JDCS開始時の参加者の平均BMIは23.1で、一般人口の平均である22.7とほとんど変わりなかった。これに対してUKPDS参加9年目の白人患者のBMI平均値は29.5で、日本人患者と比較して大幅に高いのはもちろん、英国の一般人口の平均値である24.1と比較しても5以上も高く、病態の背景が大きく異なる可能性を指摘した。

 虚血性心疾患の発症リスクは、久山町研究コホートが5.0(1000人年あたりの発症数)であるのに対して6.7とやや高く、曽根氏は、「UKPDSの17.4(介入群)にはまだ差があるものの、しだいに欧米に近づいてくるのではないか」と推測していた。

 ライフスタイル介入の効果については、JDCS開始後6年間のうち、2、3、4、5年目には介入群と非介入群でHbA1c値の有意差が見られた。ただし、両者の差は最大で0.2%程度とわずかしかなかった。これについては、「対象が糖尿病専門施設の患者であり、非介入群でも必然的に教育などが行われる。このため、非介入群でもHbA1cが低下しており、(両群の比較では介入群の)過小評価をしている可能性が高い」(曽根氏)としていた。

 JDCSは全国59カ所の糖尿病専門施設の外来に通院中の2型糖尿病患者2205人を対象とした前向き研究で、無作為抽出により、介入群にはライフスタイル変容を目指して、電話指導や資料送付などの強化療法を、非介入群には従来の外来治療を継続している。(中沢真也)

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