BMJ誌から グルテンは冠動脈疾患リスクに影響しない セリアック病でない人にはグルテン制限食は推奨されない 大規模コホート研究のデータを用いて、グルテンの摂取量と冠動脈疾患発症の関係を調べた米Columbia大学のBenjamin Lebwohl氏らは、長期のグルテンの摂取は冠動脈疾患のリスクと関連はなく、セリアック病でない人にはグルテンフリーダイエットは推奨されないと報告した。結果はBMJ誌電子版に2017年… 2017/05/31 生活習慣
学会トピック◎第90回日本整形外科学会学術総会 関節温存術の治療選択をサポートできるガイドラインへ 5月21日まで仙台市で開催された第90回日本整形外科学会学術総会では、2016年に改訂された「変形性股関節症診療ガイドライン」の改訂ポイントについて、GL策定委員から各項目のポイントが解説された。このうち、関節温存術の項目は、同ガイドライン委員長でもある九州大学整形外科教授の中島康晴氏… 2017/05/30 骨・関節・筋
JAMA Intern Med誌から スタチン使用者の背部障害リスクが上昇 米軍の医療保険データを用いたコホート研究 スタチンが筋痛症のリスクを増加させる可能性は指摘されているが、スタチンと背部痛の関係を調べた研究はほとんどなかった。米Veterans Affairs North Texas Health Care SystemのUna E. Makris氏らは、レトロスペクティブなコホート研究でスタチンの使用と背部障害(脊椎症や椎間板疾患など)の… 2017/05/30 循環器
学会トピック◎第60回日本腎臓学会学術総会 国際腎臓学会と共同で仙台宣言、啓蒙や検診の推進などを掲げる 5月26日から28日まで仙台市で開催された第60回日本腎臓学会学術総会で、腎臓病撲滅のための仙台宣言を発表した。日本腎臓学会と国際腎臓学会、第60回日本腎臓学会学術総会が共同で宣言した。 2017/05/29 腎・泌尿器
学会トピック◎第90回日本整形外科学会学術総会 変形性股関節症GL、保存療法の改訂ポイントは? 5月21日まで仙台市で開催された第90回日本整形外科学会学術総会では、2016年に改訂された「変形性股関節症診療ガイドライン」について、GL策定委員から各項目のポイントが解説された。このうち、保存療法の項目は、川崎医科大学骨・関節整形外科学教室教授の三谷茂氏が講演。初版発刊から8年の間… 2017/05/29 骨・関節・筋
学会トピック◎第60回日本糖尿病学会年次学術集会 糖尿病自己管理支援アプリは体重減少に有効 2型糖尿病患者およびその予備群の自己管理を支援するスマートフォンアプリ「GlucoNote」は、アプリの継続率は低いものの、対象者がアプリの更新を継続できた場合に、有意に体重を減少させることが分かった。第60回日本循環器学会学術集会で、東京大学の児玉和代氏らが発表した。… 2017/05/29 代謝・内分泌
J Am Coll Cardiol HF誌から 急性非代償性心不全の高齢者にリハビリが有効か 米国のREHAB-HFパイロット研究 急性非代償性心不全(ADHF)があり、身体機能低下がみられる高齢患者を対象に、入院時から退院12週間後まで継続的に新しい理学的リハビリテーションを行うREHAB-HFパイロット研究で、身体機能が改善し再入院率が減少する可能性が示唆された。結果はJ Am Coll Cardiol HF誌5月号で報告された。… 2017/05/29 循環器
JAMA Psychiatry誌から 医療用大麻合法化は違法使用と障害を増やす 米国で合法化した州と非合法化州の有病率変化を比較 2016年11月までに、米国の28の州で医療用大麻を合法化する法案が議会を通過し、成立している。米Columbia大学医療センターのDeborah S. Hasin氏らは、合法化と、大麻の違法使用と大麻使用による障害の有病率の変化の関係を検討し、合法化が違法使用と有病率上昇に寄与する結果を得て、JAMA Psychi… 2017/05/29 癌
