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2002.04.11

【日本呼吸器学会速報】 「たばこ対策ガイドライン」の達成率、臨床研修指定病院や高度専門医療機関では依然低く

 旧厚生省が1996年に策定した「たばこ対策ガイドライン」では、医療機関は原則禁煙を基準にした対策が求められた。ところが、市立堺病院の大成功一氏らが臨床研修指定病院や高度専門医療機関を対象に行ったアンケート調査によると、依然として対策が進んでいない現状が明らかになった。4月5日のポスターセッションで発表した。

 研究グループは、臨床指定研修病院と高度専門医療機関348施設を対象に、呼吸器内科担当医師あてにアンケート用紙を郵送。220施設(63.2%)から回答を得た。

 その結果、敷地内禁煙を実施している施設はゼロで、館内禁煙も24施設(11%)にとどまっていた。

 館内分煙を実施していると回答した施設は194(88%)に上ったが、ガイドラインが望ましいとした分煙ランク(注)を病棟と外来で患者と職員すべてに実施していたのは29施設だけだった。望ましいとされた分煙ランクを病棟と外来で患者のみに適用していたのが79施設、病棟と外来で医師と看護師に適用していたのが32施設だった。なお、禁煙の規制なしが2施設あった。

 調査では、たばこを院内販売しているかどうかも尋ねているが、販売していないと回答したのは61施設(27.7%)に過ぎなかった。一方、研修医に対する禁煙教育の実施も尋ねたが、カリキュラムに取り入れていると回答したのは12施設(5%)と少数だった。 

 演者らは、医療機関は喫煙問題に対する情報発信拠点としての役割が望まれ、特に臨床研修指定病院はその範となるべき責任があると主張。ガイドラインの達成率を高めるため、喫煙規制の現状について病院別の情報公開が必要であると強調している。

(注)望ましいとされる分煙ランク
A:喫煙場所を完全に分割された空間とする。
B:喫煙場所を設置し、分煙機器により環境たばこ煙が完全に流れ出さないようにする。