2003.05.07

0歳児保育の喘息予防効果、母親の喘息の有無に依存−−米調査

 両親のどちらかがアレルギー体質の子供500人を対象とした米国の調査で、0歳児保育を受けていた子供では、6歳になった時に喘息にかかっている確率が低いことがわかった。ただし、母親が喘息の場合は、こうした“予防効果”は認められなかったという。研究結果は、米国胸部学会(ATS)の学術誌であるAmerican Journal of Respiratory and Critical Care Medicine(AJRCCM)誌5月1日号に掲載された。

 喘息などのアレルギー性疾患は、免疫系のバランスが崩れることで起こる。こうした免疫力は遺伝的な素因のほか、1歳までの環境に影響されると考えられている。最近は、この時期にダニやほこりなどの抗原に触れたり、他の子供から風邪などの感染症をうつされたりすることで免疫力が鍛えられるとの説が有力で、「ペットを飼っていると喘息にかかりにくい」(関連トピックス参照)、「兄弟では下の子供の方が喘息にかかりにくい」などの調査結果が報告されている。

 米国Brigham and Women's病院Channing研究室のJuan C. Celedon氏らは、0歳児保育を受けた子供では、アトピー性疾患や喘息にかかりにくいとの報告があることに注目。両親のどちらかにアレルギー性疾患がある、つまりアレルギー体質を遺伝的に受け継いでいると考えられる子供でも、同様の「予防効果」がみられるかを調べた。

 調査の対象は、両親のどちらかが喘息や花粉症などのアレルギー疾患にかかっている子供498人。うち0歳児保育を受けた子供は238人(47.8%)で、その半数(109人)は生後6カ月までに保育所に預けられていた。

 6歳まで追跡できた453人のうち38人が喘息にかかったが、0歳児保育を受けていた子供では、喘息発症率が7割低い計算になることが判明。アトピー性皮膚炎の発症率も7割低く、遺伝的にアレルギー素因を持つ子供でも、0歳児保育にアレルギー性疾患の予防効果があることが明らかになった。

 ところが、母親に喘息がある子供(131人)では、0歳児保育を受けていても喘息の発症率は下がらず、むしろ高くなった。なお、父親や母親の喘息の有無と、子供が喘息にかかるかどうかには、特に関連がみられなかった。

 以上から研究グループは、1.アレルギー体質の両親から生まれた子供でも、0歳児保育には喘息などアレルギー性疾患の予防効果がある、2.この予防効果は、母親に喘息がある場合にはみられなくなる−−と結論付けている。

 この論文のタイトルは、「Day Care Attendance in Early Life, Maternal History of Asthma, and Asthma at the Age of 6 Years」。アブストラクトは、こちらまで。(内山郁子)

■ 関連トピックス ■
◆ 2002.8.29 ペットがアトピーを防ぐ? 米国で調査結果まとまる

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