2002.06.28

【ISH速報】 血圧正常高値例の高血圧移行リスクと冠動脈リスクが明らかに−−TROPHYの中間解析報告

 米国University of MichiganのStevo Julius氏は、現在、正常高値とされている血圧例に対する降圧薬の事前投与がその後の高血圧発症を予防するかを検討しているTROPHY(TRial Of Prevention of HYpertension試験の中間報告を、6月27日のオーラル・プレゼンテーション 「Drug Treatment、 Clinical Trials」で行った。現状では治療効果に関しては何も明らかになっていないが、高血圧発症の予知因子ならびに正常高値例における冠動脈リスクの程度が明らかになったという。

 TROPHY試験は、血圧が130〜139/85〜89mmHgの正常高値血圧806例を登録し、プラセボないしカンデサルタン16mg/日に無作為割り付けし、2年間追跡後、両群とも薬物治療なしで2年間追跡する無作為割り付け試験。カンデサルタンによる高血圧予防効果が検討される。

 今回報告されたのは、平均追跡期間26カ月時点で解析した「高血圧発症予知因子」と「血圧正常高値例」の冠動脈危険因子の実態。

 まず、26カ月の追跡期間中に高血圧を発症した34例で検討したところ、「家庭血圧(収縮期、拡張期とも)」と「試験前血圧」が、その後の高血圧発症の有意な予知因子であることが判明した。そこで家庭拡張期血圧を「>88mmHg」、「88〜79mmHg」、「<79mmHg」の3群に分けて高血圧発症例を検討すると、「>88mmHg」群では著明に高血圧移行率が高く、逆に「<79mmHg」群では低かった。「家庭で測定した拡張期血圧が88mmHgを超える場合、より頻回に血圧検査をした方がよいかもしれない」とJulius氏は述べた。

 また、これら血圧正常高値806例の冠動脈疾患危険因子を探索したところ、「危険因子なし」の例は2割に満たず、一方「危険因子1〜2」は6割を超しており、「血圧正常高値例でも冠動脈疾患リスクは高い点が明らかになった」(Julius氏)。

 プロトコールに従えば、薬物治療による高血圧発症予防効果が明らかになるのは2年後となるがその成果が待たれる。(宇津貴史、医学レポーター)

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