2002.09.19

抗コリン薬チオトロピウムはCOPD患者の肺機能低下を軽減するか、大規模臨床試験「UPLIFT」が近く開始

 ドイツBoehringer Ingelheim社と米国Pfizer社は9月16日、長時間作用型の抗コリン薬、チオトロピウム(海外での商品名:Spiriva)を用いた4年間の大規模臨床試験を、近く開始すると発表した。世界35カ国の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者約6000人を対象とする試験で、日本からも患者登録が行われる予定。

 この試験「UPLIFT」(Understanding Potential Long-term Impacts on Function with Tiotropium)は、チオトロピウムを長期投与した場合に、COPD患者の肺機能低下が軽減されるかどうかを評価するもの。COPDは徐々に肺機能が低下する疾患で、喫煙が最大の危険因子。禁煙以外に、肺機能の低下を食い止める効果が実証された介入法は現時点では見出されていない。

 1次評価項目は、努力性呼気の1秒量(FEV1)で評価した肺機能。生活の質(QOL)や急性増悪の頻度、入院率、死亡率についても評価する。試験結果は2007年にも明らかになる見込みだ。両社の発表資料によると、1年間の臨床試験で、チオトロピウムはプラセボよりもFEV1値の低下率を軽減させるとの予備的な結果が得られているという。

 抗コリン薬やβ刺激薬などの気管支拡張薬は、息切れなどCOPDの症状コントロールに欠かせない薬。患者の運動能力を向上させる効果などが認められているが、その際に、必ずしもFEV1値の改善は必要ではない。とはいえ、肺機能の低下はCOPDという疾患の根幹を成すものであり、病気の進行を遅らせることができれば、COPDの治療が大きく変わる可能性がある。

 チオトロピウムはムスカリンM3受容体の拮抗薬で、1日1回吸入する長時間作動型の気管支拡張薬。今年6月にまずオランダとフィリピンで上市され、現在ではドイツ、スウェーデン、英国など欧州各国でも発売されている。米国では承認申請中、日本でも今年6月にCOPD治療薬として承認申請が行われている。

 この件に関するBoehringer Ingelheim社のニュース・リリースは、こちらまで。邦訳は日本ベーリンガーインゲルハイムのニュース・リリースまで。

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