2002.08.21

日本皮膚科学会、アトピー性皮膚炎治療問題委員会の活動報告書を発表

 日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎治療問題委員会(委員長:金沢大学皮膚科教授・竹原和彦氏)はこのほど、今年6月まで2年間の活動を総括する報告書を発表した。ファクスと電子メールによる患者相談や不適切治療による健康被害調査など、同会の活動実績をまとめたもの。報告書は、日本皮膚科学会誌8月号に掲載された。

 アトピー性皮膚炎治療問題委員会は、1998年7月に同学会がアトピー性皮膚炎の不適切治療による健康被害を調査・公表する目的で設置した「アトピー性皮膚炎不適切治療委員会」と、アトピー性皮膚炎の治療ガイドラインを作成する「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン委員会」とを、2000年6月に発展的に統合した組織。この2年間で、1.ファクスと電子メールによる患者相談、2.主に学会員を対象とした不適切治療による健康被害調査、3.インターネット上の不適切治療広告の実態調査−−など、様々な活動を行ってきた。

 報告書によると、患者相談の件数は2000年7月から2002年3月までに3670件に達し、相談の2割はステロイド外用薬の副作用に対する心配を訴えるものだった。不適切治療による健康被害は205件が報告され、その4割は医療機関によるもので、健康食品や化粧品、漢方薬、温泉療法などを上回っていた。

 インターネット上の不適切治療広告としては、活性酸素消去酵素(SOD)関連化粧品やステロイド離脱のスキンケア、「アトピーを考える」エステなど、薬事法に抵触する疑いがある様々な広告が見付かったという。

 また、昨年話題となった中国製のアトピー性皮膚炎治療薬「皮炎霜」に関しては、最も強い(ストロンゲストの)ステロイド薬であるプロピオン酸クロベタゾールが通常薬とほぼ同濃度で含有されていることを見出し、厚生労働省に働きかけて健康被害の拡大を食い止めたことを報告。竹原氏が原告側の鑑定人として関与したわが国初の「アトピービジネス裁判」(2001年5月に原告勝訴)の顛末や、漢方薬の副作用に関する文献的な調査結果なども、簡潔にまとめられている。

 この報告書のタイトルは、「日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療問題委員会活動報告書」。現在、全文をこちら(PDF形式)で閲読できる(リンク先の運営次第で変更になることがあります。ご了承下さい)。

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