2002.06.28

【ISH速報】 脳卒中再発後の痴呆をペリンドプリル+インダパミドが抑制−−PROGRESSサブスタディ

 昨年の欧州高血圧学会(ESH)で報告され、脳卒中後慢性期の積極的降圧治療による再発予防効果を実証した大規模試験PROGRESS(Perindopril pRotection aGainst REcurrent Stroke Study)のサブ解析が、6月27日のオーラル・プレゼンテーション 「 Large Clinical Trials」で報告され、脳卒中再発後の痴呆防止のためにも、脳卒中初発後に積極的な降圧を行う必要性が示された。フランスINSERM Unit360のChristophe Tzourio氏が報告した。

 PROGRESSは、脳卒中既往例を血圧に関係なく登録し、通常治療に「ACE阻害薬ペリンドプリル±利尿薬インダパミド」を追加する「降圧群」と、プラセボを追加する「プラセボ群」に無作為に割り付けた二重盲検試験。昨年のESHでは、「降圧群」における脳卒中再発28%の有意な減少(対プラセボ群相対比)ならびに、脳卒中再発例における痴呆発生の34%減少、重篤な認知機能低下の45%減少(いずれも有意)などが報告されていた(痴呆・認知機能に関しては文献未公表)。

 今回は、「降圧治療群」で脳卒中再発後に痴呆抑制が大きかったサブグループの解析が報告され、「初回脳卒中後の認知機能低下軽度例」ではプラセボ群に比べ痴呆発症が相対的に31%、それぞれ有意に減少することが明らかになった。これは重篤な認知機能低下に関しても同様だったという。

 Tzourio氏は「痴呆は効果的な予防法がなく、また脳卒中後は20〜30%が痴呆を発症するので、今回報告した予防法は臨床的に非常に重要だと考える」と述べている。

 なお、同日のオーラル・プレゼンテーション 「Hypertension in the Elderly」にてSYST-EUR痴呆サブスタディのフォローアップ試験の結果を報告したフランスUniversity ParisのF. Forette氏は、SYST-EURが脳卒中既往のない高血圧例に対する降圧治療の痴呆抑制作用を紹介した上でPROGRESSに言及し、「降圧による痴呆抑制効果は疑いのないものとなった」とコメントした。(宇津貴史、医学レポーター)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 餅の窒息や風呂での溺水で警察は呼ぶ? 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:16
  2. 【レッスン5】異常陰影を指摘せよ(難易度 中) 山口哲生の「目指せ!肺癌検診の達人」 FBシェア数:19
  3. 周術期のヘパリンブリッジはもういらない? プライマリ・ケア医のための心房細動入門リターンズ FBシェア数:205
  4. 大腸ポリープが腫瘍かどうかをAIが瞬時に判定 トレンド◎AI搭載の診断支援ソフトが国内初承認、年内発売へ FBシェア数:47
  5. 過敏性腸症候群ではプラセボ効果も治療のうち 田中由佳里の「ハラワタの診かた」 FBシェア数:51
  6. 敗血症へのステロイド投与のメタアナリシス JAMA Internal Medicine誌から FBシェア数:41
  7. この処方箋の患者はかぜ?それとも肺炎? 短期連載(1):Dr.キタカズの「成人市中肺炎の処方箋」 FBシェア数:39
  8. 外来での感染症診療は適切なアセスメントから 岡秀昭の「一般外来で感染症をどう診る?」 FBシェア数:107
  9. 職員を採用できずに開業した医師が語った事情 その開業、本当に大丈夫ですか? FBシェア数:49
  10. スギ花粉、関東以南は2月中旬から飛散開始 日本気象協会発表、花粉量は例年よりも多いが前シーズンより少なめ FBシェア数:6
医師と医学研究者におすすめの英文校正