学会トピック◎第60回日本糖尿病学会年次学術集会 SGLT2阻害薬で食事内容や嗜好に変化生じず SGLT2阻害薬投与によって患者の食欲増加や甘いものへの嗜好が増す可能性が指摘されているが、BDHQ(簡易型自記式食事歴法質問票)を使用して正確に食事内容を調べたところ、同薬の投与24週で総エネルギーや各栄養素の摂取量に変化は見られず、甘いものへの嗜好性も増していなかったという。かんの… 2017/05/26 代謝・内分泌
Eur Heart J誌から 非弁膜症性心房細動患者の脳梗塞発症に性差なし 健康保険データベースを利用したコホート内症例対照研究の結果 健康保険データベースに登録された非弁膜症性心房細動(NVAF)患者の情報を利用して、脳梗塞発症と性差の関連を検討したところ、女性の脳梗塞リスクは男性のリスクより高いとする従来の報告とは異なり、両者に有意な差は認められなかった。また死亡率と出血率については、女性のリスクが男性のリ… 2017/05/26 循環器
Lancet誌から トラネキサム酸は分娩後出血での死亡を減らす 21カ国193病院で行ったRCT 分娩後出血は、世界的に妊産婦死亡の主な原因になっている。WOMAN Trial CollaboratorsでLondon大学衛生熱帯医学大学院所属のHaleema Shakur氏らは、国際的なランダム化対照試験を行い、分娩後出血発生後3時間以内にトラネキサム酸を静注すると、出血による死亡リスクを減らせると報告した。結果… 2017/05/26 産婦人科
学会トピック◎第60回日本糖尿病学会年次学術集会 低体重者のOGTT、血糖上昇は生理的反応を含む 「低体重者では経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)の結果が過大評価になっている可能性がある――」。糖尿病既往のない健診受診者1万2000例あまりを対象とした横断解析と、初回OGTTで耐糖能異常(IGT)と判定された人の糖尿病発症を追跡した縦断解析の結果から、第60回日本糖尿病学会年次学術集会(5月… 2017/05/25 代謝・内分泌
学会トピック◎第60回日本糖尿病学会年次学術集会 発売2年、実臨床でのSGLT2阻害薬処方率は1割 最初のSGLT2阻害薬の発売から満2年が経過した2016年初夏に日本臨床内科医会が行ったアンケートから、処方経験があるとの回答は8割を超えたが処方患者は治療中の患者の1割にとどまるなど、DPP4阻害薬に比べたスロースタートぶりが明らかになった。第60回日本糖尿病学会年次学術総会(5月18~20日、… 2017/05/25 代謝・内分泌
Ann Intern Med誌から HCVの治療で重複感染者のHBVが再活性化 FDA有害事象報告システムで29症例を分析 HBVとHCVの重複感染者に、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)を用いたC型肝炎治療を行うと、HBVの再活性化(HBV-R)が起こるという報告があった。米食品医薬品局(FDA)のSusan J. Bersoff-Matcha氏らは、有害事象報告システム(FAERS)に登録されていたHBV-R経験者の情報を分析し、重複感染者にDAAを… 2017/05/25 消化器
健康増進法の受動喫煙対策を巡り有志が会見 受動喫煙対策「建物内禁煙に」医師らが声明 「私たちは、受動喫煙による健康被害を確実になくすために厚生労働省案を支持し、世界で取り組まれている『建物内禁煙』の実現を願います」――。渋谷健司氏(東京大大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)らを代表発起人とし、医師や研究者、アスリートなどからなる有志は2017年5月24日、厚… 2017/05/24 生活習慣
