2003.02.18

中年女性はご用心、「うつ」と頸動脈肥厚が相関

 大うつ病の再発歴を持つ中年女性では、頸動脈プラークを認めるケースがうつ症状のない例に比べ2倍にも増加していた−−。米国Pittsburgh大学のDeborah J. Jones氏らが、Archives of General Psychiatry誌2月号に報告した成績だ。

 Jones氏らは、Study of Women's Health Around the Nationという多施設臨床試験の参加施設の一つで、閉経前の健康な中年女性336人の頸動脈壁をBモードエコーを用いて測定。大うつ病の既往歴との相関を検討した。

 その結果、大うつ病に罹患した人では、非罹患者と比べ、頸動脈プラークが認められるケースが有意に多いことが判明。心血管系危険因子で補正後も、両者の相関は有意なままだった。

 さらに、大うつ病を再発した人では、大うつ病の既往がない人と比べ、頸動脈プラークのリスクが2倍以上になっていた(オッズ比:2.30、95%信頼区間:1.10〜4.82)。一方、大うつ病に罹患したが再発がないケースでは、このような相関は見られなかった。同様に、不安障害の既往と頸動脈肥厚・プラークの存在にも相関はなかった。

 以上からJones氏らは、大うつ病の再発は前臨床的な動脈硬化のリスクとなる可能性があると結論付けている。ただし、今回得られたデータからだけでは、うつ症状が頚動脈肥厚の原因なのか結果なのかはわからない。とはいえ、頚動脈プラークは脳卒中などの危険因子として注目されており、気になる報告であることは間違いなさそうだ。

 この論文のタイトルは、「Lifetime History of Depression and Carotid Atherosclerosis in Middle-aged Women」。アブストラクトは、こちらまで。(宇津貴史、医学レポーター)

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