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2001.10.31

【日本アレルギー学会速報】 抗アレルギー薬、単独でもアトピー性皮膚炎のかゆみに有効

 ステロイド外用薬と併用されることが多く、単独での効果については不明な点が多かった抗アレルギー薬に、アトピー性皮膚炎のかゆみを抑える効果があることがわかった。10月30日のシンポジウム9「アトピー性皮膚炎の治療」で、聖マリアンナ医科大学皮膚科の溝口昌子氏が発表した。アトピー性皮膚炎の治療において、抗アレルギー薬をどう位置付けるかに大きな影響を与えそうだ。

 溝口氏らは、抗アレルギー薬の蕁麻疹に対する効果は二重盲検試験などで示されているものの、アトピー性皮膚炎については、併用することの多いステロイド外用薬の効果にマスクされて単独の作用が不明な点に着目。1カ月以上無治療のアトピー性皮膚炎患者27人(平均年齢24.7歳)を対象に、抗アレルギー薬(第2世代抗ヒスタミン薬)を内服した場合の皮疹やかゆみへの効果を調べた。

 この研究の大きな特徴は、アトピー性皮膚炎患者を2群に分け、ステロイド併用群(12人)にステロイド外用薬と抗アレルギー薬、保湿剤併用群(15人)に保湿剤と抗アレルギー薬を併用しているところ。薬効成分を含まない保湿剤を使うことで、外用薬との併用という条件を同じにしたまま、ステロイドの有無による効果の差がクリアになる。皮疹やかゆみの重症度などは両群で差がないようにした。

 その結果、ステロイド併用群では、治療後に皮疹とかゆみの両方が改善。一方の外用薬併用群では、皮疹には大きな改善はみられなかったが、かゆみは治療後に有意な改善がみられた。

 さらに、溝口氏らは抗アレルギー薬を内服している別のアトピー性皮膚炎患者100人(平均年齢:29.7歳、平均内服期間:37.7週)を対象に、自記式のアンケートを実施。かゆみと皮疹について自覚的な効果を答えてもらったところ、患者自身も「皮疹にはあまり効果がないが、かゆみには効果がある」と感じていることが明らかになったという。

 以上から溝口氏は「厳密な介入試験ではないので断定はできないが、アトピー性皮膚炎患者には、少なくとも抗アレルギー薬がかゆみに効く一群が含まれている」と結論。かゆみのために皮膚を掻くと、皮膚のバリアがはがれて二次感染を引き起こすこともあるため、アトピー性皮膚炎の治療では抗アレルギー薬などを用いたかゆみのケアも重視すべきだとした。