学会トピック◎第60回日本糖尿病学会年次学術集会 我が国の足潰瘍発症は年0.3%、欧米の10分の1 5000例余りを5年間前向きに追跡した「福岡県糖尿病患者データベース研究」(FDR)から、我が国の糖尿病足病変の実態が明らかになった。足潰瘍の発症率は年間0.3%、下肢切断は年間0.05%で、欧米のほぼ10分の1だった。… 2017/05/24 代謝・内分泌
学会トピック◎第60回日本糖尿病学会年次学術集会 抗PD-1抗体投与後の1型糖尿病発症、実態は 日本糖尿病学会の調査研究委員会による中間集計まとまる 免疫チェックポイント阻害薬投与後の1型糖尿病発症の実態に関して、日本糖尿病学会の「日本人1型糖尿病の成因、診断、病態、治療に関する調査研究委員会」(以下、委員会)による中間集計の結果を、大阪医科大学内科学1の今川彰久氏が第60回日本糖尿病学会年次学術集会(5月18~20日、開催地:名… 2017/05/24 代謝・内分泌
Lancet誌から 腹部大動脈瘤の予後は女性の方が悪い 患者数は少ないが、術後死亡率は高い 腹部大動脈瘤(AAA)患者の予後は、男性より女性の方が悪いことを示唆する研究が、これまでに報告されている。英Imperial College LondonのPinar Ulug氏らは、未破裂のAAA患者に対する血管内治療(EVAR)の適応割合と、修復術無しとされた患者の割合、さらに、修復術後の30日死亡率について、男女… 2017/05/24 循環器
学会トピック◎第60回日本糖尿病学会年次学術集会 自己注射針の不適切廃棄、新幹線内に年170件 インスリン自己注射の普及に伴い、注射針の不適切な廃棄による針刺し事故が問題となっている。JR東海健康管理センター東京健康管理室の杉藤素子氏らが、東海道新幹線車内におけるインスリン注射針廃棄の実態を調査したところ、注射針は車内のトイレ、床面、座席周辺などから、ほぼ2日に1件の頻度… 2017/05/23 代謝・内分泌
学会トピック◎第60回日本糖尿病学会年次学術集会 高血圧合併例の利尿薬をSGLT2阻害薬に変更 利尿薬を併用していた高血圧合併2型糖尿病患者に対し、利尿薬を中止しSGLT2阻害薬を開始したところ、3カ月の追跡で血圧は変動せず血糖コントロールは有意に改善したという。川崎医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科学の真田淳平氏らが、第60回日本糖尿病学会年次学術集会(5月18~20日、開催地:名… 2017/05/23 代謝・内分泌
規制改革推進会議が答申、医療・介護の項目は? 支払基金の業務見直しや新薬14日処方ルール、混合介護に言及 内閣府の規制改革推進会議は5月23日、「農業」「医療・介護」「投資」など各分野における具体的な規制改革項目を盛り込んだ第1次答申を決定し、総理大臣に提出した。答申内容は6月に閣議決定される政府の「規制改革実施計画」に反映される予定。… 2017/05/23 行政・制度
学会トピック◎第90回日本整形外科学会学術総会 日本人の進行期軟部肉腫へのパゾパニブ投与、組織型で効果に違い 日本人の進行期軟部肉腫に対して分子標的治療薬パゾパニブを使用した際の治療効果を市販後調査データと骨軟部肉腫治療研究会(JMOG)のデータを基に検討した結果、第3相試験では報告されなかったグレード3以上の有害事象として血小板減少や蛋白尿、気胸が確認されたことや、組織型のうちASPSとLMS… 2017/05/23 骨・関節・筋
JAMA誌から 術後hsTnT値上昇は30日死亡率を上昇させる 非心臓手術の合併症に関する国際共同研究VISION 周術期の高感度トロポニンT(hsTnT)値と30日死亡率の関係について検討し、非心臓手術後の心筋障害(Myocardial Injury after Noncardiac Surgery:MINS)の定義を検討した、カナダMcMaster大学のP. J. Devereaux氏らVISION Investigatorsのメンバーは、非心臓手術を受けた患者のうち術後3日間のh… 2017/05/23 外科
