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2002.07.23

ハミングが副鼻腔炎を予防する?、鼻腔NO濃度の上昇が確認

 ハミング(鼻歌)が副鼻腔炎の予防に役立つ可能性を示唆する実験結果が、米国胸部学会(ATS)の学術誌、American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine(AJRCCM)誌7月15日号に掲載された。健常人10人を対象とした実験で、ハミング下では通常の鼻呼吸下と比べ、鼻腔内の一酸化窒素(NO)濃度が15倍に上昇したという。研究グループは「ハミングによる空気の振動で、副鼻腔と鼻腔の間のガス交換が促進された結果」と考察、「副鼻腔炎の予防に役立つのでは」としている。

 この研究を行ったのは、スウェーデンKarolinska病院麻酔・集中治療部門のEddie Weitzberg氏ら。 Weitzberg氏らは、主に副鼻腔粘膜で産生するとされるNOの「鼻腔における濃度を測定すれば、副鼻腔と鼻腔との間の“通過性”を評価できる」との仮説に基づき、健常人10人の協力を得て実験を行った。

 その結果、普通に鼻呼吸をしている時と比べ、ハミングを行った場合は、鼻腔内のNO濃度が15倍に上昇することが判明。Weitzberg氏らが作成した「副鼻腔−鼻腔モデル装置」を使った実験でも、副鼻腔に相当する部分を振動させると鼻腔部分とのガス交換が促進されることがわかった。

 Weitzberg氏らは、この“ハミング法”を「これまで侵襲的な評価法しかなかった、副鼻腔と鼻腔との間の通過性検査に使える可能性がある」と結論。さらに、NOには鼻腔と副鼻腔をつなぐ粘膜表面の線毛運動を促進する作用があるため、ハミングで副鼻腔内への細菌やウイルスの侵入を妨ぎ、副鼻腔炎を予防できる可能性もあると示唆した。

 今回の実験協力者には副鼻腔炎を起こしやすい人は含まれておらず、Weitzberg氏らの仮説通りに「副鼻腔と鼻腔との間の通過性が悪い人ではハミング下でも鼻腔内NO濃度が上がらない」、つまり通過性の検査に使えるかどうかはわからない。ただ、非侵襲的な検査法や、有用な予防法へのニーズが高いことも事実であり、興味深い知見だけに追試に期待したい。

 この論文のタイトルは、「Humming Greatly Increases Nasal Nitric Oxide」。アブストラクトは、こちらまで。