2003.03.17

【SARS速報】 WHOが各国の感染状況を報告 17日現在で発端患者含め死者4人、感染者の9割が医療関係者

 WHOは3月17日(日本時間)、原因不明のまま東南アジアを中心に集団感染が続いている重症急性呼吸器症候群(SARS)について、感染が発生している各国の状況などを明らかにした。2月26日にベトナムの首都ハノイで初めて確認されて以降、WHOに報告された患者数は先週だけで150人以上に上り、3月16日現在で4人の死亡が確認されている。現在までに発生した感染者の9割が医療関係者という。なお、中国広東州からは2002年11月に始まったとみられる異型肺炎の流行が報告されていたようだ。

 各国の状況の概要は次のとおり。

 ベトナムでは2月26日に世界初の患者(発端患者)発生した。同日、ハノイ市内の病院に、男性が高熱、乾性の咳、筋肉痛と軽度の咽喉炎などの症状を示して運ばれた。以後4日間に、呼吸困難の悪化、著しい血小板減少、さらに成人呼吸促進症候群(ARDS)の所見を示して人工呼吸器を装着、その後、香港に転送されて集中治療が続けられたが、3月13日に死亡した。

 ベトナムでは3月15日までに合計43人が発症した。医療従事者の子供一人を除き、すべて発端となった患者を収容した病院における発症と見られる。発端患者以外に一人が死亡、少なくとも5人が人工呼吸器を装着している。

 香港では、3月12日に20人の医療関係者が発症。15日までに100人が入院治療を受けている。少なくとも二人が人工呼吸器を装着している。一人の死亡が報告されているが、これはハノイから転送された発端患者である。

 シンガポールでは、香港から帰還した3人がSARSを発症、15日までにこの3人に接触した13人の発症が報告された。現在、16人全員が隔離され、症状は安定している。

 タイでは3月15日現在、ハノイの病院で発端患者に接触した医療関係者一人が発症、ただちに隔離収容された。症状は安定しており、他に発症は報告されていない。

 カナダでは3月15日までに7人の患者が発生、うち二人が死亡している。7人は別々の2家族で、どちらも家族の少なくとも一人が発症前1週間に香港に旅行していた。

 フィリピンでは、患者一人が発生したとされるが3月15日現在、確認されていない。ただし、ハノイで発端患者に接した一人が隔離収容されている。

 インドネシアでは、3月15日に患者一人が発生したという報告があったが、16日になってSARSに該当しないことが確認された。

 ドイツでは、シンガポールから米国を訪れていた医療関係者が3月16日、ニューヨークからフランクフルトへの飛行中に具合が悪くなり、着陸と同時に病院に隔離収容された。ドイツでの感染はないとみられる。

 詳しくは、WHOのDisease Outbreak Reportedまで。

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