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2002.11.13

北海道のライム病、マダニに咬まれた人の8%が発症

 北海道でマダニに咬まれ、医療機関を受診した人のうち、8%がライム病を発症したことがわかった。咬まれてから医療機関を受診するまで時間が掛かったケースや、患者自身がマダニを抜去したケースで、ライム病の発症率が有意に高かったという。旭川医科大学皮膚科などの受診患者700人の解析によるもので、旭川医科大学皮膚科の橋本喜夫氏らが、日本皮膚科学会雑誌11月号で報告した。

 ライム病はマダニからうつる感染症で、ボレリア菌陽性の“有毒マダニ”に咬まれることで感染する(関連トピックス参照)。北海道では毎年春から夏にかけてマダニに咬まれる人が多く、ライム病の発症も報告されているが、咬まれた人の何%がライム病を発症するかや、マダニのうちどの程度が有毒なのかはわかっていなかった。

 橋本氏らは、1995〜2000年の6年間に同大皮膚科及び協力施設を受診した、マダニ刺咬症患者700人を分析。患者が多かった時期やマダニに咬まれた部位、ライム病の発症頻度などを調べた。

 その結果、マダニ刺咬症の発生は5〜7月に集中しており、6月に最も多いことが判明。咬まれた部位は頭頚部が34.8%と最も多く、特に小児では約8割が頭や首を咬まれていることがわかった。マダニの種類を判別できた366個体のうち、本州に多いヤマトマダニは2割で、8割は北米などに多いシュルツェマダニだった。シュルツェマダニのうち12.2%がボレリア菌陽性だった。

 6年間の観察期間で、ライム病を発症したのは700人中56人(8.0%)。患者の約半数は病院を受診する前にマダニを自分で引き抜いていたが、こうした「自己抜去群」のライム病発症率は16.1%で、非自己抜去群の0.81%と比べ有意に発症率が高かった。さらに、咬まれてから医療機関を受診するまでの期間がわかっている352人について検討すると、ライム病を発症しなかった人(296人)は咬まれてから平均約4日で医療機関を受診したのに対し、ライム病を発症した人(56人)では受診までに平均約20日が経過していた。

 以上から橋本氏らは、「受診までの期間が20日間を経過するか、患者自身が不適切な処置をした症例がライム病を発症する危険性が高い」と推定。有毒マダニに咬まれていても、マダニごと皮膚を切り取り、抗菌薬を投与した33人では一人もライム病を発症しなかったことから、「マダニの外科的切除とその後の抗菌薬投与が、ライム病発症の確実な予防法であることの傍証」と推察している。

 この論文のタイトルは、「北海道のマダニ刺咬症−ライム病発症との関連−」。アブストラクトは、こちらまで。

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◆ 2002.10.30 ACR学会速報】大道芸人に技あり、ライム病の予防に貢献