2002.09.26

フォンダペリヌックスの股関節骨折手術後のVTE発症抑制、4週間投与が効果大

 股関節骨折手術を受けた患者に対するフォンダペリヌックス(本邦未発売。欧米での商品名:アリクストラ)では、1週間投与よりも4週間投与の方が、静脈血栓塞栓症(VTE)の発症を抑制する効果が高い――。これは臨床試験「Penthifra Plus」によるもので、スウェーデンSahlgrenska大学病院のBengt I. Eriksson氏(写真)が9月3日、ドイツで開かれた欧州心臓学会(ESC)で発表した。1週間前後の投薬期間の場合、同薬を使用する方が低分子ヘパリンよりもVTE発症率が有意に低いことは、既に示されている。

 「Penthifra Plus」は、股関節骨折手術後におけるVTEの予防効果を確認するために実施された二重盲検試験。16カ国57施設が参加し、656人の患者を登録した。

 投薬については、術後の1週間(6〜8日間)は、全患者に対して、フォンダペリヌックス2.5mgを1日1回皮下注射。その後、フォンダペリヌックスの継続投与群(投与量は同じ)とプラセボ薬投与群の2群に無作為に割り付け、3週間(19〜23日間)投与する。今回、4週間投与群は326人(年齢の中央値は79歳、男性が28.1%)、1週間投与群は330人(同79歳、29.8%)だった。

 その結果、静脈血栓塞栓症イベント(深部静脈血栓症と肺塞栓症)の発生率は、4週間投与群が1.4%、1週間投与群が35%で、4週間投与群は96%も低かった(p=4×10-22)。また、症候性静脈血栓塞栓症の発症率はそれぞれ0.3%、2.7%で、4週間投与群がやはり有意に低かった(p=0.021)。

 深刻な有害事象については、発生率がともに7.3%ずつで差はなかった。死亡率は、4週間投与群が1.8%、1週間投与群が2.4%だった。

 Eriksson氏は、「この試験結果が、整形外科手術における深部静脈血栓症の予防法に劇的な変化をもたらすだろう」と述べた。

 アリクストラは、Sanofi-Synthelabo社とOrganon社が発見、共同開発している、血液凝固第Xa因子を選択的に阻害する薬剤。米国と欧州連合(EU)では、股関節骨折手術、膝関節置換手術、股関節置換手術を受ける患者のVTEの予防薬として、2002年から販売されている。日本国内の開発段階は第2b相。なお、この試験結果については、同氏らが8月29日(現地時間)、米国San Diegoで開催されていた国際整形災害外科学会議(SICOT)で先に発表している。

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