2002.09.09

【投稿】誤った情報から診断結果を下した医師の過失は最も大きい

 「割りばし事件の刑事告訴について」という投稿を機に、多くの方からメールが届いています。以下は「◆8.29 投稿】検察の「刑事処分」に疑問を感じます」に対応した意見です。引き続き、皆さんのご意見をうかがえれば幸いです。編集部までメールでお送りください。送付先は、 medwave@nikkeibp.co.jp です。

_________________________________ 読者から

 初めて投稿させていただきます。
 近藤ゆき(ペンネーム)と申します。

「◆8.29 投稿】検察の「刑事処分」に疑問を感じます」に対する意見です。近藤正昭さんの医師擁護派理論はたいへん理路整然としており納得のいくものでしたが、いくつか私と認識が異なる点がありますので述べさせていただきます。

●まずはこのケースが日本社会にとって非常に大きな悲劇であったことを認識せねばなりません。
・子供のよくある遊技行動のなかで起きたこと
・菓子棒(割り箸)に危険性はないと思われたこと
(事故状況は不明であり、手がかりとなる情報も伝達されなかった)
・医師が見落とし、数時間後死に至った
(危険予測ができなかった)

●次に焦点を「割り箸がささっていることに気が付かなかった」人でだれに最も過失が大きいか、という点を考えます。

1.子供 →判断できない。
2.母親 →判断できない。「喉を突いた」と伝達した。
3.割り箸を抜いた人 →判断できた。「喉をついた」と思った。
4.医師 →判断できた。 「喉を突いた」ことに対し、異常なしと診断。

<考察>受診において、症状説明は患者の義務ですが、ここで誤った情報が伝達されています。しかし救急対応していれば、事故という種々の傷害が起こりえるもの、動きが予測不可能な子供であることなどから、浅慮に対応されることはなかったのではないでしょうか。誤った情報から診断結果を下した医師の過失は、4人の中で最も大きいと判断できます。

●最後に社会に衝撃を与えたのは「医療機関でわからなかったほどのことであったのに数時間後に死に至った」点であると考えます。このショックを緩和し、我々が望むこととは
1)被害者のために、この矛盾の原因を解明したいこと
2)我々が、このような事件に遭わないためにはどうしたら良いのか
3)被害者のために、庇護を与えたいこと
4)我々が、二度とこのような事故に到らぬよう、備えたいこと

<考察>メディアでは1)の矛盾点に焦点をおいていますが、事件は大きいのに関係者の悪意や怠惰な部分が見当たらず、過失は低い印象です。このような場合、個人だけが少年死亡の責任を負うものではなく、法人・医療施設と厚生労働省がその体制上の責任をとって、この悲劇の大きさに見合った処遇をなすべきです。

●責任の所在は、医療界だけではなく、菓子を提供した側にもあります。PLO(製造責任)において、おこりうる危険性を説明せずに販売し、事故が起きた場合、菓子を製造した企業側の責任となります。販売会社も同様です。

 また、わたあめ(?)を提供した自治会などの団体にも監督不行届と事故発生時の対応不備(この場合適切な医療機関に連れて行かなかった)という責任が発生します。

 団体戦となれば、個人は泣き寝入りとならずに済む可能性が大きいです。

●結論
 もしもこの少年の死が日本医療界の矛盾に一石を投じることができれば、それこそが彼の供養になり、診察した医師の汚名も返上できるでしょう。家族の慟哭、医師の正義感、国の誠意、メディアの倫理感、国民の懇望、地域社会と企業の協力によって「生命尊重の立場に立つなら、医療事故による死亡は、最優先的に改善されなければならない」。新しい法を設立する時代が到来したのではないかと私は考えます。

 業界の存亡をも揺るがす出来事の多い昨今、一国民としての発言をさせていただいております。故に、医療・司法についての知識に相違があれば、お許し下さい。

_________________________________ 読者から

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