ワクチン接種後の脱髄の症例報告を読む Int J MS Care誌より 急性散在性脳脊髄炎はワクチン接種後の脱髄の最も一般的な形態であり、最近、特定のワクチンで視神経脊髄炎関連疾患(NMOSD)の増加が報告されている。これらの症例のほとんどはアクアポリン-4抗体陽性とされている。本報告は、いくつかのワクチン接種を受けた後にミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋… 2020/09/29 精神・神経
BMJ誌から HPVワクチンと自律神経障害関連疾患は無関係 デンマークの女性約137万人を追跡した自己対照ケースシリーズ研究 安全性に関する懸念が、4価のHPVワクチンの普及を妨げているのは日本だけではない。デンマーク、アイルランドでも普及が遅れているという。デンマークStatens Serum InstitutのAnders Hviid氏らは、接種後の発症が懸念されている、慢性疲労症候群や複合性局所疼痛症候群、体位性頻脈症候群といっ… 2020/09/28 感染症
Clin Infect Dis誌 香港33歳男性の新型コロナ2回目エピソードは「再感染」が濃厚 遺伝子系統樹を含む各種分析結果より 2020年3月に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染と回復を経験した香港在住の男性で、その後、8月に欧州渡航から戻った際の空港PCR検査でCOVID-19陽性が判明した症例の臨床経過とウイルス遺伝子検査を含む詳細な分析結果が、Clin Infect Dis誌電子版で8月25日に発表された。著者は、本症例の2回… 2020/09/26 感染症
「医師臨床研修マッチング2020」中間結果ランキング マッチング中間、自治医大と昭和大が躍進 市中病院1位は武蔵野赤十字病院 医師臨床研修マッチング協議会は9月25日、「医師臨床研修マッチング」の中間結果を公表した。日経メディカルでは、施設ごとの1位希望人数を基に、大学病院、市中病院それぞれのランキングを作成。大学病院は昨年の中間発表時の順位との変動を見た。… 2020/09/25 医師のキャリア
日医会見「初診オンライン診療は緊急の対応」 菅内閣のオンライン診療の時限的・特例的措置「恒久化」表明受け 日本医師会は2020年9月24日に会見を開き、会長の中川俊男氏はオンライン診療の時限的・特例的措置について「初診オンライン診療は有事における緊急の対応だ。今後については検証結果を踏まえて改めて安全性、有効性について検討すべきだ」との見解を表明し、緩和の取り扱いに対して慎重な姿勢を見… 2020/09/25 組織
オンライン診療の特例的措置の「恒久化」に意欲 菅内閣発足に伴い田村厚労大臣が会見 第1次菅内閣が2020年9月16日に発足し、三重県第1選挙区選出(当選回数8回)の田村憲久氏が新たに厚生労働大臣に就任した。第2次安倍内閣時の2012~14年に厚労大臣を務めており、再登板となる。17日の閣議後会見で田村厚労大臣は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴って特例的措置と… 2020/09/18 行政・制度
33歳女性のCOVID-19患者における急性壊死性脳症および心筋炎 Neurology Neuroimmunology & Neuroinflammation誌より SARS-CoV-2感染による神経学的合併症のケースレポートである。 2020/09/17 精神・神経
Gastroenterology誌から プロバイオティクスが早産児の総死亡を防ぐ? RCTのネットワークメタアナリシス 死亡や壊死性腸炎(NEC)を予防する目的で、プロバイオティクス製剤を早産児に投与したランダム化比較対象試験(RCT)のネットワークメタアナリシスにおいて、一部の単株および複数株製剤に有効性が認められた。結果はGastroenterology誌8月1日号に掲載された。 早産児は、敗血症や死亡のリスク… 2020/09/17 消化器
