2002.06.25

【ISH速報】 αグルコシダーゼ薬がIGT者の高血圧発症も予防−STOP-NIDDMサブ解析より

 耐糖能異常(IGT)者約1400人を対象としたプラセボ対照無作為化試験、「STOP-NIDDM」(関連トピックス参照)のサブ解析で、αグルコシダーゼ薬のアカルボース(わが国での商品名:グルコバイ)に高血圧の発症予防効果もあることが明らかになった。プラセボ群と比べ、3年発症率を3分の2に抑えられるという。解析結果は、6月24日の一般口演「Hot Topics - Clinical Trials」で、カナダMontreal大学のJ-L. Chiasson氏らが報告した。

 STOP-NIDDM(Study TO Prevent Non-insulin-dependent diabetes mellitus)試験は、糖尿病の発症リスクが高いIGT者を対象に、アカルボースの糖尿病発症予防効果をみたプラセボ対照試験。3.3年で相対的に25%、糖尿病の発症が抑制されるとの結果が得られている。

 今回発表されたサブ解析は、1.高血圧、2.心血管イベント、3.耐糖能−−の三つに関するもの。まず高血圧については、3.3年でプラセボ群(686人)の115人(16.8%)、実薬群(682人)の78人(11.4%)が新たに高血圧を発症したことがわかった。発症率は実薬群で有意に低く、ハザード比は0.66(95%信頼区間:0.49〜0.89)となった。

 心血管イベントも同様に、プラセボ群(7.7%)より実薬群(4.5%)で発生率が有意に低く、ハザード比は0.60(同:0.38〜0.94)となった。また、既に論文発表されている内容ではあるが、耐糖能に関しても正常化した人の比率がプラセボ群(30.9%)よりも実薬群(35.3%)で有意に高く(p<0.001)、「アカルボースはIGTが糖尿病へと進行するのを予防・遅延させるだけでなく、IGT者の耐糖能そのものも改善する効果がある」とChiasson氏は改めて強調した。

 糖尿病と高血圧はいずれも心血管疾患の主要な危険因子で、その両方を一つの薬で予防できるならば臨床的なインパクトは大きい。しかし、IGTは確かに“介入可能な病態”ではあるが、薬物による介入を行うべきかについては慎重論も根強い。予防医療への保険適用の可否も含め、今後わが国でどのようなコンセンサスが形成されていくかに注目したい。

■ 関連トピックス ■
◆ 2002.6.19 STOP-NIDDM試験の原著論文がLancet誌に掲載、αグルコシダーゼ薬がIGT者の糖尿病発症を予防

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