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2001.09.27

【日本心臓病学会速報】 在宅酸素療法が慢性心不全患者の入院日数を減らす可能性も

 慢性心不全患者の換気機能障害は通常軽いため、在宅酸素療法(HOT)が適用されることはほとんどない。しかし、大阪府立羽曳野病院循環器内科の杉山祥子氏らは9月26日、「慢性心不全に対するHOTの適用が病状の安定をもたらす可能性がある」と、第49回日本心臓病学会学術集会の一般演題(口演)で発表した。症例数がまだ少ないものの、入院日数などが明らかに減少していたため、参加者の注目を集めた。

 HOTを施行したのは、NYHA心機能分類が3(12人)と4(2人)の慢性心不全患者計14人。患者背景については、男性10人と女性4人、平均年齢が69歳、左室駆出率が平均33%、心胸郭比が平均64%だった。

 介入方法については、日中のPaO2が70torr以上、かつ5%以上の酸素飽和度の減少が夜間に3回以上ある患者4人には、毎分1.0リットルのHOTを睡眠時のみ導入。一方、日中のPaO2が70torr未満の患者10人には、日中と体動時には毎分2.0リットル、睡眠時には毎分1.0リットルのHOTをそれぞれ実施した。

 入院率(生存日数に占める入院日数の割合)と入院回数をHOT導入の前後2年間ずつにおいて比較すると(一部の症例は1年間ずつで比較)、入院率は26%から6%に、入院回数は2.7回から0.8回に、それぞれ有意に少なくなっていた(ともにp<0.01)。また、HOT導入後、10年間生存した患者もいたという。

 杉山氏は、「HOTは入院率や入院回数といった点で患者のQOLを改善する可能性がある。HOTは合併症が少なく簡便な治療法であるため、慢性心不全の治療手段の一つとして用いることもできるのではないか」と述べた。