JAMA Network Open誌から ツツガムシ病にはどの抗菌薬がお勧めか? 抗菌薬の有効性と安全性を比較したネットワークメタアナリシス 中国昆明医科大学のJiaru Yang氏らは、ツツガムシ病の治療に用いられる主な抗菌薬の有効性と安全性を比較するためのネットワークメタアナリシスを行い、薬剤間の成績に有意差はなかったが、投与から解熱までの時間はクラリスロマイシンが短かったと報告した。結果はJAMA Network Open誌電子版に20… 2020/09/16 感染症
Ann Intern Med誌から インフルエンザに合併する心血管疾患の割合は? 米国CDCが2010~2011年から2017~2018年までの流行期の横断研究 米国CDCのEric J. Chow氏らは、インフルエンザで入院中の成人患者に合併する急性心血管イベントについて検討し、危険因子を同定するために、横断研究を行ったところ、患者の11.7%が何らかの心血管イベントを経験しており、急性心不全と急性虚血性心疾患が多かったと報告した。結果はAnn Intern M… 2020/09/14 感染症
議論は「第2ラウンド」入り 2021介護報酬改定は災害・感染症もテーマに 厚生労働省は2020年9月4日、社会保障審議会・介護給付費分科会を開催した。前回までで事業者団体のヒアリングや個別の議論を一通り終え、今回以降本格的な議論を開始する「第2ラウンド」に入った。事務局は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行や災害の発生状況を踏まえ、2021年介護報酬改… 2020/09/11 行政・制度
学会トピック◎欧州心臓病学会会議(ESC2020) 心房細動ガイドライン改訂、包括的管理を前面に ABC pathwayという新たなアプローチを提唱 インターネット上で開催された欧州心臓病学会会議(ESC2020、会期:8月29日~9月1日)で、「心房細動の診断と管理に関するガイドライン2020年版」が発表された(こちら)。現行の2016年版から4年ぶりの改訂で、新しいエビデンスを取り入れつつ、体系的に患者特性を把握し包括的な患者管理を行うこ… 2020/09/10 循環器
BMJ誌から カナグリフロジンは下肢切断を増やすか? 65歳以上で心血管疾患がある患者では、GLP-1受容体作動薬よりも有意に増加 米国Harvard大学医学部のMichael Fralick氏らは、米国の大規模データベースを利用して、2型糖尿病患者で新たにカナグリフロジンを処方された患者と、GLP-1受容体作動薬を処方された患者を対象に、患者の年齢と心血管疾患の有無で4群に分けたコホートを追跡して下肢切断リスクを検討したところ、カ… 2020/09/10 代謝・内分泌
COVID-19は古典的な免疫応答分類に疑問を投げかける Nature誌より 重症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)例の免疫反応の推移を検討した報告が、Nature誌7月27日号に掲載された 2020/09/10 感染症
BMJ誌から 予期せぬ体重減少が癌につながるのは誰か? 癌検診が推奨される患者を選び出すデータの組み合わせを見つける プライマリケアを受診する成人のおおよそ1.5%に予期せぬ体重減少が記録されている。そうした人が6カ月以内に癌と診断されるリスクは高くないが、中には癌検診を勧めた方がよい患者も含まれている。英国Oxford大学のBrian D Nicholson氏らは、どのような特性や症状を有する患者に癌検診を勧めるべ… 2020/09/09 癌
Diabetologia誌から 生殖補助医療による出生児は糖代謝・心血管リスクが高い 自然妊娠児との比較 生殖補助医療(ART)による出生児の代謝障害のリスクに関して、6~10歳のART児と自然妊娠児を比較する研究が中国で行われた。解析の結果、ART児は血糖値が高く、インスリン感受性と分泌が低下しており、頸動脈内膜中膜肥厚度(CIMT)が高値であることが示された。この結果はDiabetologia誌8月5日… 2020/09/09 代謝・内分泌
