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2001.09.26

【日本心臓病学会速報】 冠動脈インターベンション後の再狭窄の解決に決定打か−ラパマイシン被覆ステント

 これまで冠動脈インターベンション後の再狭窄はインターベンションの“アキレス腱”といわれてきたが、その解決の決定打になる可能性の高い方法が登場しそうだ。免疫抑制剤ラパマイシンで被覆したステントがそれ。9月25日に開催された日本心臓病学会のシンポジウム「冠動脈インターベンションのニューパラダイム」の中で、帝京大学医学部内科の上妻謙氏らが欧州心臓病学会(ESC)で発表された研究成果を紹介した。このステントの使用によって「6カ月後の再狭窄の問題はほぼ解決するだろう」(上妻氏)とみられている。

 開発を進めているのは米国Johnson & Johnson社。欧州では、すでに無作為化臨床試験で明確な有用性が確認され、来年発売される予定。米国では、現在無作為化臨床試験が進行中である。日本ではまだ検討されていない。

 従来のステントは、リコイルやリモデリングによる血管の縮小は抑制するものの、新生内膜の増殖は抑制しない。そのため、再狭窄をある程度は抑制するが、その効果は必ずしも十分ではない。今回紹介されたラパマイシン被覆ステントは新生内膜の増殖をも抑制することを期待して開発された。ステント留置後、2週間以上にわたって徐々に放出されるラパマイシンが新生内膜の増殖を抑制すると考えられている。

 これまでに、オランダでの無作為試験(RAVEL study:120例)を含む、海外の四つの臨床試験で計163例に試みられたが、インターベンション後6〜12カ月時点の冠動脈造影で再狭窄と判定された症例は1例もない。IVUS(血管内超音波)による検討では、明らかなリモデリングが認められず、新生内膜の増殖もほとんどなかった。血栓性イベントも起こっていない。

 今後、さらに長期の経過観察が必要だが、アキレス腱解消の決定打になる可能性の高い治療法だ。ちなみに、薬物被覆ステントをめぐっては、抗癌薬のパクリタキセルで被覆したステントでも、再狭窄防止効果を認めるデータが得られつつある。(田中博、メディカルライター)