2002.06.27

新変異型CJDの精神・神経系症状、初期診断に役立つ発現パターンが判明

 新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(nvCJD)では、発症から4カ月までに、精神症状だけでなく神経症状も出現する−−。英国で発症したnvCJDの、最初の100人を分析したコホート研究で、初期症状の詳細な発現パターンが明らかになった。「変異型CJDの診断は初期段階では非常に難しいが、精神症状と神経症状を組み合わせれば、かなりの患者の診断に役立つだろう」と研究グループは提言している。この研究結果は、British Medical Journal(BMJ)誌6月22日号に掲載された。

 nvCJDは、1996年3月に10人の患者が報告されたのが最初で、従来のCJDと異なり20代の若年で好発し、経過が長いのが特徴だ。2002年5月30日までに英国では113人が報告されており、今後も患者は増えていくと予想されている。

 英国Addenbrooke's 病院のMichael D. Spencer氏らは、nvCJDの初期診断に役立てるため、英国でnvCJDと診断された最初の100症例について、精神症状および神経症状に絞って分析を行った。各症例に関する情報として、英国CJDサーベイランス室(National CJD Surveillance Unit)が公開しているデータを使った。

 その結果、nvCJDの臨床経過に次のような特徴があることがわかった。まず発症年齢は12〜74歳(中央値は26歳)で、生存する一人を除いた罹病期間は6〜39カ月(中央値は13カ月)だった。100人の患者のうち、8割以上の人で発病初期に精神症状があり、神経症状も100人のうち57人では発病から2カ月以内に認められていた。精神症状が神経症状よりも早く現れていた人は63人、その逆は15人で、残りの22人は発病時から両方ともあったと報告されていた。

 精神症状の現われる典型的なパターン(症例の半数以上で出現)は、発病から4カ月までの初期症状として、不快、引きこもり、不安、不眠、いらつきなどが生じるというもの。4〜6カ月では記憶力および集中力の低下や攻撃性、6カ月以降に方向感覚の喪失や動揺が現れる。

 一方の神経症状には、典型的な初期症状は認められないが、一部の人では4カ月までに下肢や顔の軽い痛みが現れ始める。4〜6カ月以降には半数以上の患者で歩行障害や構語障害、6カ月以降になると筋肉による協調動作の欠如や過反射、ミオクローヌス、尿失禁などが認められるという。

 研究グループは、こうした初期症状から「もし変異型CJDではないかと疑ったならば、患者を神経系の専門機関に紹介し、診断を受けるよう促すべき」と強調している。

 この論文のタイトルは、「First hundred cases of variant Creutzfeldt-Jakob disease: retrospective case note review of early psychiatric and neurological features」。現在、全文をこちらで閲覧できる。英国での発症状況については、こちらで毎月最新データが公開されている。(リンク先の運営次第で変更になることがあります。ご了承ください)。(八倉巻尚子、医療ライター)

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