2002.06.25

【ISH速報】 「降圧薬が止められる」条件、年齢と収縮期血圧、服薬数が鍵

 降圧薬は一般に「一生飲み続ける薬」とされるが、実は3分の1程度の人では、薬を止めても血圧が正常の範囲内に収まることが知られている。それでは、降圧薬が止められる条件とは何なのか−−。オーストラリアMonash大学疫学予防医学部門のM. R. Nelson氏らが、その検討結果を6月24日のポスターセッションで発表した。

 Nelson氏らが検討対象にしたのは、オーストラリアで行われた降圧薬臨床試験「ANBP2」(Second Australian National Blood Pressure study)の参加候補者。65〜84歳の高齢高血圧患者だが、ANBP2試験では、試験参加にあたり、現在服用している降圧薬を2週間断薬する「run-in期間」が設けられていた。

 このrun-in期間で血圧が高くなった人は、予定通りANBP2試験に参加。血圧が正常範囲に留まった503人をNelson氏らは追跡調査した。なお、ANBP試験は1995年にスタートしており、正常血圧は当時の基準で160/90mmHg未満としている。

 その結果、37%の人が、薬を止めてから1年後も血圧が正常範囲内に留まっていたことが判明。背景因子の比較から、薬を止められた人には1.年齢、2.収縮期血圧、3.服薬薬剤数−−の三つに特徴があることがわかった。

 具体的には、年齢が比較的若い(65〜74歳の)人では、比較的高齢(75〜84歳)の人よりも1.61倍降圧薬を断薬しやすい。降圧治療時の収縮期血圧も低いほど良く、10mmHg下がるごとに1.22倍薬を止めやすいことがわかった。服薬数とも有意な相関があり、単剤で血圧がコントロールできていた人では、併用療法が必要だった人よりも2.44倍、降圧薬を中断しやすかった。

 ただし、残りの63%の人は1年以内に再び高血圧状態へと戻っており、「半数は最初の70日で高血圧が“再燃”してしまう」とNelson氏。そのため、降圧薬の中断を試みる際には、「自己判断ではなく必ず医師の管理下で行うこと。最初の2週間は週1回、その後2カ月は2週間に1回、6カ月目までは月1回と、間隔を徐々に空けながら頻回に診察すべき」とNelson氏は注意を促している。

 なお、ANBP2試験の結果は、6月27日に開催されるプレナリー(必須)セッション「Large Clinical Trials」で発表される。

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