JAMA誌から ビタミンE、Cは中高年男性の癌リスクも下げない Physicians' Health Study IIの分析結果 癌をはじめとする慢性疾患の予防に役立つのではないか、と期待してビタミンを摂取している人が少なからず存在する。しかし近年、これらビタミンの健康への利益を否定する結果が相次いで報告されている。米Brigham and Women's HospitalのJ. Michael Gaziano氏らが行った大規模無作為化試験でも、… 2008/12/31 癌
JAMA誌から セレンとビタミンEは男性の前立腺癌を予防しない 3万5533人を対象とした無作為化試験SELECTの結果 健康な男性がセレン(セレニウム)とビタミンEを摂取しても、前立腺癌やその他の癌の予防には役立たない――。そんな結果が、米Texas大学M.D.Anderson癌センターのScott M. Lippman氏らが行った大規模臨床試験で導き出された。詳細は、JAMA誌電子版に2008年12月9日に報告された。… 2008/12/30 癌
BMJ誌から 肘外傷患者の骨折の有無をX線なしで見分ける方法とは 簡単な肘伸展検査で、X線検査の適応を判断 1次・2次医療機関をよく受診する肘外傷の患者に対して、X線検査を行わなくても、簡単な肘伸展検査で骨折の有無を予測できる――。そんな研究結果を、英Royal Devon and Exeter Foundation NHS TrustのAndrew Appelboam氏らがまとめ、BMJ誌電子版に2008年12月9日に報告した。… 2008/12/26 骨・関節・筋
NEJM誌から RTS,S/ASマラリアワクチンの乳児への接種は有効かつ安全 異なるアジュバントを用いた2つの試験で好成績 現在開発中のRTS,S/ASマラリアワクチンに、それぞれ異なるアジュバントを用いた2件の無作為化試験の結果が、NEJM誌2008年12月11日号に報告された。いずれの試験でも、乳児における安全性や有効性は良好だった。… 2008/12/25 小児科
BMJ誌から コンサートでの激しい首振り、何度を超えると危険? 「直接観察」に基づく推定では、105°超で頸部傷害のリスク ヘビメタファンはヘッドバンギング(ビートに合わせて頭を激しく振る行為)による頭頸部傷害リスクを認識する必要がある。オーストラリアNew South Wales大学School of Risk and Safety SciencesのDeclan Patton氏らは、ヘッドバンギングのリスクを評価する観察研究と生体力学的分析を行い、リス… 2008/12/24 精神・神経
JAMA誌から 1日にビール2缶程度飲酒する女性は心房細動リスクが1.6倍 Women's Health Studyの参加者3万4715人の追跡結果 健康な中年女性が1日にビール2缶、あるいはワイン2杯程度以上の飲酒をすると、心房細動のリスクが有意に上昇することが、米Brigham and Women's HospitalのDavid Conen氏らの研究で示された。詳細は、JAMA誌2008年12月3日号に報告された。… 2008/12/22 循環器
NEJM誌から IFN/リバビリン無効例にIFNを長期投与しても進行は防げず 慢性C型肝炎患者1050人を対象とした無作為化試験の結果 抗ウイルス治療に反応しない慢性C型肝炎患者は、肝線維化から肝硬変、肝不全、肝細胞癌へと進行し、やがて死に至る危険性を抱えている。米Saint Louis大学のAdrian M. Di Bisceglie氏らは、ペグインターフェロン/リバビリン併用が奏効せず、線維化が進んでいる患者に、2分の1用量のペグインターフ… 2008/12/22 消化器
JAMA誌から 心血管疾患治療薬の後発品は先発品と臨床的に同等 米国でのメタ分析の結果 心血管疾患治療薬の先発品と後発品の臨床効果や安全性には差がないとするメタ分析の結果が、米Brigham and Women's HospitalのAaron S. Kesselheim氏らにより、JAMA誌2008年12月3日号に報告された。 2008/12/19 循環器
厚労省「周産期医療と救急医療」懇談会で報告書案 周産期救急に個別医師へのドクターフィー導入へ 厚生労働省の「周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会」は2008年12月18日、周産期の救急医療における問題点や医療体制の整備に関する提言をまとめた報告書案を公表した。周産期医療を充実させる取り組みへの診療報酬上の評価や、報酬の一部を医師の給与に充てる「ドクターフィー」の導… 2008/12/19 救急医療・集中治療
Lancet誌から テソフェンシンで肥満患者が10%前後の減量を達成 フェーズ2試験で既存薬を上回る減量効果 BMI30~40の肥満患者を対象とするテソフェンシンのフェーズ2試験で、摂取カロリー制限とともにテソフェンシンを服用すると、既存の減量薬の2倍を越える減量が達成できることが示された。詳細は、デンマークCopenhagen大学のArne Astrup氏らがLancet誌2008年11月29日号に報告した。… 2008/12/18 代謝・内分泌
