2002.07.02

進行性乳癌に対するカペシタビン・ドセタキセル併用療法、第3相臨床試験の最終結果が発表

 進行性乳癌患者を対象とした、フルオロウラシル(5-FU)系経口抗癌薬カペシタビンの第3相試験結果が、Journal of Clinical Oncology(JCO)誌6月15日号に掲載された。この試験は、転移性乳癌への適応拡大に対する、米国食品医薬品局(FDA)への承認申請根拠となった多施設共同試験。標準治療であるタキサン系抗癌薬のドセタキシル単剤投与と、カペシタビン・ドセタキシル併用療法との効果を比較したもので、奏効率、生存期間ともにカペシタビンの併用投与が優れるとの結果になった。

 カペシタビンは、FDAが昨年5月に進行性大腸癌の治療薬として、9月には転移性乳癌の治療薬として承認した新規5-FU系抗癌薬。今回論文になった第3相試験は、世界16カ国から75施設が参加したものだ。

 対象は、アントラサイクリン系抗癌薬の治療で効果が得られなかった、進行性乳癌患者511人。無作為にドセタキセル単独治療群(256人)とカペシタビン・ドセタキセル併用治療群(255人)に割り付け、21日間を1コースとしたスケジュールで治療を行った。

 単独群の患者には、体表面積1m2当たり100mgのドセタキセルを1日目に投与。併用群の患者には、体表面積1m2当たり75mgのドセタキセルを1日目に投与した後、体表面積1m2当たりカペシタビン1250mgを1日2回、連続2週間投与した。

 その結果、併用群と単独群患者の生存期間中央値はそれぞれ14.5カ月と11.5カ月となり、併用群で生存期間が有意に3カ月延長することが判明(p=0.0126)。治療の客観的奏効率は、併用群が42%と単独群の30%を大きく上回った(p=0.006)。病状が進行するまでの期間(TTP)の中央値も、併用群患者では6.1カ月で、単独群の4.2カ月より有意に2カ月長くなることがわかった(p=0.0001)。

 副作用の発生率は、併用群で98%、単独群で94%とほぼ同程度。ただし、併用群ではグレード3の副作用の発生率が高く(併用群:71%、単独群:49%)、単独群はグレード4の副作用がやや多かった(併用群:25%、単独群:31%)。

 副作用の種類では、併用群患者で胃腸毒性や手足症候群が多く、単独群患者においては、発熱性好中球減少、関節痛及び発熱が多く認められた。研究グループは「胃腸毒性や手足症候群などの副作用が併用群患者に多くみられたが、患者の生活の質(QOL)への影響はなかった」と説明している。

 進行性乳癌に対してはこれまで、ドセタキセルの単独投与が標準治療として行われてきた。「今回の臨床試験では、カペシタビンとドセタキセルの併用で、より優れた延命効果が確認できた。この結果は、進行性乳癌の治療を大きく変えるに違いない」と研究グループは結論付けている。

 この論文のタイトルは、「Superior Survival With Capecitabine Plus Docetaxel Combination Therapy in Anthracycline-Pretreated Patients With Advanced Breast Cancer: Phase III Trial Results」。アブストラクトは、こちらまで。(張辛茹、医療ジャーナリスト)

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