学会トピック◎第60回日本糖尿病学会年次学術集会 「酸味が嫌い」な患者のBMIとHbA1cは高い 「酸味が嫌い」と話す糖尿病患者では、BMIとHbA1cが高い傾向にあることが分かった。第60回日本糖尿病学会年次学術集会(5月18日~20日、開催地:名古屋市)で、医療法人社団糖和会おない内科クリニックの羽鳥洋子氏らが発表した。… 2017/05/22 代謝・内分泌
学会トピック◎第60回日本糖尿病学会年次学術集会 CVDリスクはHbA1cとSBPの受診間変動に関連 2型糖尿病患者の心血管疾患(CVD)リスクは、HbA1cおよび収縮期血圧(SBP)の受診間変動の大きさと、それぞれ独立して関連することが分かった。朝日生命成人病研究所糖尿病代謝科の高尾淑子氏らが、第60回日本糖尿病学会年次学術集会(5月18~20日、開催地:名古屋市)で報告した。… 2017/05/22 代謝・内分泌
JAMA誌から 便潜血陽性者は早めに内視鏡検査受けるべき 陽性判定から10カ月を超えると大腸癌のリスクが上昇 免疫学的便潜血検査(FIT)で陽性判定を受けたら、何日以内に大腸内視鏡検査を受けるべきか。米Kaiser Permanente Northern CaliforniaのDouglas A. Corley氏らは、FIT 陽性となり、その後内視鏡検査を受けていた人々の転帰を調べて、FIT陽性から内視鏡検査までの期間が10カ月を超えると、大腸癌… 2017/05/22 癌
新専門医制度のQ&A集を機構が公開 日本専門医機構は5月16日付で「新専門医制度概説とQ&A」(平成29年5月12日版)をホームページで公開した。2018年度のリスタートに向けて、これまでに固めている方針などを解説し、研修関係者や研修医への周知を図る。… 2017/05/19 医師のキャリア
Circulation誌から 厳格な血圧管理により年間約10万人の死亡が予防可能 一方で重篤な有害事象は増加 収縮期血圧(SBP)の目標値を120mmHg未満とした厳格な血圧管理は、糖尿病、脳卒中、心不全の既往がなく、心血管疾患(CVD)リスクが高い50歳以上の米国成人で、目標値を140mmHg未満とした標準的な治療よりも総死亡を27%減少させることがSPRINT試験で実証された。今回紹介する研究では、この厳格… 2017/05/19 循環器
JAMA Pediatrics誌から 未熟児無呼吸発作へのカフェイン投与は安全 長期追跡で11歳時までの安全性を検証 未熟児無呼吸発作の頻度と重症度を緩和する治療の一つがカフェインクエン酸塩だ。生後18カ月時点の評価では、カフェインの投与は小児にさまざまな利益をもたらしていた。米Pennsylvania大学のBarbara Schmidt氏らは、早期のランダム化対照試験に参加した小児を長期追跡して、11歳時点の機能的障害… 2017/05/19 小児科
学会トピック◎第8回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 1人専攻医らの味方、「はっちぼっち」活動中 若手医師部会クルー100人プロジェクトの一環 日本プライマリ・ケア連合学会の若手医師部会クルー100人プロジェクトの1つ、「はっちぼっちステーション」をご存じだろうか。学びを求める専攻医と教育力向上を求める若手指導医を対象に、家庭医療のコアを学び合う勉強会やセミナーを開催する若手医師らの活動だ。2017年度冬期セミナーの代表を… 2017/05/18 プライマリケア
BMJ誌から デキサメタゾン投与で術後の悪心嘔吐が減少 待機的に腸切除術などを受けた患者のRCT 手術の合併症として最も多く見られるのが術後の悪心と嘔吐で、30%を超える患者がこれを経験する。英国Birmingham大学のL Magill氏ら、DREAMS Trial CollaboratorsとWest Midlands Research Collaborativeのメンバーは、待機的な腸の手術を受ける患者を対象にランダム化対照試験を行い、麻酔導入… 2017/05/18 消化器
