2002.09.04

【EASD学会速報】 2型糖尿病関連の二つのメガスタディー、「NAVIGATOR」と「PROactive」の進捗状況が発表

 2型糖尿病患者やハイリスク者を対象とした、現在進行中の大規模臨床試験2本の進捗状況が、9月3日のポスターセッションで発表された。結果が出るのは早くても4年後だが、糖尿病の臨床を変える潜在力を持つ試験だけに、大きな注目が集まっている。

 試験の一つは、昨年11月から患者登録がスタートした「NAVIGATOR」(Nateglinide And Valsartan in Impaired Glucose Tolerance Outcomes Research)。心血管疾患の既往、あるいは心血管疾患の危険因子を持つ中高年の耐糖能異常(IGT)者を対象に、2型糖尿病や心血管疾患の発症・再発を予防できるかを調べる試験だ。「IGTの段階からの介入」の意義を広く問う試験でもある(関連トピックス参照)。介入にはメグリチニド系薬のナテグリニド(N、わが国での商品名:スターシス、ファスティック)と、アンジオテンシン2(A2)受容体拮抗薬のバルサルタン(V、わが国での商品名:ディオバン)を用いる。

 試験形式は2×2形式のプラセボ(P)対照試験で、対象者を4群に分け、1.V+N、2.V+P、3.N+P、4.P+P(対照群)−−をそれぞれ投与する。2003年5月までに患者登録を完了、そこから3年後の2006年に2型糖尿病の発症予防効果、4年後の2007年に心血管疾患の発症予防効果を評価する。最終結果は2008年に発表する予定。

 登録予定患者数は7500人と、この種の試験では最大。8月15日までに、2割の患者登録が完了した。アジア太平洋地域からは600人の登録が予定されている。

 もう一つの試験、「PROactive」(PROspective PioglitAzone Clinical Trial in MacroVascular Events)は、心筋梗塞や脳卒中など大血管障害の既往がある2型糖尿病患者が対象(心不全合併者は除外)。糖尿病の合併症としては、網膜症や糖尿病性腎症などの細小血管障害に加え、近年は大血管障害にも注目が集まっている。介入に用いる薬剤は、グリタゾン系薬の塩酸ピオグリタゾン(わが国での商品名:アクトス)。それまで受けてきた糖尿病治療(食事療法のみも含む)に、プラセボまたはピオグリタゾンを追加投与して、大血管障害の再発予防効果を調べる。

 既に今年4月に患者登録は終了しており、欧州19カ国から5240人が登録された。うち男性は66.1%でほぼ全員が白人、平均年齢は61.8歳で2型糖尿病の平均罹病期間は9.5年、平均体格指数(BMI)は30.9、ヘモグロビンA1c(HbA1c)の平均値は8.08%となっている。約半数に心筋梗塞、6割弱に狭心症、2割弱に脳卒中の既往があり、4人に3人は高血圧を合併している。追跡予定期間は最低4年で、結果が出るのは早くとも2006年以降になる。

■ 関連トピックス ■
◆ 2001.9.13 EASD学会速報】Novartis Pharma社、IGTに対する糖尿病・心疾患発症予防効果をみる臨床試験を11月開始

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