高齢者の転倒予防のための多危険因子評価と介入は本当に有効? 明確なエビデンス示せず 高齢者にとって、転倒は、短期的、長期的に大きな問題を引き起こす可能性があるため、転倒および転倒による外傷を予防するための研究は、積極的に行われている。現時点では、まず多危険因子評価を行って、それに基づいて介入するという手法が最も効率よく転倒を減らすことができると見なされてい… 2007/12/31 骨・関節・筋
マルチキナーゼ阻害薬スニチニブに心毒性? 長期投与には慎重な観察が必要 マルチキナーゼ阻害薬のスニチニブは、欧米では、転移性腎細胞癌と消化管間質腫瘍(GIST)の治療薬として承認されており、日本でも臨床試験が進行中だ。米国Harvard大学医学部のTammy F Chu氏らは、転移性GIST患者を対象に行われたフェーズ1/2試験のデータを後ろ向きに調べ、承認された用量の長期… 2007/12/30 癌
世界初の顔面移植から18カ月、「メークをすれば街を歩くこともできる」 患者は機能的にも外見的にも満足できる状態に 脳死女性から顔面部分移植を受けた女性の18カ月間の経過が明らかになった。「メークをすれば街を歩くこともできる」と、患者は満足しているという。フランスLyon 第1大学のJean-Michel Dubernard氏らは、詳細をNEJM誌2007年12月13日号に報告した。… 2007/12/29 先端医学
タミフル1万人調査、注目の結論は… 暫定結果は出たが調査会は判断を先送り、本報告は3月末か 厚生労働省の「インフルエンザに伴う随伴症状の発現状況に関する調査研究」研究班が12月25日、約1万人のインフルエンザ患者を対象とした調査の解析結果を同省の医薬・食品衛生審議会安全対策調査会に報告した。タミフル(一般名:リン酸オセルタミビル)の服用と異常行動の因果関係を明らかにする… 2007/12/26 感染症
静脈血栓塞栓症後は心血管イベントの入院リスク上昇 20年後までリスクが高い状態が続く 深部静脈血栓塞栓症と心血管イベントの関係を調べたデンマークAarhus大学病院のHenrik Toft Sorensen氏らは、血栓症発生から1年以内に心血管イベントで入院するリスクは1.88倍と有意に高まり、そのリスクが高い状態が20年後まで続くことを明らかにした。詳細は、Lancet誌2007年11月24日号に報告さ… 2007/12/21 循環器
第2世代日本脳炎ワクチンの有効性と安全性を確認 vero細胞を用いて生産した不活化ワクチン 開発が進められている新たな日本脳炎ワクチンと、現在接種されているワクチンの有効性と安全性を比較した無作為化試験の結果、新たなワクチンの有効性と安全性は現行ワクチンと同等であることが示された。オーストリアVienna医科大学のErich Tauber氏らの報告で、詳細はLancet誌2007年12月1日号に… 2007/12/19 感染症
コレステロール値と虚血性心疾患の関係に血圧と年齢が関与 脳卒中死亡とコレステロール値の関係は見出せず 虚血性心疾患死亡リスクはコレステロール値に相関しており、血圧と年齢がリスクの大きさに関与していることが、メタ分析で明らかになった。一方、脳卒中死亡リスクについてはそうした関係は見られなかった。英Oxford大学を中心とする国際的なメタ分析グループProspective Studies Collaboration(… 2007/12/19 循環器
子供の喘息被患率が過去最高に 10年前の2倍に 喘息の子供が年々増加しており、2007年度に過去最多を更新したことが、12月14日に文部科学省が公表した「平成19年度学校保健統計調査速報」で明らかになった。 2007/12/18 アレルギー・免疫
ロスバスタチンは収縮期心不全患者の心血管イベント発症を抑制せず 安全性には問題なし、「スタチンのリスクは利益に優る」は間違い? 左室収縮機能不全が原因で心不全となる患者は少なくない。このような患者に対するスタチン投与はリスクが高いと考えられてきたが、そもそも収縮期心不全患者の心血管イベントの発症を抑制するのだろうか。ノルウェーOslo大学のJohn Kjekshus氏らの報告で、詳細はNEJM誌2007年11月29日号に掲載され… 2007/12/18 循環器
