2001.09.07

【ESC学会速報】 ACSによる入院患者、「退院時の収縮期血圧高値」が心筋梗塞再発の危険因子に−−PREVENIR試験より

 心筋梗塞や不安定狭心症などの急性冠症候群(ACS)で入院した患者の場合、高血圧のまま退院した人では、心筋梗塞の再発や冠動脈疾患死のリスクが高いことが明らかになった。これは、フランスの77医療機関で、ACSによる入院患者1247人を6カ月間追跡した「PREVENIR試験」の結果。9月5日のポスターセッション「Prognosis of coronary patients」で、フランス国立衛生研究所(INSERM)のJacques Amar氏が報告した。

 Amar氏らは、1998年1月に緊急入院したACS患者のカルテを後ろ向き(レトロスペクティブ)に解析。退院できた1394人から死因が「不明」や「原因不明の院外死」などを除いた1247人のうち、6カ月以内に冠動脈イベント(心筋梗塞再発または冠動脈疾患死)を来した63人の背景因子を検討した。

 その結果、「高齢」「左室機能低下」「心筋梗塞既往」「脳卒中既往」「退院時糖尿病合併」などの要因が、冠動脈イベントのオッズ比を有意に増加させるとの“常識的な結果”が得られる一方、「女性」「退院時喫煙者」「退院時脂質代謝異常例」では、オッズ比が有意に低下しているという知見も得られた。

 Amar氏らが注目したのは、退院時高血圧によるオッズ比の増加だ。退院時に高血圧だったのは32.9%(411人)に上るが、「高血圧既往のない正常血圧例」に比べ、「高血圧例」では冠動脈イベントのオッズ比が1.73培となった(有意差なし)。

 そこで「高血圧例」の内訳を見ると、収縮期高血圧が140mmHg以上の患者では、オッズ比が1.72倍と有意に増加していた(95%信頼区間:1.03〜2.87)。一方、拡張期血圧も90mmHgを超える「血圧>140/90mmHg」例では、オッズ比は低下傾向を示す。したがって、退院後冠動脈イベントのオッズ比が有意に増加していたのは、収縮期高血圧例であることが明らかになった(オッズ比:1.96倍、95%信頼区間:1.15〜3.36)。

 さらに、多変量解析の結果からも、「収縮期高血圧」は「心筋梗塞で入院(不安定狭心症を除く)」「末梢血管障害既往」「心筋梗塞既往」と並び、冠動脈イベント発生リスクを増加させる有意な因子であることが判明した。

 報告に当たったAmar氏は「急性冠症候群患者の入院中に、収縮期高血圧をコントロールするレジメンを見出すことの重要性が示唆された」と語っている。(指方 通、医療ライター)


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