学会トピック◎第8回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 プライマリ・ケアの新指標「PX」の効果確認 医療資源の適正利用を促す効果も期待 プライマリ・ケアの重要な役割の1つが「ゲートキーピング」。健康問題が生じたときプライマリ・ケアが最初の受け皿となり、必要に応じて高次の医療機関へ紹介するという機能だ。一方、プライマリ・ケアを介さずに、直接高次医療機関を受診する行為を「ケアのバイパス」という。京都大学大学院医療… 2017/05/17 医療の質
BMJ誌から 自転車通勤は死亡リスクを低下させる 英国の大規模コホートで車や電車通勤よりも有意に減少 人々の運動量は世界的に減少傾向にある。英Glasgow大学のCarlos A Celis-Morales氏らは、中高年の英国人の通勤方法と心血管疾患、癌、総死亡の関係を明らかにするために住民ベースの前向きコホート研究を行った。得られた結果は、自転車通勤の健康利益を示し、徒歩通勤も心血管疾患の発症と死亡リ… 2017/05/17 公衆衛生・予防医学
学会トピック◎第8回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 「運転禁止薬」の運転一律規制はおかしい 医師の80%、薬剤師の60%が「運転は一律禁止」を支持せず 眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者は自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること――。このような記載が添付文書にある医薬品を服薬する患者に対しては、本来なら運転して問題のない患者であっても「一律に運転禁… 2017/05/16 行政・制度
JAMA誌から スタチンによる1次予防が推奨されるのは誰か? USPSTF勧告とACC/AHAガイドラインを比較して対象者を検証 ガイドラインによって、一次予防のためのスタチン投与が推奨される患者の条件に違いがある。米Duke大学のNeha J. Pagidipati氏らは、2013年の米心臓病学会/心臓協会(ACC/AHA)のガイドラインと米予防医学作業部会(USPSTF)の2016年の勧告を比較し、後者を用いると、若いが長期的なリスクが高… 2017/05/16 循環器
日本アルトマークが療養病床の入院料の算定状況の調査結果を公表 2017年度末に廃止予定の療養病床、全国で約12万床に 病床再編や介護保険施設への転換が進む可能性 医療データベース事業を手がける(株)日本アルトマークは5月10日、療養病床の入院料の算定状況について、2016年10月から2017年3月にかけて調査した結果を公表した。2018年3月末に経過措置が切れ、廃止期限を迎える介護療養病床(介護療養)や療養病棟入院基本料2を算定する医療療養病床(医療療… 2017/05/15 行政・制度
NEJM誌から マラソン大会は地域住民の救急医療に悪影響 米国の有名なマラソン大会当日に搬送されたメディケア患者の検討 大規模なマラソン大会開催時にはしばしば、広範な交通規制が敷かれ、インフラにも混乱が生じる。米Harvard大学医学部のAnupam B. Jena氏らは、メディケアのデータを調査して、米国で行われた大規模マラソンの大会当日に、マラソンコースの近隣に住む人が救急搬送される場合、搬送時間の延長と30日… 2017/05/15 救急医療・集中治療
Lancet誌から 小児頭部外傷の臨床予測ルールはどれも有用 米国のPECARN、カナダのCATCH、英国のCHALICEを検証 頭部外傷で受診した小児に対して、CT検査が必要かどうかを判断する事は難しい。3種類の臨床意思決定ルールPECARN、CATCH、CHALICEの有用性を検証したオーストラリアRoyal Children’s HospitalのFranz E Babl氏らは、それぞれのルールを指示通りに使用した場合の感度はいずれも高く、利用可能だっ… 2017/05/12 小児科
