2002.02.26

ACCで報告される「LIFE試験」のサブ解析、本試験の発表前にCirculation誌で早期公開

 心肥大を合併した高血圧患者を対象に、β遮断薬のアテノロールを対照薬としてアンジオテンシン2(A2)受容体拮抗薬のロサルタンの有用性を調べた「LIFE試験」(The Losartan Intervention For Endpoint Reduction in Hypertension)のサブ解析が、Circulation誌のホームページで早期公開された。本試験の結果は、米国心臓学会(ACC)の「Late Breaking Clinical Trials」セッションで、3月20日に発表される予定(関連トピックス参照)で、本試験の発表前にサブ解析が公開されるのは極めて異例だ。

 今回報告されたのは、LIFE試験の参加者のうち、試験開始時と試験中に心臓超音波検査(心エコー)を行った728人に対する1年後の解析結果だ。対象患者の平均年齢は66.2歳で、治療前の左室重量は234g、左室内径は5.29cm。ロサルタンまたはアテノロールを基礎薬とする降圧治療で、治療目標値(140/90mmHg)には至らないものの、血圧が収縮期で23mmHg、拡張期で11mmHg低下して平均151/84mmHgとなり、心拡張能が改善することがわかったという。

 具体的には、1年間の降圧治療で、エコーで評価した左室重量と心中隔壁厚が有意に減少しており、左室内径は有意に増加した。さらに、左室拡張機能の指標である等容性弛緩時間と、E/A比(急速流入期の僧帽弁口の最大流入速度を反映するE波と、心房収縮期の僧帽弁口の最大流入速度を反映するA波との比)も有意な改善を認めた。ただし、左室流入血流波形は、1年後でも57%が異常を示している。

 心肥大の退縮は、評価対象となった726人中560人で認められているが、これらの患者では等容性弛緩時間やE/A比、左室流入血減速時間の正常化がみられた。一方、心肥大が退縮しなかった患者(166人)では、こうした指標に有意な変化はなかった。

 さらに、多変量解析の結果からは、左室等容性弛緩時間の短縮と左室重量減少、E/A比の改善と拡張期血圧の低下、左室流入血減速時間増加と拡張末期左室壁厚の減少とが、独立して相関することも明らかになった。

 なお、今回のサブ解析は、本試験の発表前に行われているため、ロサルタン群とアテノロール群との比較はなされていない。β遮断薬の服用で心拍が低下することも知られているが、心拍に基づく比較結果も明らかになっていない。

 LIFE試験は、高血圧に対するA2受容体拮抗薬の有用性を検討した初の大規模試験として期待されており、ACCでの報告が待たれる。

 この論文のタイトルは、「Change in Diastolic Left Ventricular Filling After One Year of Antihypertensive Treatment. The Losartan Intervention For Endpoint Reduction in Hypertension (LIFE) Study」。アブストラクトは、こちらまで。

■ 関連トピックス ■
◆ 2002.2.8 ACC、「Late Breaking Clinical Trials」セッションへの採択演題を発表

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