JAMA誌から C.difficile感染に凍結便でも移植は有効 ドナー確保と便移植の実施が容易に 再発性または難治性のクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)に対し、便細菌叢移植(FMT)に用いるドナーの糞便を凍結保存しておき、使用時に解凍しても有効性と安全性に差がないとする研究が報告された。これは、カナダマクマスター大学のChristine H. Lee氏らが行った新鮮便によるFMTと比… 2016/01/29 消化器
感染研が1300例のCRE感染症例を解析 CREは尿路感染症が最多、65歳以上が7割超 血液からの菌検出例やKlebsiella属の検出例で死亡が多い カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)感染症では、尿路感染症が28.4%と最も多く、菌血症・敗血症や肺炎もそれぞれ19.9%、19.5%に見られることが分かった。また、症状、検体、菌種が特定できた症例の解析では、血液からの菌検出例やKlebsiella属の検出例で死亡が多い傾向が見られたという。国… 2016/01/28 感染症
JAMA Internal Medicine誌から PPIの使用でCKDのリスクが上昇する H2ブロッカーではリスク上昇が見られず プロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用が、その後の慢性腎疾患(CKD)発症リスクを有意に上昇させるという研究が報告された。これは米Johns Hopkins大学のBenjamin Lazarus氏らが、大規模多施設前向きコホート研究のデータを解析したもの。詳細はJAMA Internal Medicine誌電子版に2016年1月11日に掲… 2016/01/28 腎・泌尿器
NEJM誌から sFlt-1/PIGF比は妊娠高血圧腎症の除外に有用 カットオフ値38で短期の陰性的中率99.3% 妊娠高血圧腎症を示唆する症状が表れた妊婦の、血清中の可溶性fms様チロシンキナーゼ1(sFlt-1)と胎盤増殖因子(PlGF)の値を測定し、sFlt-1/PIGF比を求めると、短期的な妊娠高血圧腎症診断の予測に役立つことが明らかになった。オーストリアVienna大学のHarald Zeisler氏らが行ったコホート研究… 2016/01/27 産婦人科
「輸液カテーテル管理の実践基準」発刊へ 末梢静脈留置カテーテルは「1週間を目安に」 多職種から成る日本VADコンソーシアムが発足 輸液カテーテル管理の最適なあり方を多職種で議論する「日本VADコンソーシアム(JVADC)」がこのたび、輸液治療に関する新しいガイドラインを発表した。国内のガイドラインとしては初めて、末梢静脈留置カテーテルの留置期間の目安を示したほか、PICC(末梢挿入型中心静脈カテ―テル)を第一選択… 2016/01/26 感染症
Ann Intern Med誌から 小児癌サバイバーは無症候性心疾患リスクが高い 成人後のスクリーニングで始めて見つかる異常が多い 小児期に罹患した癌で抗癌剤治療や放射線治療を受けた患者は、長期生存して成人になった後に心疾患のリスクが上昇するというデータが報告された。これは米St. Jude Children's Research HospitalのDaniel A. Mulrooney氏らが、小児癌サバイバーの成人後の心疾患リスクについて分析した横断研究で… 2016/01/26 循環器
JAMA Pediatrics誌から 不妊治療は小児の発達遅延リスクを増やさない 米国の36カ月までのコホート研究 不妊治療を受けて生まれた子と自然妊娠で生まれた子を比較して、生後36カ月までの精神発達に悪影響は見られないとする研究が報告された。これは米Eunice Kennedy Shriver National Institute of Child Health and Human Development (NICHD) のEdwina H. Yeung氏らが行った、生殖医療と子どもの発… 2016/01/25 産婦人科
JACC Heart Failure誌から インフルエンザワクチンを接種した心不全患者は総死亡リスクが低い PARADIGM HF試験の被験者を対象とした観察研究 心不全患者を対象とした観察研究で、インフルエンザワクチンを接種した患者では非接種者と比べて総死亡リスクが低いことが示された。結果は2015年12月30日、JACC Heart Failure誌オンライン版に掲載された。 2016/01/22 感染症
BMJ誌から イブプロフェンで抗菌薬を大きく減らせる 合併症のない尿路感染症でRCT 合併症のない尿路感染症(UTI)の患者には、イブプロフェンを投与して対症療法を行うと、最終的に抗菌薬の使用量を大きく減らせることが報告された。これは独Gottingen大学病院のldiko Gagyor氏らが行ったRCTで、イブプロフェンとホスホマイシンによる7日間の初期治療を28日後までフォローして治… 2016/01/22 腎・泌尿器
