2002.10.12

【日本高血圧学会速報】 血清ホモシステイン値にクレアチニン値が強く相関、住民健診データの解析で判明

 心血管疾患の新しい危険因子として注目を集めているホモシステイン値が、実はクレアチニン値に強く影響されることが、約1100人分の住民健診データの解析から明らかになった。さらに、「ホモシステイン値が高いほど血圧が高い」との相関関係は、クレアチニン値で補正すると消え失せることもわかった。久留米大学第3内科の足達寿氏らによる検討結果で、10月12日のポスターセッションで発表された。

 ホモシステインは含硫アミノ酸(メチオニン、システイン)の中間代謝物で、種々の観察研究で心血管疾患などとの関連が示唆されている注目の危険因子。海外では、血中のホモシステイン濃度が高いほど、血圧が高いとの報告が2報出されている。

 そこで足達氏らは、一般住民健診を受診した1111人のデータを解析し、日本でも同様の関連がみられるかを検討した。受診者は男性が452人、女性が659人で、平均年齢は男性が64.0歳、女性が62.5歳。血圧の平均値は男性で136.7/81.6mmHg、女性で132.5/77.6mmHgだった。平均ホモシステイン値は男性が12.6μmol/lで女性(9.8μmol/l)より高く、男女とも高齢者ほど高くなった。これは海外での報告通りだ。

 次に足達氏らは、データを性別と年齢で補正した後、ホモシステイン値を目的変数として重回帰分析を行い、「ホモシステイン値に影響を与える因子」を探した。すると、予想通り、収縮期血圧、拡張期血圧と喫煙が正に相関し、ヘモグロビンA1c(HbA1c)が負に相関することがわかった。

 ところが、意外なことにクレアチニン値が、これらの因子よりも強くホモシステイン値に影響を与えることが判明。年齢、性別に加えクレアチニン値で補正すると、ホモシステイン値と収縮期、拡張期血圧との相関にみられた有意性が消失することが明らかになった。

 なぜホモシステイン値にクレアチニン値が大きな影響を与えるのかは不明だが、「腎排泄が関与しているのではないか」と足達氏は推察する。血圧との関連を示した海外の二つの報告では、いずれもクレアチニン値による補正が加えられておらず、「ホモシステイン値を用いた分析を行う際には、一番強い関連を示す、クレアチニン値での補正を行うべき」と足達氏は提言した。


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