2002.04.19

“糖尿病予備群”のスクリーニング、OGTTは不要か

 糖負荷試験単独よりも、家族歴や体脂肪指数(BMI)、空腹時血糖、血清脂質値などの臨床所見に基づく予測の方が、2型糖尿病の発症リスクを正確に判断できるとの研究結果が報告された。この研究の特徴は、対象者の過半がヒスパニック系米国人であること。糖負荷試験の持つ意味が、人種によって異なる可能性を示唆するものとしても注目を集めそうだ。研究結果は、Annals of Internal Medicine誌4月16日号に掲載された。

 耐糖能異常は2型糖尿病発症の危険因子だが、その段階から運動療法や食事療法など適切な介入を行えば、糖尿病の発症が予防できるとのデータが揃ってきた。米国糖尿病協会(ADA)と米国国立衛生研究所(NIH)は、45歳以上の男女に対し、75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)などで耐糖能異常がある人をスクリーニングするよう推奨している(関連トピックス参照)。

 米国Texas大学健康科学センターのMichael P. Stern氏らは、同センターの所在地であるTexas州San Antonioの住民には、過去の臨床試験であまり検討対象となっていないヒスパニック系米国人が多い点に着目。OGTTを用いる“糖尿病予備軍”のスクリーニングが、San Antonioでも可能かどうかを検証した。

 対象者は、糖尿病を発症していないヒスパニック系米国人1791人と、非ヒスパニック系米国人1112人。BMIや空腹時血糖、血清脂質値に加えOGTTを測定し、7.5年間追跡して、2型糖尿病の発症をどの程度予測できたかを調べた。

 その結果、家族歴やBMI、空腹時血糖などから総合的に判断した場合の予測精度は84.3%となることが判明。一方、OGTTの2時間値単独での予測精度は77.5%で、臨床所見による予測の方が有意に精度が高いことがわかった(p<0.001)。

 さらに、臨床所見にOGTTの2時間値を加えた場合の予測精度は85.7%となり、予測精度はわずかに向上するものの、「実施にかかる手間や医療費には見合わないのではないか」と研究グループは指摘している。こうした指摘が日本人でも成り立つのかどうか、わが国でも同様の研究が行われることを期待したい。

 この論文のタイトルは、「Identification of Persons at High Risk for Type 2 Diabetes Mellitus: Do We Need the Oral Glucose Tolerance Test?」。アブストラクトは、こちらまで。

■ 関連トピックス ■
◆ 2002.4.5 「2型糖尿病の予防は生活習慣の改善から」、ADAとNIHが共同声明

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