2002.04.08

【日本呼吸器学会速報】 高齢者肺炎患者の治療に心臓超音波検査が有用

 ベッドサイドでできる心臓超音波検査は高齢者肺炎患者の治療に有用である−−。横浜労災病院呼吸器科の武内浩一郎氏らの研究グループは4月4日、ポスターセッションで高齢者肺炎患者における心臓超音波検査の有用性について発表した。

 研究グループは、2001年8月から2002年2月までに入院した肺炎患者で、65歳以上の高齢者30人を対象に、入院時に心臓超音波検査を施行した。

 対象の内訳は男性が21人、女性が9人。平均年齢は81.7歳。転帰は死亡4例、在宅酸素導入4例、再入院2例。検出菌は、黄色ブドウ球菌7例(MRSA5例)、肺炎球菌2例、緑膿菌2例、カンジダ5例。基礎疾患は、高血圧14例、糖尿病7例、呼吸器疾患(肺気腫、慢性呼吸不全)6例、心疾患(狭心症、心筋梗塞)7例、脳血管障害8例、悪性腫瘍9例だった。

 検査の結果、僧帽弁閉鎖不全(MR)が17例(中等度以上3例)、大動脈弁閉鎖不全(AR)が11例(中等度以上1例)、二次性三尖弁閉鎖不全(TR)が21例(中等度以上3例)、大動脈弁狭窄(AS)が3例に確認された。このほか、左心室機能低下(EF50%未満)、心不全5例、右心負荷・肺高血圧が2例、心嚢水3例、心筋症2例(肥大型1例、拡張型1例)あった。
 
 中等度以上の弁疾患などの心疾患が目立つのが最大の特徴。なお、心不全を併発する患者については早期に対応し救命できたという。

 高齢者における感染症と心不全の合併例は少なくないが、高齢者は訴えに乏しいことが多いため重篤な心疾患を見逃す危険性がある。ことから、演者らは、高齢者肺炎患者に心臓超音波検査を実施することで、早期に心合併症を把握できるとし、「心臓超音波検査は高齢者肺炎患者の治療に有用である」と結論付けている。

 なお、高齢者の場合、水分バランスの許容範囲が狭いため、脱水の有無や補液の量を把握することが重要となる。演者らは、このような「補液などの水分管理にも心臓超音波検査が有用であることが示唆される」としている。


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「市中肺炎診療の実態調査」ご協力のお願い

 MedWaveは、日本呼吸器学会および日本感染症学会の開催を機に、「市中肺炎診療の実態調査」(企画協力:日経メディカル開発)を実施しております。医療現場の第一線で活躍されている先生方に、外来で遭遇する肺炎(市中肺炎)の診療方法や考え方、抗菌薬の処方経験、市中肺炎診療に関する情報ニーズなどをお伺いし、市中肺炎診療の実態を明らかにすることを目的としております。調査結果は後日、MedWave上で紹介する予定です。ご多忙のところ恐縮ですが、何卒ご協力を賜りますようお願い申し上げます。アンケート画面は --> こちらから

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