2001.07.26

左利きは炎症性大腸疾患の危険因子?、コホート研究が示唆

 英国で行われたコホート研究で、クローン病や潰瘍性大腸炎には、右利きよりも左利きの人の方が約2倍かかりやすいことが示唆された。研究結果は、Gut誌8月号に掲載された。

 この研究を行ったのは、英国王立Free大学のD. L. Morris氏ら。Morris氏らは、英国で行われている二つのコホート調査に基づき、利き手と炎症性大腸疾患の関連を検討した。

 1970年に産まれた人をコホートとする「1970 British Cohort Study」では、10歳の時に利き手をチェック。1958年に生まれた人をコホートとする「National Child Development Study」では、7歳の時に利き手を調べている。

 Morris氏らは、この二つのコホートの対象者について、炎症性大腸疾患に罹患しているかどうかを検査。性別を補正して利き手と疾患との相関を調べた。

 その結果、左利きの人がクローン病に罹患しているオッズ比は、右利きの人の2.13倍(95%信頼区間:0.97〜4.65)、潰瘍性大腸炎についても2.13倍(同:0.92〜4.91)となった。両者を併せ「炎症性大腸疾患」としてオッズ比を求めると、2.13倍(同:1.20〜3.78、p=0.010)となり、左利きの人では有意に炎症性大腸疾患が多いことが明らかになった。

 クローン病や潰瘍性大腸炎には、自己免疫疾患との側面もある。Morris氏らは、1.“左利き”が免疫に関する何らかの遺伝的な素因を反映している(“左利き遺伝子”と“自己免疫疾患遺伝子”が、染色体上で近い場所にあるなど)、2.左利きであることが、腸疾患や自己免疫疾患を起こしやすくする環境因子になっている‐‐の二つの理由が考えられるとしている。

 この論文のタイトルは、「Inflammatory bowel disease and laterality: is left handedness a risk?」。アブストラクトは、こちらまで。

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 細菌性腸炎の特徴的所見は何か? 今さら聞けない画像診断のキホン FBシェア数:4
  2. 「無給医は必要悪」では済まされない シリーズ◎医師の働き方改革 FBシェア数:302
  3. 外部の歯科と連携したら在院日数が大幅短縮! 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:126
  4. 本当に加熱式・電子タバコは吸っていいのか? プライマリケア医のための喘息・COPD入門 FBシェア数:3
  5. 呼吸器内科医が検査でよく目にする“メレンゲ” 倉原優の「こちら呼吸器病棟」 FBシェア数:12
  6. 棺桶に入るまでにやりたいことリスト(後編) テクノ アサヤマの「今日がいちばんいい日」 FBシェア数:30
  7. 2040年に必要な病院は今の半分、4000ぐらい… シリーズ◎医療・介護業界を襲う「2040年問題」 FBシェア数:66
  8. ランチョン廃止で900万円を失った学会の運営術 特集◎新専門医制度時代の学会と専門医《3》 FBシェア数:1505
  9. 救急医に必要な2つの判断能力 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:67
  10. インフル予防接種で心不全患者の死亡リスク低減 Circulation誌から FBシェア数:116
医師と医学研究者におすすめの英文校正