2003.03.11

ツムラが“漢方の新薬”の国内臨床開発を中止、中国での治験を検討

 ツムラはこのほど、同社が開発中の慢性腎不全治療薬「温脾湯」(おんぴとう、開発コード:TJ-8117)に関し、今後の臨床開発を海外で行う方向で検討を開始したと発表した。国内で実施した前期第2相試験で、前向きな結果が得られたものの、主に観察期間などの点から国内での臨床開発続行は困難と判断したもの。

 わが国で使われている医療用漢方薬147種類はすべて、特例として治験を経ずに承認されており、ツムラによると、通常の承認手続きに則る形で開発が進められている漢方薬は「温脾湯」のみだという。承認されれば“西洋薬”と同じ土俵で効果が認められた初の漢方薬となるだけに、今後の動向に注目が集まりそうだ。

 温脾湯は、唐代に編纂されたとされる医学書の「備急千金要方」(びきゅうせんきんようほう、「千金方」とも)に由来する漢方製剤。組成は大黄、甘草、人参、乾姜と修治附子で、慢性腎不全の末期に現れるような種々の症状に対する治療薬などとして使われている。

 一方、わが国で「腎不全の進行防止」との効能が認められている保険収載薬剤は、球形吸着炭(商品名:クレメジン)のみ。ツムラによると、1999年度から行ってきた前期第2相試験で、6カ月の追跡期間では、温脾湯に球形吸着炭と遜色ない効果があるとみなせるデータが得られたという。

 しかし、近年になりアンジオテンシン2受容体拮抗薬で「透析導入の遅延効果」が示されていることから、承認審査では同様のデータが求められると同社は判断。長期的な追跡が必要になることなどを鑑みると、国内から海外へ臨床開発の場を移した方がよいと結論したという。今後、中国などで「透析導入の遅延効果」を評価項目とした長期臨床試験を行う方向で、開発期間や費用などを総合的に検討する予定だ。

 この件に関するツムラのニュース・リリースは、こちらまで。

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