2002.01.29

【日本疫学会速報】 測定しやすい尿中コチニン定量法を開発、感度と特異度はともに95%以上

 尿中コチニン定量法の一つであるバンビツール酸吸光光度法は、安価で短時間に多くの検体を定量でき疫学調査に適している。しかし、褪色しやすいため、正確な判定結果を得るためには素早く判定する必要があった。岩手医科大学衛生学公衆衛生学講座の佐藤徹氏らは、これまでよりシアン化カリウムを減らし、エタノールを加えることで、吸光度を大幅に安定させ褪色を遅らせることに成功したと、日本疫学会学術総会の1月24日のポスターセッションで報告した。

 佐藤氏らの溶液が従来のものと異なるのは、シアン化カリウムを10分の1に減らし、エタノールを新たに添加した点。つまり、尿0.5mlを試験管に取り、エタノール0.5ml、4mol/lの酢酸緩衝液(pH4.7)0.2ml、1%シアン化カリウム溶液0.1ml、10%クロラミンT溶液0.1ml、1%バンピツール酸溶液0.5mlを順次加え、508nmの吸光度で定量する。

 吸光度がピークに達するまでの時間と、ピーク値の95%以上である時間(定量適正時間)を測定したところ、以前の溶液だとピーク到達は11分後で、定量適正時間は10分間だった。一方、佐藤氏らが考案した溶液だと、ピーク到達までは67分後と遅くなるものの、定量適正時間は80分間と大幅に長くなった。

 さらに、同氏らの溶液の有効性を感度や特異度で評価したところ、良好な結果が得られた。ある工場従業員329人(喫煙者179人、非喫煙者150人、自己申告)の尿を用いて、感度と特異度を求めた。結果は感度が96.1%、特異度が96.7%と、ともに95%以上だった。

 佐藤氏は、定量適正時間は以前の約8倍になったことで、以前よりゆとりをもって吸光度を確認できるので、「疫学調査のように多くの検体を調べる際には、特に有効ではないか」と語った。また、エタノールは安価なため、コストがほとんど変わらないのもメリットと言えるだろう。

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