NEJM誌から 64列MDCTによる冠動脈造影は従来型冠動脈造影と同等か? 閉塞の有無や重症度の評価では両者に差なし 多列検出器コンピュータ断層撮影(MDCT)は、非侵襲的な血管造影法として普及しつつある。しかし、その有用性を従来型の冠動脈造影と比較した質の高い研究はなかった。米Johns Hopkins大学のJulie M. Miller氏らは多施設盲検試験を実施し、閉塞の有無、重症度の評価においては、MDCT冠動脈造影(M… 2008/12/17 循環器
日本小児アレルギー学会が全面協力、JPGL2008にも対応 患者家族が作った「小児ぜんそくハンドブック2008」が発刊 日本小児アレルギー学会の専門医が協力し、小児喘息の患者の家族や支援団体の代表者らが構成から執筆までを担当した「家族と専門医が一緒に作った小児ぜんそくハンドブック2008」が出版された。患者向けの診療ガイドラインはわが国でもいくつか作成されているが、患者家族が主体となって作成され… 2008/12/17 アレルギー・免疫
ブデソニド懸濁液、アドエアなど新薬も盛り込む 小児気管支喘息ガイドラインが3年ぶりの改訂 日本小児アレルギー学会は2008年12月13日、3年ぶりの改訂となる「小児気管支喘息・管理ガイドライン2008」(JPGL2008)を公表した。基本的には前回のガイドライン(JPGL2005)を踏襲しているが、新たな薬剤を追加したり、重症度と治療ステップとの関係を分かりやすく整理したりするなどの変更が加… 2008/12/17 アレルギー・免疫
JAMA誌から うつのある冠疾患患者の心血管イベントは運動で抑制可能? 1017人を対象とした前向きコホート研究の結果 冠疾患患者のうつ症状は有害な心血管リスク上昇に関係することが知られているが、その機序は明らかではなかった。そこで、米San Francisco退役軍人医療センターのMary A. Whooley氏らが前向きコホート研究を行ったところ、冠疾患患者にうつ症状があると、その後の心血管イベントリスクは1.5倍にな… 2008/12/16 循環器
NEJM誌から 遺伝子多型は2型糖尿病の発症予測にあまり役立たない 北欧での大規模コホート研究における検討 2型糖尿病は、環境要因と遺伝的な要因の相互作用により発症すると考えられている。スウェーデンLund 大学のValeriya Lyssenko氏らは、大規模コホート研究の参加者を対象に、16遺伝子上に存在する一塩基多型(SNPs)と糖尿病発症の関係を調べた。得られた結果は、従来から知られている臨床要因の発… 2008/12/15 代謝・内分泌
NEJM誌から 2型糖尿病の発症予測に最も有用なのは臨床的危険因子 フラミンガム子孫研究の参加者を対象とした検討 2型糖尿病リスクに関わることが示されている遺伝子座は複数ある。米Massachusetts総合病院のJames B. Meigs氏らは、大規模な前向きコホート研究であるフラミンガム子孫研究の参加者を対象に、それら遺伝子座に関する情報の糖尿病リスク予測能力を評価した。得られた結果は、従来から用いられてき… 2008/12/15 代謝・内分泌
BMJ誌から 妊娠初期のスクリーニングでダウン症新生児が半減 デンマークでの全国的スクリーニングの結果 デンマークでは、2004年から、妊娠初期3カ月までの妊婦を対象にダウン症の複合リスク評価を行い、陽性と判定された妊婦には侵襲的検査を勧めるという、全国的なダウン症スクリーニングを行っている。デンマークCopenhagen大学のCharlotte K Ekelund氏らは、このスクリーニングの影響により、ダウ… 2008/12/11 産婦人科
NEJM誌から ACE阻害薬と併用するなら、利尿薬かCa拮抗薬か? Ca拮抗薬併用群で心血管イベントリスクが2割減 高血圧の治療において、どの降圧薬を組み合わせれば、降圧を越える利益が得られるのだろうか。米Michigan Health System大学のKenneth Jamerson氏らは、ハイリスク高血圧患者を対象とする無作為化二重盲検試験を行い、アンジオテンシン転換酵素(ACE)阻害薬のベナゼプリルと利尿薬のヒドロクロロ… 2008/12/11 循環器
厚労省「専門医・家庭医のあり方」班会議 「3学会共同で総合医の認定制度を整備する」 日本総合診療医学会運営委員長の小泉俊三氏が指摘 厚生労働省の「医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期研修制度)のあり方に関する研究」班会議の5回目の会議が12月5日、開かれた。 2008/12/10 医師のキャリア
日本臨床薬理学会年会シンポジウムより タミフルと異常行動、「廣田班」の解析方法に疑問の声 12月4日に都内で開かれた日本臨床薬理学会年会のシンポジウムで、今年7月に公表された、厚生労働省「インフルエンザ随伴症状の発現状況に関する調査研究」班(主任研究者:大阪市大公衆衛生学教授の廣田良夫氏)による、2006/07年シーズンの解析結果の中間報告について議論された。「廣田班の解析… 2008/12/08 感染症
