2003.04.21

【SARS速報】 北京で患者数が大幅上方修正、既公表数の10倍近くに

 中国当局は4月20日、中国本土の重症急性呼吸器症候群(SARS)患者数が、18日朝までに1807人に達したことを明らかにした。前回報告された、4月15日現在の総患者数(1512人)から一挙に300人近く増加したが、主に北京からの報告数であることも明らかになった。

 患者の地域別内訳は、広東省が1304人(4月15日報告数:1273人)と依然として最も多いが、北京が339人(同:37人)と“第2位”に浮上。次いで山西省が108人(同:82人)、内モンゴル自治区が25人(同:17人)、広西省が12人(同:12人)、湖南省が6人(同:6人)、四川省が5人(同:4人)、福建省が3人(同:3人)、上海が二人(同:一人)、河南省が二人、寧夏回族自治区が一人となっている。

 北京で報告数が急増した理由について、中国衛生省次官の高強(Gao Qiang)氏は「患者がSARSであることを確認するのに時間がかかった」と説明。さらに、北京市内の病院からの情報収集がうまく行っていなかったことも理由の一つだとした。

 高氏によると、北京市内には175カ所の高次医療機関があるが、衛生省及び教育省所属の医療機関は16カ所のみで、残りは地域病院(131カ所)や軍病院(16カ所)、企業所属病院(14カ所)となっている。世界保健機関(WHO)によると、軍病院には衛生省への感染症報告義務がないとのことで、北京の軍病院に対し4月16日に行われたWHOの査察では「患者数は少なくとも200人以上」との見積もりが出されていた。

 こうした“過少報告”が明るみに出たことで、中国当局は、これまで5日に1回だったSARS患者数報告を1日1回に改めることを発表。併せて、感染の拡大を防ぐため、1999年から「7連休政策」の一つとしてスタートした5月1日からの労働祭を取り止めると発表している。

 中国当局の一連の発表内容に関しては、中国政府のインターネット広報サイト「中国網」(英語版)から情報を入手できる(日本語版にはまだ掲載されていない)。WHOが公表した中国軍病院への査察内容は、こちら(4月17日付)とこちら(4月18日付)へ。(内山郁子)

■ SARSダイレクト ■
◆ 2003.4.18 緊急情報】 重症急性呼吸器疾患(SARS)ダイレクト
感染症情報センター、疑い例、可能性例、およびその接触者の管理例を掲載、ほか

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