2003.03.20

緑茶はホルモン療法不応性前立腺癌に無効、第2相試験結果が発表

 観察研究や動物実験で、前立腺癌に対する予防・治療効果が示唆されている「緑茶」の、進行前立腺癌患者を対象とした第2相試験結果が発表された。緑茶濃縮エキスを1日6g、ホルモン療法に不応性となった進行前立腺癌患者42人に摂取させたが、効果が見られたのは一人だけで、しかも一時的だったという。研究結果は、Cancer誌3月15日号に掲載された。

 この研究を行ったのは、米国Mayo ClinicのAminah Jatoi氏ら。ホルモン療法不応性の進行前立腺癌患者42人に、加糖緑茶濃縮エキスを1日6g、6回に分けて服用してもらった。治療効果は前立腺特異抗原(PSA)値で判定した。

 その結果、42人中一人では、1カ月後にPSA値が50%以上低下。しかし、この「PSA低下効果」は2カ月後には認められなくなった。参加者全員で平均すると、1カ月後のPSA値は43%上昇していた。また、吐き気やむくみ、不眠、下痢など、緑茶エキス服用によるとみられる有害反応は、軽度のものだけでも7割に発生。17%にはグレード3〜4の有害反応が生じていた。

 以上から研究グループは、「ホルモン療法不応性の進行前立腺癌に対する緑茶の効果は限定的」と結論。ホルモン療法が効かなくなった時の“次の一手”としては、緑茶以外の介入手段を探索すべきだとしている。

 この論文のタイトルは、「A Phase II trial of green tea in the treatment of patients with androgen independent metastatic prostate carcinoma」。アブストラクトは、こちらまで。

■ 参考トピックス ■
◆ 2002.10.2 日本癌学会速報】「緑茶1日10杯」で癌再発予防、“埼玉方式”で介入試験がスタート
◆ 2002.10.21 日本癌治療学会速報】複合カロテンが肝硬変からの発癌を抑制、発癌率が無介入群のほぼ3分の1に

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 製薬企業と医師との付き合い方はどう変わる? ニュースウォッチャー井上雅博の「世相を斬る」 FBシェア数:387
  2. 学会はスーツで行くべきなのか 倉原優の「こちら呼吸器病棟」 FBシェア数:804
  3. 若年男性に生じた腹痛、必ず聞くべきことは? カンファで学ぶ臨床推論 FBシェア数:1
  4. お尻に注入しないで!(食事中に閲覧しないで) 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:413
  5. 脳梗塞超急性期のEarly CT signとは 今さら聞けない画像診断のキホン FBシェア数:1
  6. いざ本番!失敗しない「試験直前の過ごし方」 総合内科専門医試験 「一発合格」への道 FBシェア数:41
  7. 民間病院から大学教授を毎年輩出する秘訣 東謙二の「“虎”の病院経営日記」 FBシェア数:63
  8. 病院の「介護医療院」転換に予想外の傾向! 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:34
  9. 最年少教授が拓く「臓器の芽」による新移植医療 特集◎再生医療はここまで来た!《4》 FBシェア数:300
  10. 心筋梗塞に倒れたヘビースモーカー小泉八雲 病と歴史への招待 FBシェア数:13
医師と医学研究者におすすめの英文校正