NEJM誌から 腹部大動脈瘤の血管内手術と開腹手術、長期死亡率に差なし 腹部大動脈瘤(AAA)の修復を血管内手術または開腹手術によって受けた患者の転帰を8年間にわたって調べた試験(EVER1)で、両者の全死因死亡率、動脈瘤関連死亡率に差はないことが明らかになった。また、開腹手術が適用にならないAAA患者を対象に、血管内手術を受けた患者と介入なしの患者の長期… 2010/04/30 循環器
JAMA誌から 若年性特発性関節炎の寛解後のMTX投与はいつまで? 6カ月でも12カ月でも再発率に差なし 若年性特発性関節炎(JIA)で、治療により寛解が得られた患者に、いつまでメトトレキサート(MTX)の投与を継続すればよいのか。この疑問を検討するために行われた無作為化試験で、6カ月間継続しても、12カ月継続しても、再発率に差はないことが分かった。独Muenster大学のDirk Foell氏らが、JAMA… 2010/04/28 アレルギー・免疫
NEJM誌から テラプレビルは治療歴のあるHCV感染者にも有効 セリンプロテアーゼ阻害薬のテラプレビルが、ペグインターフェロン(PEG-IFN)とリバビリンを併用する治療に反応しなかった慢性HCVジェノタイプ1感染者の約半数に、持続的ウイルス学的著効(SVR)をもたらすことが明らかになった。米Duke大学のJohn G. McHutchison氏らが行った無作為化フェーズ2… 2010/04/27 消化器
事業仕分け1日目の仕分け対象は、「医療貸付事業」「国病」「労災病院」 内閣府の行政刷新会議は、4月23日より、2回目となる事業仕分けを開催した。同日のワーキンググループBで取り上げられた医療に関する内容は、福祉医療機構による医療貸付、労働者健康福祉機構による労災病院事業、国立病院機構による診療事業の3つ。担当した仕分け委員は、菊田真紀子氏、寺田学氏… 2010/04/26 その他
BMJ誌から 妊娠糖尿病に対する治療は難産のリスクを減らす オーストリアの研究者らによるメタ分析の結果 妊娠糖尿病と診断された妊婦に血糖降下治療を行うことにより、肩甲難産リスクが半分以下になることが、オーストリアGraz医科大学のKarl Horvath氏らが行ったメタ分析で明らかになった。論文はBMJ誌2010年4月10日号に掲載された。… 2010/04/26 産婦人科
JAMA誌から 抗けいれん薬の使用で自殺リスクが上昇 米食品医薬品局(FDA)は2008年、抗けいれん薬全般に対して、自殺企図と自殺行動のリスク上昇を知らせる警告表示を加えるよう指示した。米Harvard大学のElisabetta Patorno氏らは、抗けいれん薬について、個々に自殺行為(自殺企図または自殺完遂)と暴力死との関連を調べ、リスク上昇をもたらす… 2010/04/23 精神・神経
厚労省の予防接種部会、新たな調査も開始へ 予防接種の抜本改革に向けた議論がスタート 予防接種の抜本改革に向け、厚生労働省の検討が本格的にスタートした。4月21日、厚労省の予防接種部会(部会長:国立成育医療センター総長の加藤達夫氏)は、国内のワクチン開発や製造、審査の専門家からヒアリングを実施。見直しに向けた、新たな調査の実施も決まった。… 2010/04/22 感染症
NEJM誌から デュタステリドがハイリスク男性の前立腺癌リスクを低減 良性前立腺肥大症に対する治療薬としてわが国でも承認されている5α還元酵素阻害薬のデュタステリドを、前立腺癌リスクの高い男性に投与すると、癌の発症リスクが下がることが示された。米Washington大学(St. Louis)のGerald L. Andriole氏らが行った4年間の多施設無作為化並行群間試験の結果で… 2010/04/22 腎・泌尿器
日医連、西島英利参議院議員の推薦撤回の結論を先送り 最終決定は早くとも4月末まで持ち越しに 日本医師会の政治団体である日本医師連盟(日医連)は4月20日、執行委員会を開き、今夏の参議院選挙で日医連が推薦する候補についての最終決定を保留することを決めた。各都道府県医師連に再協議を指示し、その結果を踏まえて、4月末から5月上旬に執行委員会を再度開いて最終決定する。現参議院議… 2010/04/21 組織
NEJM誌から 中国の糖尿病有病率は9.7%、糖尿病前症は15.5% 公衆衛生上深刻な問題に 中国では、ライフスタイルの急速な変化に伴う糖尿病患者の増加が懸念されている。中国の中日友好医院のWenying Yang氏らは、中国の糖尿病有病率と糖尿病前症の有病率を推定し、公衆衛生上の大問題となっていることを明らかにした。論文は、NEJM誌2010年3月25日号に掲載された。… 2010/04/21 代謝・内分泌
Arch Intern Med誌から ワルファリン使用者へのST合剤投与で消化管出血リスクが上昇 尿路感染症の高齢者における検討 高齢者の尿路感染によく用いられる抗菌薬コトリモキサゾール(ST合剤)が、ワルファリン使用者において上部消化管出血リスクを有意に高めることが明らかになった。カナダToronto大学のHadas D. Fischer氏らが、集団ベースのネステッドケースコントロール研究の結果を、Arch Intern Med誌2010年4月… 2010/04/20 消化器
