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2002.06.10

【日本皮膚科学会速報】 腫瘍マーカー5-S-CD、腎不全患者では継続的に高値となる可能性あり

 悪性黒色腫の腫瘍マーカーとして用いられる5-S-cysteinyldopa(5-S-CD)は、腎不全患者では持続的に高値を示すため、診断などに利用する際には注意する必要があるようだ。大分医科大学皮膚科の浅田裕司氏らは6月7日、腎不全患者と血清5-S-CDの関係について調べた結果を、日本皮膚科学会の一般口演「悪性黒色腫3」で発表した。

 浅田氏は、悪性黒色腫の患者で術前の血清5-S-CDが21.2と高い数値を示した患者がいたため、全身CTなどで転移先を検索したが、転移がまったく認められず、腫瘍切除後も数値が下がらない症例を経験した。これを機に、今回の研究を始めることとなったが、最終的に腎不全が高値となる原因ではないかと考えるようになったという。

 5-S-CDは腫瘍マーカーの一つで、その血中・尿中濃度を測定することで、悪性黒色腫の病態を把握でき、その正常値は1.5〜8.0とされている。しかし、腎不全の場合に5-S-CDが異常高値を示すという報告はこれまでなかったという。

 同氏らは、同病院に入院中の患者で血清クレアチニン値が3以上の非胆癌の腎不全患者20人(平均年齢61.6歳、男性15人、女性5人)を対象に、調査を行った。その結果、5-S-CD値は血清クレアチニン値と高い相関を示すことがわかった(相関係数は0.78、p<0.00005)。なお、BUN値や透析実施の有無とは相関がみられなかった。

 浅田氏は、こうした結果を踏まえ、「血清5-S-CD値を評価する際、腎機能の影響を考慮する必要があるのではないか」と語り、参加者に留意するよう呼びかけた。