2002.03.22

【ACC '02速報】 安定狭心症患者の脳心事故、運動療法でPCIより低減

 安定狭心症患者に運動療法を行うと、冠動脈インターベンション(PCI)を行うよりも、脳心事故や症状悪化による入院などが減ることがわかった。「PET」(PTCA/Stent vs. Exercise Training in Symptomatic Patients With CAD)パイロット研究の結果によるもので、ドイツLeipzig大学心臓センターのRainer Hambrecht氏が、3月18日のシンポジウム「The Changing Therapeutic Role of Exercise Training in Contemporary Cardiology」で発表した。

 対象は、労作時に症状が出る安定狭心症患者101人。平均年齢は61歳で4割に心筋梗塞の既往があり、狭窄がある冠動脈数は半数が1枝、3割が2枝で、残りの2割には3枝に病変があった。Hambrecht氏は、対象患者を無作為に2群に分け、一方にはPCI、他方には運動療法を行って予後を比較した。

 1年が経過した時点で両群を比較すると、運動療法群(51人)では狭心症の悪化で一人が入院したのに対し、PCI群(50人)では6人が入院。PCIの(再)施行数は3人対9人、脳卒中の発症または冠動脈バイパス術(CABG)の施行数も2人対3人となり、いずれも運動療法群で少なくなった。1年後の無事故生存率は、PCI群が64%であるのに対し、運動療法群は90%と有意に高くなった(p<0.005)。

 運動中の心筋血流をシンチグラフィーで評価すると、PCI群と運動療法群は、同じ程度に回復していることが判明。しかし、最大酸素摂取能は、PCI群で施行前とほとんど変わらなかったのに対し、運動療法群では2割強の増加がみられた。CCS狭心症重症度評価でも、運動療法群の方がPCI群よりも大きな改善がみられた。

 この結果についてHambrecht氏は、「PCIでは主要冠動脈の血行のみが改善されるが、運動療法では末梢血管も含めた体全体の血行動態が改善されるため、運動耐容能が上がって症状の軽減や脳心事故の低下につながったのではないか」と考察。より長期的な効果について、今後検討を進めていきたいとした。

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