Surgery誌から 下肢静脈瘤に対する血管内マイクロ波焼灼術はEVLAより優位 下肢静脈瘤(VV)に対する血管内レーザー焼灼術(EVLA)と血管内マイクロ波焼灼術(EMA)を比較したところ、EMAはEVLAより処置時間が短く、術後合併症が少なく、局所再発率も低いことが確認された。中国の研究者らが、非ランダム化前向き研究の結果をSurgery誌8月10日号オンライン版で報告した。… 2020/09/09 外科
知事会からの地域研修延長の要望には反論集まる 新型コロナを考慮して臨床研修指定病院の要件を一部緩和 厚生労働省は2020年9月4日、医道審議会医師分科会医師臨床研修部会を開催。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い、入院患者数が減った病院も多いことから、初期臨床研修を行う基幹型臨床研修病院の指定継続について年間入院患者数が2700人未満でも、他の要件を満たす場合は継続を認… 2020/09/08 医師のキャリア
厚労省、看護必要度の施設基準の経過措置を延長 患者の診療実績が含まれる回リハ病棟や地ケア病棟の施設基準も 厚生労働省保険局医療課は2020年9月1日、「2020年度診療報酬改定において経過措置を設けた施設基準の取り扱いについて」の事務連絡を発出した。「重症度、医療・看護必要度」などの施設基準に関する経過措置の期限を半年間延長し、2021年3月31日までとすることを明確にした。 厚労省は8月19日に… 2020/09/08 行政・制度
BMJ誌から 早期乳癌の術中単回放射線照射は有望 標準治療の術後外部放射線照射と比較したRCT 英国University College LondonのJayant S Vaidya氏らは、乳房温存療法を受ける早期乳癌患者への術中の単回放射線照射が、術後の外部放射線照射の代替として有用かどうかを検討するために、オープンラベルのランダム化フェーズ3試験TARGET-Aを行い、術中単回照射の5年局所再発率は外部放射線照射… 2020/09/08 癌
学会トピック◎第45回日本脳卒中学会学術集会(STROKE2020) 新規脳梗塞治療薬、tPA療法適応外の患者にも有効か 脳梗塞治療薬として開発が進められているSMTPの作用機序や薬効について、東京農工大学大学院農学研究院教授の蓮見惠司氏、東北大学大学院医工学研究科教授の新妻邦泰氏が第45回日本脳卒中学会学術集会(8月23日~9月24日)で発表した。tPA療法適応外となる患者に対しても安全に投与できる可能性を… 2020/09/07 循環器
学会トピック◎欧州心臓病学会会議(ESC2020) 非1型ブルガダ心電図症例の心事故予測因子は 特発性心室細動研究会の症例登録研究から判明 タイプ1以外のブルガダ型心電図の所見がある患者を長期間追跡した結果、失神や心室頻拍/心室細動(VT/VF)の既往がある(有症候)、V2誘導で90msを超えるwide QRSを認める、心臓電気生理学的検査(EPS)でVT/VFが誘発される──という3条件がそろっていると、心事故のリスクが高くなることが明ら… 2020/09/07 循環器
Ann Intern Med誌から 肥満者の減量手術は総死亡リスクを減らす 手術適応はあるが手術を受けなかった患者をマッチさせたコホート研究 カナダMcMaster大学のAristithes G. Doumouras氏らは、同国オンタリオ州で減量手術を受けた患者と、減量手術の適応があるが手術を受けなかった人によるマッチドコホート研究を行い、減量手術には総死亡リスクを減らす効果が見られたと報告した。結果はAnn Intern Med誌電子版に2020年8月18日に掲… 2020/09/04 代謝・内分泌
新型コロナの影響で議論が進まず 2022年度の医学部定員は2020~21年度を維持へ 厚生労働省は2020年8月31日、「医療従事者の需給に関する検討会」の医師需給分科会を開き、2022年度の医学部臨時定員について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で議論を行う時間が取れなかったことから2020~21年度の方針を継続することを決定した。23年度以降の臨時定員減員の方向性につい… 2020/09/04 医療提供体制