JAMA誌から イチョウ葉エキスに認知症の予防効果なし 約3000人の高齢者を対象にした無作為化試験の結果 イチョウ(Ginkgo biloba)の葉の抽出物は、生薬として、記憶と認知能力に対する作用を期待する人々に広く使用されている。だが、米Pittsburgh大学のSteven T. DeKosky氏らが行った無作為化二重盲検試験の結果、イチョウ葉抽出物を長期にわたって服用しても、認知症全般やアルツハイマー病の罹患… 2008/12/08 精神・神経
JAMA誌から COPDに吸入ステロイドを投与しても死亡率は下がらず 全死因死亡には有意差なく、肺炎リスクが上昇 安定期COPD患者の管理に吸入ステロイド(ICS)を用いると、死亡率は減るのか。有害事象リスクの上昇はあるのか――。こうした問いに対して、これまでの研究では一貫した結果が得られていなかった。そこで、米Johns Hopkins大学のM. Bradley Drummond氏らが無作為化試験のメタ分析を行ったところ、… 2008/12/08 呼吸器
JAMA誌から ベバシズマブ投与で静脈血栓塞栓症リスクが上昇 15件の無作為化試験を対象としたメタ分析の結果 癌患者に広く用いられている新規血管新生阻害薬、ベバシズマブ(商品名アバスチン)の投与により、静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクが有意に上昇することが、米Stony Brook大学のShobha Rani Nalluri氏らによるメタ分析で判明した。詳細は、JAMA誌2008年11月19日号に報告された。… 2008/12/05 循環器
BMJ誌から 超高齢者の3割は転倒後も長時間起き上がれず 脱水、低体温、肺炎、褥瘡などのリスク上昇の懸念 加齢と共に転倒リスクは上昇するが、筋肉の衰えから自分で起き上がることが難しくなる。長時間床に横たわったままでいると、脱水、低体温、肺炎、褥瘡などの合併症リスクが上昇する。そこで、英Cambridge大学のJane Fleming氏は、90歳以上の高齢者の転倒の実態を1年間にわたって調べた。その結果… 2008/12/04 骨・関節・筋
NEJM誌から 肥満による死亡リスク予測、BMIだけでは不十分 腹部肥満も用いると精度が上昇、ただし測定方法は日本と異なる 肥満と死亡リスクの関係を調べた研究の多くは、全身性肥満の指標であるBMIを用いている。独栄養研究所のTobias Pischon氏らは、欧州人を対象とする研究で、腹部肥満の指標である腹囲またはウエスト/ヒップ比をBMIと共に用いると、特に低BMI群の死亡リスクの予測精度が向上することを明らかにした… 2008/12/04 代謝・内分泌
Lancet誌から 期待のHIVワクチン、フェーズ2試験が早期中止に 抗原特異的なIFNγの産生は誘導するも、感染予防効果示せず アデノウイルス血清型5型(Ad5)をベクターとするHIVワクチンのフェーズ2試験の結果が、米San Francisco公衆衛生局のSusan P Buchbinder氏らにより報告された。Lancet誌2008年11月29日号に掲載された論文によると、前臨床試験とフェーズ1試験では、細胞性免疫を強力に誘導できることが示されてい… 2008/12/03 感染症
JAMA誌から ビタミンE、Cに中高年男性の心血管疾患の予防効果なし ビタミンE投与群では出血性脳卒中リスクが1.7倍に 中高年男性がビタミンEとCを長期的に摂取しても、心血管イベントの抑制効果はない――。そんな無作為化試験の結果が、米Brigham and Women's HospitalのHoward D. Sesso氏らにより、JAMA誌2008年11月12日号に報告された。ビタミンEについては、長期的な摂取により出血性脳卒中リスクが1.74倍にな… 2008/12/02 循環器
BMJ誌から BCG接種の管針法、効果と安全性は皮内接種と同等 1万人超を対象とした無作為化試験の結果 BCGの接種に当たり、日本では1966年から採用されている管針法による経皮接種を行っても、WHOが推奨している皮内接種と比べて有効性、安全性が同等であることが、南アフリカCape Town大学のAnthony Hawkridge氏らが行った無作為化試験により明らかになった。論文は、BMJ誌電子版に2008年11月13日に… 2008/12/01 感染症
NEJM誌から ロスバスタチンが脂質正常者の心血管リスクを44%減 LDL-c正常かつ高感度CRP高値の人を対象にしたJUPITER試験の結果 通常はスタチン投与の対象にならない、LDL-コレステロール(LDL-c)値が正常域の中高年男女のうち、高感度CRP(hsCRP)値が高い人々にロスバスタチンを投与した二重盲検の無作為化試験で、予想を超える大きな利益が見られた。米Brigham and Women's HospitalのPaul M Ridker氏らは、NEJM誌2008年1… 2008/12/01 循環器