股関節骨折5年リスクを予測するアルゴリズム開発 閉経年齢、ダイエット、ビタミンDやカルシトニン使用などは変数から外れる 股関節骨折を減らすためには、ハイリスク者を抽出し適切な予防策を実践することが大切だ。米国California大学Davis校のJohn Robbins氏らは、簡単な質問を組み合わせて股関節骨折5年リスクを推算するアルゴリズムを開発した。詳細は、JAMA誌2007年11月28日号に報告された。… 2007/12/17 骨・関節・筋
「タミフルが直接、異常行動を起こしている可能性は低い」 研究結果の発表受けて、厚労省の臨床WGがコメント リン酸オセルタミビル(商品名:タミフル)服用と異常行動発現との因果関係を確認するために国が実施した調査の1つ、「インフルエンザ罹患に伴う異常行動研究」(主任研究者:国立感染症研究所感染症情報センター長・岡部信彦氏)の結果が16日に発表された。「リン酸オセルタミビルの臨床的調査検… 2007/12/17 感染症
FDAがカルバマゼピン使用前の遺伝子検査を推奨 HLA-B*1502遺伝子がTENやSJSの発症と関連 米国食品医薬品局(FDA)は12月12日、抗てんかん薬であるカルバマゼピンについて、アジア系の祖先を持つ患者には、使用前に遺伝子検査を行うことを勧める旨を、添付文書の黒枠警告(boxed warning)欄に加えることに、企業側が同意したと発表した。… 2007/12/14 医薬品
審議委員の利益相反ルール、パブコメ募集やり直しへ 奨学寄付金の扱いなどが議論に 厚生労働省の「審議参加と寄附金等に関する基準策定ワーキンググループ」(座長は共立薬科大学学長の望月正隆氏)は12月13日に開かれた会議で、現在パブリックコメントを募集中の「審議参加と寄附金等に関する基準(案)」(以下、寄付金基準案と略)を練り直し、新しい案がまとまった時点で、再… 2007/12/14 医の倫理
PPI2剤の長期投与と心イベントリスク上昇の関係を否定 米国食品医薬品局(FDA)は、2007年12月10日、半年かけて実施してきたプロトンポンプ阻害薬(PPI)2剤の安全性評価の結果を発表した。既存のデータを詳細に審査したが、オメプラゾールとエソメプラゾール(日本では未発売)の長期投与で心イベントリスクが上昇することを示す証拠は得られなかった… 2007/12/13 消化器
膣スワブを用いるクラミジア迅速検査の有用性確認 感度と特異性は良好、即日診断が可能に 簡便、迅速で安価なクラミジア検査に対するニーズは高い。新たに開発された自己採取膣スワブを標本として用いるクラミジア・トラコマティス迅速検査は、既存の診断法と比較して、精度は良好で、途上国などでも使いやすい検査法であることが示された。英国Diagnostics for the Real World (Europe)… 2007/12/11 感染症
厚労省検討会が肺癌検診の見直し中間報告案を公表 CTによる検診は根拠不十分 厚生労働省の「がん検診に関する検討会」(座長;国立がんセンター名誉総長の垣添忠生氏)は12月11日、「肺がん検診の見直しについて」の中間報告案を議論した。この場での議論を踏まえ、中間報告が近く公表される予定だ。… 2007/12/11 癌
中国江蘇省、鳥インフルエンザの人感染が相次いで2例発生 中国江蘇省で、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)の人への感染例が相次いで2例発生した。12月2日には24歳男性が死亡、12月6日にはこの男性の父親(52歳)が感染していることが判明した。死亡した男性には死んだ家禽類との接触歴がなく、父親ともども感染源は判明していない。厚生労働省は10日、父… 2007/12/11 感染症
癌、循環器診断用アイソトープの供給が来週にも一部停止 カナダの原子炉トラブルが原因、日本アイソトープ協会が緊急連絡を発出 心筋血流のイメージングや癌の診断用として幅広く用いられている放射性同位元素製品の供給が来週から一部停止することが明らかになった。医療用放射性同位元素の世界的な供給元であるカナダの原子力施設のトラブルが原因で、癌や循環器疾患の診断・治療に大きな影響が出ることになりそうだ。… 2007/12/10 循環器