日本アルトマークが施設基準の届け出状況を調査 在支診・在支病の届け出、年換算で最多ペースに 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により外来患者が激減した2020年3月から6月にかけて、在宅時医学総合管理料(在総管)、在宅療養支援診療所(在支診)、在宅療養支援病院(在支病)の届け出が急増したことが分かった。いずれも年換算では2012年以降で最多ペースとなる。医療データベ… 2020/09/03 在宅医療
JAMA Network Open誌から ビスフェノールA曝露は総死亡リスクを増やす 米国国民健康栄養調査を利用して尿中濃度と死亡率の関係を検討 米国Iowa大学のWei Bao氏らは、国民健康栄養調査(NHANES)参加者の尿サンプルを用いて、内分泌かく乱物質とされるビスフェノールA(BPA)の濃度を測定し、中央値9.6年の追跡で、尿中BPA濃度が高いグループは低いグループに比べ死亡リスクが高かったと報告した。結果はJAMA Network Open誌電子版… 2020/09/03 公衆衛生・予防医学
学会トピック◎欧州心臓病学会会議(ESC2020) コルヒチンでCVイベント再発リスク31%減 CV残余リスクとしての慢性炎症に再度脚光、LoDoCo2試験 安定冠動脈疾患の患者に対する低用量コルヒチンの投与により、心血管イベントの再発リスクが31%有意に抑制されたと、オーストラリア・GenesisCare Western AustraliaのMark Nidorf氏らが欧州心臓病学会会議(ESC2020、会期:8月29日~9月1日、インターネット上で開催)で発表した。LoCoDo2試験の… 2020/09/03 循環器
2020年度医師会立看護職養成所の調査結果 医師会立看護師養成所、2年課程で初の定員割れ 日医は地域医療への貢献を強調、支援求める 日本医師会は8月19日、定例の記者会見で2020年度医師会立の助産師・看護師・准看護師学校養成所調査の結果を公表。常任理事の釜萢敏氏は、「全体として、応募者数は減少しており、准看護師課程の応募者が今年度、初めて9000人を下回った他、看護師2年課程では定員割れとなり、厳しい状況にある」… 2020/09/02 医療提供体制
学会トピック◎欧州心臓病学会会議(ESC2020) SGLT2阻害薬ダパグリフロジンがCKD治療薬に CKD患者の腎・心複合イベントを39%抑制、DAPA-CKD試験 SGLT2阻害薬ダパグリフロジンの投与によってCKD患者の腎機能低下が抑制できることを、オランダ・フローニンゲン大学医療センターのHiddo J. L. Heerspink氏らが欧州心臓病学会会議(ESC2020、会期:8月29日~9月1日)で報告した。DAPA-CKD試験の結果で、アストラゼネカは今年3月、「想定を超える有… 2020/09/02 腎・泌尿器
感染症情報◎突発性発疹は例年並みで推移 RSウイルス感染症、流行の兆し見えず 新型コロナウイルス感染症「ゲノム解読で感染リンクを追う」 2020年第34週(8月17~23日)までの情報をまとめた。 2020/09/02 感染症
学会トピック◎欧州心臓病学会会議(ESC2020) 超高齢AF患者へのエドキサバン少量投与は有効 ELDERCARE-AF試験の結果、論文はNEJMに発表同時掲載 標準的な経口抗凝固療法は適さないと判断された80歳以上の心房細動患者に対する、非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC、直接経口抗凝固薬=DOACともいう)エドキサバンの少量投与(15mg/日)の有用性が明らかになった。我が国で行われたELDERCARE-AF試験の結果で、インターネット上で開催された欧州… 2020/09/01 循環器
NEJM誌から 分子標的薬が米国の非小細胞肺癌死亡率を減少 癌登録の肺癌のサブタイプと死亡統計を照合した死亡率の変遷 米国National Cancer InstituteのNadia Howlader氏らは、米国の癌登録データを用いて、2001年から16年までの肺癌の発症率と死亡率の変化を変化をサブタイプごとに検討し、非小細胞肺癌(NSCLC)では生存率向上とともに死亡率が減少しているのに対して、小細胞肺癌(SCLC)では成績の改善は見られ… 2020/09/01 癌