2002.10.08

>> 慢性頭痛のフォローは良好な医師患者関係の上に成り立つ 

 日経メディカル10月号特集では、「頭痛治療・新時代 経口トリプタンの効果と死角」と題して、経口トリプタン製剤登場によって様変わりした慢性頭痛診療のノウハウを取材した。この中で難しそうだなと私が感じたのが、片頭痛と緊張型頭痛が混ざっている混合型頭痛のフォローについてだった。
 
 混合型の患者は多い上、頭痛発作が起きた時に、今回の発作が緊張型頭痛なのか片頭痛なのかを患者が自己判断しなくてはならない。片頭痛であればトリプタン、緊張型頭痛であれば非ステロイド系抗炎症剤と、治療薬が異なるためだ。軽くストレッチなどをしてみて痛みが和らぐのなら緊張型頭痛と判断するよう患者に指導するとのことだったが、この自己診断法はどれくらい確実なのだろうかとやや不安に思った。頭痛日記によって発症パターンを記録し、それに基づいた判断ができる患者であればよいのだが、すべての患者でそこまで要求するのも難しい。
 
 痛みのパターンを患者に表現してもらう場合も、「肩こりがあり、頭痛は頭全体が締め付けられるようにズキズキ痛む。さらに週1回はひどい頭痛発作が起こり、頭痛の前には星が飛ぶような光も見える」といった、片頭痛と緊張型頭痛が混ざったような訴えが多いという。ズキズキというのは片頭痛に特徴的とされるが、日本人では痛みの一般的な表現にもなっており、この表現すなわち片頭痛と判断してはいけないとのこと。ちなみに発作時に、ズキズキという痛みが本当に脈拍と一致するかを患者に確かめてもらうことも有用とのことだ。これら患者の話の中から、片頭痛なのか、緊張型頭痛なのか、混合型なのかを解きほぐすスキルが要求される。

 片頭痛によく効く治療薬が新たに登場したということは、患者にも伝わっている。そのため多くの患者は、自分の頭痛のタイプは問わずに、特効薬とされるトリプタン製剤を求めて医療機関を受診するだろう。それだけに、トリプタンが効かない慢性頭痛もあることを伝え、混合型の場合は特に患者の協力が、上手な頭痛発作の管理に不可欠であることを理解してもらう必要がある。
 
 今後の医療では、患者のQuality of Life、つまり生活の質を維持することに対する要求が強まることは論を待たない。片頭痛に代表される慢性頭痛の診療も、患者に正しい情報を伝え、その協力を求めながら治療していくということになるのだろう。使い古された言葉だが、慢性頭痛の診療も良好な医師患者関係の上に成り立つというわけだ。(高志昌宏、日経メディカル

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