Lancet誌から アスピリンとNSAIDの併用ならセレコキシブ 血栓塞栓予防中の消化管出血患者で治癒後の再発率を比較 心血管イベントと消化管イベントのリスクが高く、アスピリンと非ステロイド抗炎症薬(NSAID)の併用が必要と考えられる患者を、セレコキシブ+プロトンポンプ阻害薬(PPI)またはナプロキセン+PPIに割り付けて、アスピリンと共に18カ月間投与し、上部消化管出血の再発リスクを調べた香港中文大学… 2017/05/11 医薬品
抗菌薬適正使用の先進国である英国との人材交流を活性化 AMR対策、厚労省が英国との協力覚書に調印 厚生労働省は5月8日、英国の公衆衛生局と薬剤耐性(AMR)対策などに関する協力を強化する覚書に調印した。調印式は英国大使館で行われ、厚生労働省からは健康局長の福島靖正氏が、英国公衆衛生局からは最高責任者のダンカン・セルビー氏が参加した。AMR対策を中心に、感染症やアウトブレイクなど… 2017/05/10 感染症
BMJ誌から 乳児からの採尿成功率を高めるQuick-Wee法 冷たい生理食塩水に浸したガーゼで刺激するだけ 小児病院の救急部門を受診し、採尿が必要になった乳児を対象に、冷たい生食を染みこませたガーゼで恥骨上部を刺激するQuick-Wee法の有効性を検討したオーストラリアRoyal Children's HospitalのJonathan Kaufman氏らは、自然に排尿を待つ通常の方法に比べ高い確率でクリーンキャッチ尿(CCU;反射… 2017/05/10 小児科
Circulation誌から Hs-sTnT陽性者は心不全のハイリスク 一次予防の対象特定に有用 心血管疾患(CVD)のない成人において、高感度心筋トロポニンT(hs-cTnT)は置換性線維化の進行と左室構造の変化を反映しており、陽性例は年を経て心不全(HF)に至るリスクが高いことが分かった。多様な人種を10年以上経過観察した研究で明らかになったもので、その結果がCirculation誌4月18日号… 2017/05/10 循環器
学会トピック◎第117回日本外科学会定期学術集会 1年死亡率5%超の施設は年々減少、10施設未満に 日本肝胆膵外科学会安全管理委員会担当理事の大坪毅人氏(聖マリアンナ医科大学消化器・一般外科)は、1年累計死亡率が5%を超える施設は2012年は30施設ほどあったが、年々減少して2015年は10施設未満となったことや、0%の施設は年々増加していることを報告した。肝胆膵外科高度技能専門医制度と… 2017/05/10 外科
NEJM誌から GPIHBP1自己抗体は重度の高脂血症を起こす 一部の患者は免疫抑制療法に反応する 毛細血管内皮細胞の表面に発現している蛋白質GPIHBP1(glycosylphosphatidylinositol anchored high density lipoprotein binding protein 1)は、組織間隙に存在するリポ蛋白質リパーゼ(LPL)に結合して、これを毛細血管内腔の作用部位に送達し、LPLによる血中トリグリセリドの分解を促進する。… 2017/05/09 循環器
学会トピック◎第117回日本外科学会定期学術集会 理事長・渡邉氏、「医療安全」に向けた学会の取り組みを紹介 日本外科学会理事長の渡邉聡明氏(東京大学外科学専攻臓器病態外科学講座腫瘍外科・血管外科教授)は、4月29日まで横浜市で開催された第117回日本外科学会定期学術集会の理事長講演で、学術集会のテーマとなった「医療安全」に対する学会としての取り組みを中心に紹介した。「外科医が長時間労働… 2017/05/09 医療安全
学会トピック◎第117回日本外科学会定期学術集会 会頭・桑野氏「一つひとつれんがを積み上げ信頼を得ていく」 4月29日まで横浜市で開催された第117回日本外科学会定期学術集会で会頭を務めた桑野博行氏(群馬大学病態総合外科学教授)は、「外科学の臨床と研究から垣間みられたこと―考える外科学の実践― 」をテーマに会頭講演を行った。桑野氏は、「全員で全例をみる」をコンセプトにしたカンファレンスを… 2017/05/08 外科