経口避妊薬で子宮頸癌リスクは上昇するのか? 5年未満の使用であれば影響はわずか 混合型経口避妊薬(COC)の服用により子宮頸癌リスクは上昇するのだろうか。COCの使用パターンと子宮頸癌の関係を調べた結果、若い年齢での5年以内の使用であれば生涯子宮頸癌罹患リスクに対する影響はわずかであることを明らかにした。英国Oxford大学のJane Green氏らの報告で、詳細は、Lancet誌… 2007/12/10 産婦人科
エルトロンボパグで抗ウイルス治療対象患者が増加 無作為化フェーズ2試験の結果 C型肝炎ウイルス(HCV)感染者で血小板数が少ない場合、インターフェロン/リバビリン併用療法は禁忌ではないが、慎重に適用する必要がある。米国Duke大学のJohn G. McHutchison氏らは、経口投与で活性を持つ新たな低分子トロンボポエチン受容体作動薬エルトロンボパグを用いると、血小板数が上昇… 2007/12/10 消化器
世界最高磁力9.4TのMRI、磁場の安全性を臨床試験で確認 米イリノイ大学シカゴ校は12月4日、開発中の9.4T(テスラ)MRIについて、磁場の安全性を確認する臨床試験を成功裏に完了したと発表した。9.4Tは人間の頭部を観察できるサイズの装置としては最強の磁力で、日本でも普及が始まった3T MRIの3倍を超える。この磁力によって、ナトリウムイオンなど様々… 2007/12/09 医療機器
iPS細胞の山中氏、「臨床応用で目指すべきは細胞バンク」 ヒト線維芽細胞から誘導多能性幹細胞(iPS細胞)を樹立して注目を集めている京都大学再生医科学研究所教授の山中伸弥氏は12月7日、文部科学省の「特定胚及びヒトES細胞等研究専門委員会」に出席し、iPS細胞の作製までの経緯と現状を紹介した。… 2007/12/07 先端医学
米国で慢性腎疾患が急増、公衆衛生上の大きな課題に 糖尿病と高血圧の増加が要因 米国で慢性腎疾患(CKD)の有病率が劇的に上昇していることが明らかになった。1988~1994年と1999~2004年の有病率を比較したところ、1.3倍にも増加していた。米国Johns Hopkins大学のJosef Coresh氏らの報告で、詳細はJAMA誌2007年11月7日号に報告された。… 2007/12/06 腎・泌尿器
11月の閲覧ランキング ― 最も読まれた記事は? 「日本のバイト医師の仕事は米国のPhysician Assistant並み」が第1位に 11月の月間ランキングで第1位になったのは、米国ピッツバーグ大学で心臓外科医として活躍する津久井宏行先生からの寄稿「日本のバイト医師の仕事は米国のPhysician Assistant並み」でした。津久井先生が一時帰国した際、日本の医療機関で非常勤医として働いた経験から、日本の医療現場が改善すべ… 2007/12/06 その他
急性腰痛にジクロフェナクと脊椎徒手整復術の追加は無効 統計学的に有意な回復促進効果は見られず 急性腰痛患者の回復が遅い場合に、ジクロフェナクなど非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)または脊椎徒手整復術(SMT)の適用が推奨されているが、これらは有効なのだろうか。オーストラリアSydney大学のMark J Hancock氏らがその有効性を評価したところ、統計学的に有意な回復促進効果は見られなか… 2007/12/04 骨・関節・筋
未熟児無呼吸発作の治療にカフェインは有効 脳性麻痺と認知機能の発達遅延を減らす 極低出生体重児の未熟児無呼吸発作の治療にカフェインを用いた場合の有効性と安全性を評価する大規模な国際的無作為化試験で、カフェイン投与によって修正月齢18~21カ月の時点の脳性麻痺と認知機能の発達遅延が有意に減少することが明らかになった。カナダMcMaster大学のBarbara Schmidt氏らの報… 2007/12/03 小児科
急性尿閉患者の1年死亡率は高い 1年以内の死亡の過半数は90日以内に発生 初回急性尿閉で入院した45歳以上の患者の1年死亡率を調べたところ、高齢者ほど高く、85歳以上では37%に上ることが明らかになった。また、一般集団と比較すると若年群(45~54歳)の死亡率が相対的に高いことが示された。英国王立外科大学のJames N Armitage氏らの報告で、詳細はBMJ誌電子版に200… 2007/12/03 腎・泌尿器