NEJM誌から アスピリンと低分子ヘパリンに反復流産の予防効果なし オランダで行われた無作為化試験の結果 原因不明の反復流産において、生児出生率を高められることが証明された治療は現在のところない。アスピリンと低分子ヘパリンの併用やアスピリンの単剤投与がしばしば行われているが、流産予防に役立つかどうかは明らかではない。そこで、オランダAmsterdam大学のStef P. Kaandorp氏らは、アスピリ… 2010/04/19 産婦人科
BMJ誌から スタチンに降圧作用なし イタリアで行われた無作為化試験の結果 スタチンに降圧作用はあるのか。また、スタチンによる心血管リスク低減効果の少なくとも一部は降圧作用に由来するのか―。この疑問を検証すべく無作為化試験を行ったイタリアMilano-Bicocca大学のGiuseppe Mancia氏らは、スタチンに外来血圧と24時間血圧を下げる効果はないという結果を、BMJ誌電… 2010/04/16 循環器
第84回日本感染症学会から 成人肺炎球菌ワクチンの予防効果を初めて証明 高齢者施設入所者1006人を対象にした無作為化比較試験 23価肺炎球菌ワクチンの接種は、高齢者施設の入所者の肺炎の発症を抑制し、死亡率を低下させる―。4月に開かれた第84回日本感染症学会総会で、国立病院機構三重病院呼吸器内科の丸山貴也氏がこのような研究結果を明らかにした。… 2010/04/15 呼吸器
JAMA誌から 早期中止されたRCTは介入の利益を過大評価している カナダの研究者が行ったメタ分析の結果 早期中止された無作為化比較試験(RCT)は、同じ評価指標を設定して行われたが早期中止にならなかったRCTと比べて、介入の利益を過大評価している―。カナダMcMaster大学のDirk Bassler氏らが行ったメタ分析で、そんな事実が明らかになった。早期中止までのイベント発生件数が少ないことが、介入… 2010/04/15 医薬品
BMJ誌から マンモスクリーニングは乳癌死亡を減らさない マンモグラフィーを用いた乳癌スクリーニングは、乳癌死亡を減らのか―。この疑問を慎重に検証したデンマークCopenhagen大学のKarsten Juhl Jorgensen氏らは、スクリーニングの効果を否定する研究結果を、BMJ誌2010年4月10日号に報告した。… 2010/04/15 癌
JAMA誌から 胸痛でICU入院の患者、収縮期血圧が高いほど死亡率が低い スウェーデンで行われた前向きコホート研究の結果 急性胸痛で集中治療部門(ICU)に入院した患者では、入院時の仰臥位収縮期血圧が高いほど1年総死亡率が低いことが、スウェーデンLinkoping大学のUlf Stenestrand氏らの研究で明らかになった。論文は、JAMA誌2010年3月24日/31日号に掲載された。… 2010/04/13 救急医療・集中治療
Ann Intern Med誌から NSAIDのサルサレートで2型糖尿病患者のHbA1cが低下 2型糖尿病治療の新たな選択肢として有望か 生活改善を行いながら経口糖尿病治療薬の投与を受けている2型糖尿病患者に、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の1つであるサルサレートを追加することで、HbA1c値が有意に低下することが、米Joslin糖尿病センターのAllison B. Goldfine氏らが行った無作為化試験で明らかになった。論文は、Annals … 2010/04/12 代謝・内分泌
200万人と推定される患者を拾い上げへ 線維筋痛症の診療ガイドラインが完成 厚生労働省の線維筋痛症研究班(研究班長:聖マリアンナ医大教授の西岡久寿樹氏)と日本線維筋痛症学会は、日本初の「線維筋痛症診療ガイドライン(2009)」を作成した。 2010/04/09 骨・関節・筋
兵庫医大病院での試み 予防抗菌薬のマニュアル導入で感染増やさずコスト3割減 周術期の予防抗菌薬使用に独自のマニュアルを導入した兵庫医大病院で、運用開始前と比較して抗菌薬の投与期間が約35%減少し、抗菌薬のコストも3割強削減できたことが分かった。 2010/04/09 感染症
NEJM誌から ビスホスホネートは大腿骨骨折リスク上昇を招かない 3件のRCTの2次分析の結果 近年、ビスホスホネート系薬剤の使用が、大腿骨転子下または大腿骨骨幹部の非定型骨折のリスクを上昇させるのではないかという懸念が広まっている。米California大学San Francisco校のDennis M. Black氏らは、ビスホスホネートに関する3件の大規模な無作為化二重盲検試験のデータを2次分析し、治… 2010/04/09 骨・関節・筋