中医協が先進医療の保険導入を承認 陽子・重粒子線治療の一部と12技術が保険適用 3Dプリンターで作成した臓器立体モデルによる手術支援なども 中央社会保険医療協議会(中医協)は、2016年1月20日、2016年度診療報酬改定に向け、先進医療のうち、小児腫瘍に対する陽子線治療や切除非適応の骨軟部腫瘍への重粒子線治療、da Vinciによる腹腔鏡下腎部分切除などの技術の保険適用を承認した。これらは、厚生労働省の先進医療会議において保険導… 2016/01/21 先端医学
NEJM誌から 肺動脈性肺高血圧にセレキシパグが有望 国際共同フェーズ3試験GRIPHONによる 経口投与が可能なプロスタサイクリン受容体(IP受容体)作動薬であるセレキシパグが、肺動脈性肺高血圧症(PAH)に対する治療の選択肢として有用であることが示された。これは仏Service de Pneumologie et Soins intensifsのOlivier Sitbon氏らが、二重盲検のフェーズ3試験「Prostacyclin(PGI2)… 2016/01/21 循環器
Lancet誌から ベバシズマブの追加で胸膜中皮腫の生存延長 仏のフェーズ3試験で標準治療より2.7カ月延長 胸膜中皮腫の標準治療であるペメトレキセド+シスプラチン(PC)にベバシズマブを追加すると、全生存期間、無増悪生存期間の有意な延長が見られることが明らかになった。これは仏Caen大学のGerard Zalcman氏らが実施したオープンラベルの多施設無作為化フェーズ3試験Mesothelioma Avastin Cisplat… 2016/01/20 癌
Lancet誌から 進行非小細胞肺癌にペンブロリズマブが有効 PD-L1発現患者の治験で生存期間が延長 免疫チェックポイント阻害薬ペンブロリズマブを非小細胞肺癌患者に適用したフェーズ2/3試験KEYNOTE-010で、腫瘍におけるPD-L1発現率が1%以上の患者に全生存期間延長効果が見られた。詳細は、米Yale大学医学部のRoy S Herbst氏らによってLancet誌電子版に2015年12月19日に報告された。… 2016/01/19 癌
Ann Intern Med誌から 週1回投与GLP-1アナログの特徴比較 HbA1cはデュラグルチド、FBGはエキセナチド、体重減少はタスポグルチド 登場時点では毎日1-2回の皮下注射が必要だったグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬だが、その後週1回注射型の製品が次々と登場した。英Leicester大学糖尿病研究センターのFrancesco Zaccardi氏らは、個々の週1回製剤の有効性と安全性を比較するために系統的レビューとネットワークメタア… 2016/01/18 代謝・内分泌
第1回ワクチン・血液製剤産業タスクフォースで厚労相が明言 「業務停止後が解けた後も、化血研として製造販売することはなくなる」 厚生労働省は2016年1月14日、第1回ワクチン・血液製剤産業タスクフォースを開催した。同タスクフォースは、化学及血清療法研究所(化血研)が血液製剤などを不正に製造していた問題を受けて設置されたもので、ワクチンや血液製剤の供給に関する業界全体の課題について議論する。ワクチンや血液製剤… 2016/01/15 事件・話題
JAMA Neurology誌から 脳梗塞のステント治療も再灌流が早いほど有効 オランダの多施設RCT「MR CLEAN」のサブ解析 急性脳梗塞に対する血栓回収ステント治療でも、再灌流までの時間が短いほど回復後の患者の自立度が高まり、良好な治療成績が得られる可能性は再灌流が1時間遅れるごとに約6%下がることが示唆された。これはオランダErasmus MC University Medical Center RotterdamのPuck S. S. Fransen氏らが、J… 2016/01/15 循環器
Lancet誌から 卵巣癌スクリーニングによる死亡率減少は有望 英国の大規模RCTで結論は持ち越し 卵巣癌リスクアルゴリズム(ROCA)を用いたCA125スクリーニング検査は、対照群に比べ死亡率を15%減少させたが差は有意ではなかった。しかし、スクリーニング開始時点で既に癌が存在すると推定された例を除くサブグループ解析では、開始後7年を過ぎてからの死亡率を28%減少するという研究が報告… 2016/01/14 癌
NEJM誌から ドイツではTAVR実施数が外科手術数を上回る 高齢者やハイリスク患者への適用が増加 承認された当初は、外科的大動脈弁置換術(SAVR)の適応外の患者の治療法という位置づけだった経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)が、ドイツでは2013年には手術実施検数を上回っていたことが明らかになった。これは独Freiburg大学のJochen Reinohl氏らがドイツの全国統計データから2007~13年ま… 2016/01/13 循環器
