2001.10.28

【日本高血圧学会速報】 意外に多い不正確な血圧計、水銀柱式の4割に誤差

 駿河台日本大学病院循環器科の佐藤喜洋氏らが院内で使用されている血圧計を対象に行った調査で、一般にくるいが起こりにくいとされる水銀血圧計でも、およそ4割に3mmHg以上の誤差が生じていることが明らかになった。わが国の医療機関では、大半が血圧測定に水銀血圧計を用いているが、誤差が生じにくいと信じられているためか、精度管理を行っている施設は少ないという。今後は、水銀血圧計でも、定期的な精度管理が重視されそうだ。佐藤氏らはこの調査結果を、10月27日に行われたポスターセッションで発表した。

 佐藤氏らは、同院の外来や病棟に常置されている水銀血圧計90台(スタンド型12台、携帯型78台)の誤差を、基準血圧計(西工業製液注型圧力計A01型基準計)を使って測定。同時に、測定時の空気漏れや水銀柱への空気混入、汚れによる水銀停滞の有無を調べた。

 0、100、150、200、250mmHgの5点で、基準血圧計に対する誤差を調べたところ、5点とも誤差が上下3mmHg以内だった血圧計は90台中56台(59%)のみ。ひどいものでは7〜8mmHgのくるいがみられた。空気漏れなどのトラブルも13台で生じており、最終的に「合格」となった血圧計は53台だけとなった。

 今回検査を行った水銀血圧計には購入時期がわからないものがあり、購入してから何年で誤差が生じ始めるかとの分析はされていない。しかし、外科系の病棟に置かれた血圧計の方が、内科系病棟の血圧計よりも誤差のあるものが多い傾向がみられたことから、「血圧計の取り扱いに慣れているかどうかで、誤差が生じるまでの時間に違いが生じる可能性もある」と佐藤氏は考察する。

 佐藤氏らによると、精度管理を行う上で欠かせない基準血圧計は、20万円程度から入手できるという。精度管理が直接利益を生むわけではないが、高血圧患者の診療を行う場合、数mmHgの誤差が治療方針を変えてしまう恐れもある。「患者さんの不利益を招かないためにも、医療機関はこうした必要な投資を行ってほしい」と佐藤氏は述べた。

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