日本感染症学会から 百日咳の菌量、成人患者は小児の250分の1 百日咳の非典型的な臨床像や低い診断率の原因か(2010.4.15訂正) 成人の百日咳は、小児の百日咳に比べて菌保有量が250分の1程度と有意に少なく、これが臨床症状の違いにつながっているのではないか――。聖マリアンナ医科大学小児科で、国立感染症研究所細菌第二部の中村幸嗣氏が、4月5日から京都で開催されている第84回日本感染症学会総会で発表した。… 2010/04/08 感染症
Lancet誌から 高血圧患者の血管リスク予測には血圧変動の方が重要か 変動幅縮小効果に優れているのはCa拮抗薬 高血圧患者における心血管イベントリスク上昇と、降圧薬を用いた治療によるリスク低減を予測するために、現在用いられているのは通常血圧という概念だ。この概念に、英John Radcliffe病院のPeter M Rothwell氏は異論を唱えた。脳卒中の場合、受診ごとに測定した血圧の変動が大きいほどイベント発… 2010/04/08 循環器
新型インフルエンザA/H1N1 日本の死亡率の低さは早期アクセスと抗ウイルス薬投与の影響? 新型インフルによる日米の入院例を比較 日本では、患者の病院へのアクセスが早く、抗インフルエンザ薬が早期に投与されたので、新型インフルエンザによる死亡率が低かった――。多くの専門家の指摘を裏付けるような調査研究の結果が発表された。… 2010/04/07 感染症
Lancet誌から 小児の院外心停止例にも目撃者によるCPRは有効 神経学的転帰良好な患者の割合が高まる、日本での分析 子どもの院外心停止例に対する心肺蘇生(CPR)は有効か。この問いの答えを得るべく、日本の院外心停止全例登録に蓄積された情報を分析した京大保健管理センターの北村哲久氏らは、17歳以下の院外心停止者の場合も、目撃者がCPRを行った方が神経学的転帰良好な患者の割合が高くなることを明らかに… 2010/04/07 救急医療・集中治療
BMJ誌から 整形外科手術後のステープル使用で創感染リスクが約4倍 少なくとも股関節部の手術では推奨されない 整形外科手術後の術創閉鎖にステープラーを用いた場合、縫合糸を用いた場合に比べて表層創感染リスクが3.8倍、股関節部の手術に限定すると4.8倍に高まることが、英Norfolk and Norwich大学病院のToby O Smith氏らが行ったメタ分析で分かった。論文は、BMJ誌2010年4月3日号に掲載された。… 2010/04/06 外科
NEJM誌から 国内のAED設置増により院外心停止者の生存率が上昇 2005年から3年間の前向き観察研究の結果 日本全国で公共の場へのAED(自動体外式除細動器)設置が増加している。日本国内における公共AED設置台数の変化と院外心停止者の生存率の関係を調べた京大保健管理センターの北村哲久氏らは、2005年からの3年間に、公共AEDを用いた一般人による電気ショックを受けた院外心停止患者が約5倍に増加し… 2010/04/05 救急医療・集中治療
「スモーカーは雇わない」―米医療機関で喫煙者包囲網が拡大 米国で、“院内禁煙”、“敷地内禁煙”から一歩進み、喫煙者は新規採用しないことを宣言する医療機関が増えている。米テネシー州で2つの急性期病院や画像診断センターなどを運営するメモリアルシステム・ヘルスケアは、今春から、「タバコを含むニコチン含有物を使用する人物は雇用しない」と発表… 2010/04/02 生活習慣
新型インフルエンザA/H1N1 政府の新型インフル対策を総括する会議が発足 「現場の視点」と「エビデンス」はあったのか? 厚生労働省は3月31日、現場から様々な異論があったこれまでの新型インフルエンザ対策を総括して今後に備えるため、第1回の「新型インフルエンザ対策総括会議」を開いた。 2010/04/01 感染症
エイプリルフールだけじゃない 患者の3割は医療者にウソをつく! 病院検索サイトを運営するQLifeの調査で明らかに 約3割の患者は、医療者に対してウソをついた経験があることがある―。こんな結果が、病院検索サイトなどを運営するQLifeが同社のサイト利用者(1074人)を対象に行った調査で明らかになった。 2010/04/01 医師・患者関係
NEJM誌から 耐糖能異常者へのナテグリニド投与は糖尿病発症を抑制せず 心血管リスクも下がらず、NAVIGATOR試験の結果 耐糖能異常のある人は、2型糖尿病と心血管疾患のリスクが高くなっている。NAVIGATOR Study GroupのOxford大学Churchill Hospitalの Rury R. Holman氏らは、耐糖能異常者に生活改善を指導すると共に、短時間作用型インスリン分泌促進薬のナテグリニドを投与しても、2型糖尿病発症と心血管イベント… 2010/04/01 代謝・内分泌
NEJM誌から 耐糖能異常者へのバルサルタン投与で糖尿病発症が14%減 ただし心血管リスクは低下せず、NAVIGATOR試験の結果 耐糖能異常のある人は、2型糖尿病と心血管疾患のリスクが高い。こうした耐糖能異常者に生活改善に加えてレニン-アンジオテンシン(RA)系阻害薬を投与すると、糖尿病と心血管イベントのリスクは低減できるのだろうか。この疑問の答えを得るべく無作為化試験を行った米Duke大学Robert M. Califf氏… 2010/04/01 代謝・内分泌