J Am Coll Cardiol誌から FH患者の大動脈弁石灰化、ヘテロでも多発 LDLR-negative変異で特に高い出現率 無症状のヘテロ家族性高コレステロール血症(FH)患者と非FH対照患者との間で大動脈弁石灰化(AoVC)を比較する研究がオランダで行われた。その結果、非FH患者よりもヘテロFH患者でAoVCの出現率が高いことが分かった。論文は、J Am Coll Cardiol誌上で2015年12月22日に発表された。… 2016/01/12 循環器
JAMA誌から 腫瘍治療電場の併用で膠芽腫の生存期間が延長 中間解析の好結果で臨床試験が打ち切りに 脳腫瘍の中で最も悪性度が高い膠芽腫と診断され、標準的な化学放射線療法を完了した患者に、テモゾロミドを用いた維持療法に加えて、非侵襲的な治療である腫瘍治療電場TTFieldsを用いると、生存利益が得られることが明らかになった。スイスZurich大学病院のRoger Stupp氏らは、早期終了となったフ… 2016/01/12 癌
厚労省、化血研に110日間の業務停止命令 血液製剤8製品、ワクチンなど19製品は処分対象外に 厚生労働省は1月8日、化学及血清療法研究所(化血研、本社:熊本市北区)に110日間(1月18日から5月6日まで)の業務停止命令を出した。 この処分は化血研が血漿分画製剤を承認申請時とは異なる方法で10年以上製造し、その事実を組織的に隠蔽。医薬品医療機器総合機構(PMDA)による同製剤に関す… 2016/01/08 組織
J Am Coll Cardiol誌から 非弁膜症性AFの脳卒中予防、左心耳閉鎖術の費用対効果が最も高い ワルファリン、NOACと比較した米国の費用効果分析の結果 非弁膜症性心房細動(AF)の脳卒中予防において、左心耳閉鎖術(LAAC)、ワルファリン以外の経口抗凝固薬(NOAC)、ワルファリンの3つの治療法の費用対効果分析が行われた。その結果、LAACは他の2つの治療法よりも費用対効果が高かった。この結果はJ Am Coll Cardiol誌2015年12月22日号に掲載され… 2016/01/08 循環器
NEJM誌から イベルメクチン集団投与で疥癬流行を制御 フィジー諸島で集団介入試験 イベルメクチンの集団投与で流行地での疥癬感染をコントロール出来る。これはオーストラリアNew South Wales大学のLucia Romani氏らが、地域住民すべてに疥癬治療薬を投与する集団投与試験を行い、その有効性を確認したもの。詳細は、NEJM誌2015年12月10日号に報告された。… 2016/01/08 感染症
BMJ誌から 鶏卵アレルギーの小児にも生ワクチンが有用 インフルエンザ予防で安全性を指示する研究 鶏卵由来の蛋白質を含む経鼻弱毒化インフルエンザ生ワクチン(LAIV)は、鶏卵アレルギーの小児にも安全に接種できるとする研究が報告された。これは英Imperial College LondonのPaul J Turner氏らが行った多施設コホート研究で、鶏卵に対するアナフィラキシーの既往歴がある患者を含むアレルギー… 2016/01/07 感染症
BMJ誌クリスマス号から 首相や大統領に選出されると死期が早まる? 首相や大統領に選出された政治家は、大きなストレスに曝されるため、老化が加速する可能性がある。米Harvard大学医学部のAndrew R Olenski氏らは、重責を担う立場になると余命が短縮するかどうかを調べようと、世界の17カ国で、1722年以降に選挙で首相または大統領に選ばれた政治家と、その選挙で… 2016/01/06 事件・話題
Circulation Journal誌から MECKIスコアは高齢HF患者の予後予測にも有用 心機能、腎機能、代謝運動検査を組み合わせた判定法を年齢別に検証 MECKIスコアが死亡リスク及び緊急心臓移植術の必要性と密接に関連していることは、過去の研究によってすでに示されている。今回、MECKIスコアが運動能の低下した高齢の慢性心不全(HF)患者にも同程度の予測能を発揮することがイタリアの研究者らによって確認された。この結果は、Circulation Jou… 2016/01/06 循環器
BMJ誌から 第二世代抗うつ薬と認知行動療法に有意差なし 成人の大うつ病治療報告でメタアナリシスの結果 大うつ病成人に対する最初の治療として、第二世代の抗うつ薬と認知行動療法(CBT)では有効性に有意差がないというデータが発表された。これは米ノースカロライナ大学Chapel Hill校のHalle R Amick氏らが系統的レビューとメタアナリシスを試みたもの。詳細は、BMJ誌電子版に2015年12月8日に報告さ… 2016/01/05 精神・神経
Ann Intern Med誌から 抗TNF抗体でIBD患者の約3割が皮膚病変を経験 早期の皮膚科紹介で大半は治療継続可能 抗TNF抗体治療には乾癬様皮疹などの皮膚病変を伴うことがあるが、頻回のモニタリングで症状をチェックし、早期に皮膚科専門医に紹介すれば、治療中止が必要な患者はわずかであることが報告された。これはルーバン大学病院(ベルギー)のIsabelle Cleynen氏らが行った単独施設のコホート研究で、イ… 2016/01/04 皮膚科