学会トピック◎第117回日本外科学会定期学術集会 腹腔鏡下肝切除は「セーフティーファーストで」 東邦大学医療センター大森病院一般・消化器外科の金子弘真氏は、4月29日まで横浜市で開催された第117回日本外科学会定期学術集会で、自身が代表世話人を務める肝臓内視鏡外科研究会での取り組みを紹介した。2015年10月に開始した腹腔鏡下肝切除術の前向き全例登録制度について金子氏は「Auditなし… 2017/05/08 外科
Lancet誌から 喫煙率の減少傾向は世界各国で異なる 2015年の喫煙による死亡者は640万人と推計 タバコ規制の強化は、喫煙者の減少に結びついた。しかし世界的には、喫煙は未だに、早すぎる死亡と障害の主な原因の1つだ。米Washington大学Seattle校のEmmanuela Gakidou氏らは、世界各国の喫煙の現状と経時的な変化を調べて、Lancet誌電子版に2017年4月5日に報告した。… 2017/05/08 生活習慣
学会トピック◎第117回日本外科学会定期学術集会 群大病院事故が外科診療に投げかけた10の課題 2014年に発覚した群馬大学医学部附属病院での一連の医療事故に関連して、医療事故調査委員会で副委員長を務めた名古屋大学医学部附属病院医療の質・安全管理部の長尾能雅氏が「群馬大学病院事故が外科診療に投げかけた10の課題」をテーマに講演。10の課題を示した上で、「これらの問題は、群大病… 2017/05/02 医療安全
Ann Intern Med誌から BMIの最大値と死亡リスクの関連を検証 ベースラインのBMIよりもバイアスを小さくできる 肥満と死亡率の関係については議論が続いている。米Harvard公衆衛生大学院のEdward Yu氏らは、対象者を長期間追跡したコホート研究でのBMIの変動を調べ、最大値を選んでその後の死亡リスクとの関係を調べる方法を用いると、バイアスを減らせる可能性が高いことを示唆した。結果は、Ann Intern Med… 2017/05/02 生活習慣
学会トピック◎第117回日本外科学会定期学術集会 「トップクラスの安全目指し、群大は次の段階へ」 群馬大学学長特別補佐(病院改革)で病態腫瘍薬理学教授の西山正彦氏は、同病院で発生した一連の医療事故について、「提言を基に改革を行い、現在は取り組みを改良・浸透させている段階。信頼を得るためにようやく次のステップに入った」と話した。4月29日まで横浜市で開催された第117回日本外科… 2017/05/01 医療安全
学会トピック◎第117回日本外科学会定期学術集会 「ママメン外科医」が考えるママ外科医活躍の障壁とは? 8カ月間の育児休業を取得した経験を基に、防衛医科大学校外科・小児外科の小岩井和樹氏は「ママメン外科医の見たママ外科医活躍の障壁」をテーマに講演した。「女性が長期的に活躍するためには、価値観に応じた柔軟な勤務・修練形態の構築が必要。短期的な修練のペースダウンを許容することで若年… 2017/05/01 外科
Circulation誌から 乳癌放射線治療でHFpEF発生率が上昇 最新の技術で照射線量を抑制する必要 乳癌に対して、その時点で最新の放射線治療を受けた各患者の平均心臓被曝量(MCRD)を算出し、治療後の新規心不全(HF)発生率との関連性を調査したところ、MCRDが高いほどHF、特に駆出率が維持されたHFの新規発生率が上昇することが示された。米・メイヨークリニックの研究者による住民対象症例… 2017/05/01 癌
BMJ誌から 原因不明の胸痛患者は心血管リスクが高い 胸痛の原因が他の臓器系と診断された患者との追跡比較 英国では毎年、成人の1~2%が初回の胸痛を訴えてプライマリケアを受診する。英Keele大学のKelvin P Jordan氏らは、初診時に原因が特定できなかった患者を長期追跡して心血管イベントの有無を調べるコホート研究を行い、原因不明群のリスクは、狭心症と診断された集団よりは低かったが、冠疾患以… 2017/05/01 循環器