処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
※キーワードをスペースで区切るとAND検索に、半角の「|」で挟むとOR検索になります
ベナンバックス注用300mgの基本情報
基本情報
- カリニ肺炎
- 1.静脈内・筋肉内投与:ペンタミジンイセチオン酸塩として4mg/kgを1日1回投与する
- 1).静脈内点滴投与:日局注射用水3〜5mLに溶解した後、日局ブドウ糖注射液又は日局生理食塩液50〜250mLに希釈し、1〜2時間かけて点滴静注する
- 2).筋肉内投与:日局注射用水3mLに溶解した後、2箇所以上の部位に分けて筋注する
- 2.吸入投与:ペンタミジンイセチオン酸塩として300〜600mgを日局注射用水(1バイアルにつき3〜5mL)に溶解し、吸入装置を用いて1日1回30分かけて投与する
- 吸入装置は5μm以下のエアロゾル粒子を生成する能力を有する超音波ネブライザー又はコンプレッサー式ネブライザー等を使用する
- なお、吸入装置により霧化能力、薬液槽容量が異なるので、使用する機種に応じて薬液を日局注射用水で適切な量に希釈して用いる
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- ザルシタビン投与中
- ホスカルネットナトリウム投与中
- 換気障害が重症<PaO2:60mmHg以下>
- アミオダロン<注射剤>投与中
- 慎重投与
- 肝機能障害
- 血小板減少
- 高血圧症
- 高血糖症
- 腎機能障害
- 低カルシウム血症
- 低血圧症
- 低血糖症
- 白血球減少
- 貧血
- 注意
- 気管支喘息
- 徐脈
- 心室性不整脈
- 低カリウム血症
- 低マグネシウム血症
- QT延長を起こす恐れのある薬剤投与中
- 喫煙
- 冠疾患
- リーシュマニア症
- 投与に際する指示
- ザルシタビン投与中
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
- 慎重投与
- 高齢者
- 慎重投与
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- QTを延長する薬剤
- QT延長
- QTを延長する薬剤
- Torsades de Pointes
- QTを延長する薬剤
- 重篤な心室性不整脈
- ザルシタビン
- 劇症膵炎による死亡
- ホスカルネット
- 腎障害の増強
- ホスカルネット
- 低カルシウム血症
- ホスカルネット
- 重篤な低カルシウム血症が発現した死亡
- アミオダロン注射剤
- Torsades de Pointesのリスクが増加
処方理由
添付文書
カリニ肺炎。
1.静脈内・筋肉内投与:ペンタミジンイセチオン酸塩として4mg/kgを1日1回投与する。
1).静脈内点滴投与:日局注射用水3〜5mLに溶解した後、日局ブドウ糖注射液又は日局生理食塩液50〜250mLに希釈し、1〜2時間かけて点滴静注する。
2).筋肉内投与:日局注射用水3mLに溶解した後、2箇所以上の部位に分けて筋注する。
2.吸入投与:ペンタミジンイセチオン酸塩として300〜600mgを日局注射用水(1バイアルにつき3〜5mL)に溶解し、吸入装置を用いて1日1回30分かけて投与する。吸入装置は5μm以下のエアロゾル粒子を生成する能力を有する超音波ネブライザー又はコンプレッサー式ネブライザー等を使用する。なお、吸入装置により霧化能力、薬液槽容量が異なるので、使用する機種に応じて薬液を日局注射用水で適切な量に希釈して用いる。
<用法及び用量に関連する使用上の注意>
生理食塩液やブドウ糖液等で直接溶解すると懸濁・固化する恐れがあるので溶解には必ず日局注射用水を用いる。
<吸入投与>
承認時までの調査及び市販後の使用成績調査において、副作用は381例中93例(24.4%)に発現し、主な副作用は咳嗽15例(3.9%)、白血球減少、肝機能異常各11例(2.9%)、悪心10例(2.6%)、嘔吐8例(2.1%)、血小板減少、BUN上昇各6例(1.6%)等であった(再審査終了時)。
<静脈内・筋肉内投与>
承認時までの調査及び市販後の使用成績調査において、副作用は410例中184例(44.9%)に発現し、主な副作用として悪心30件(7.3%)、BUN上昇26件(6.3%)、腎機能障害25件(6.1%)、低血糖22件(5.4%)、肝機能障害21件(5.1%)、嘔吐19件(4.6%)、ALT(GPT)上昇17件(4.1%)、AST(GOT)上昇17件(4.1%)、クレアチニン上昇15件(3.7%)、Al−P上昇12件(2.9%)、高カリウム血症12件(2.9%)、白血球減少11件(2.7%)等がみられた(再審査終了時)。
投与経路別の副作用は、吸入投与単独では5例中3例(60.0%)に発現し、蕁麻疹、悪心、嘔吐、食欲不振及び腎障害各1件(20.0%)であった。静脈内・筋肉内投与単独では22例中9例(40.9%)に発現し、主な副作用としては、腎障害4件(18.2%)、嘔吐及び血糖値異常各2件(9.1%)がみられた。また、静脈内・筋肉内投与と吸入投与の混合では8例中5例(62.5%)に発現し、咳嗽4件(50.0%)、白血球減少2件(25.0%)、喘息様症状、咽頭刺激、口のまわりの違和感及び発熱各1件(12.5%)がみられた(承認時)。
1.重大な副作用
1).ショック(0.2%)・アナフィラキシー:ショック・アナフィラキシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、関連する徴候が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
2).Stevens−Johnson症候群(皮膚粘膜眼症候群):Stevens−Johnson症候群(皮膚粘膜眼症候群)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行う。
3).錯乱・幻覚(0.2%):錯乱・幻覚が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
4).急性腎障害(0.7%):急性腎障害等の重篤な腎障害が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
5).低血圧(2.2%)、QT延長、心室性不整脈(0.5%)、高度徐脈:重篤な低血圧、QT延長、心室性不整脈(Torsades de Pointesを含む)が現れることがあるので、このような症状が発現した場合には直ちに本薬の投与を中止し、再投与しない。また、高度徐脈が現れることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
6).低血糖(5.4%):重篤な低血糖が現れることがあるので、このような症状が発現した場合には直ちに本薬の投与を中止し、再投与しない。
7).高血糖、糖尿病:高血糖、糖尿病が現れることがあるので、このような症状が発現した場合には投与を中止し、インスリンなどの適切な処置を行う。
8).膵炎(0.5%):膵炎が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
2.その他の副作用:次のような副作用が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
1).心・血管系:(0.2%以上〜5%未満)心室性頻脈、心電図ST異常。
2).血液:(0.2%以上〜5%未満)白血球減少、血小板減少、貧血。
3).代謝異常:(0.2%以上〜5%未満)K異常・Na異常・Cl異常、(0.2%未満)Ca異常・Mg異常。
4).過敏症:(0.2%以上〜5%未満)発疹、発熱。
5).神経系:(0.2%以上〜5%未満)しびれ感、眩暈、(0.2%未満)失神、神経痛。
6).呼吸器:(0.2%以上〜5%未満)吸入投与時に、咳嗽、気管支痙攣、咽頭刺激、(頻度不明)呼吸困難、喘鳴。
7).消化器:(5%以上)悪心・嘔吐[静脈内・筋肉内投与:12.0%、吸入投与:4.7%]、(0.2%以上〜5%未満)腹痛、下痢、味覚障害、食欲不振。
8).腎臓:(5%以上)BUN上昇[静脈内・筋肉内投与:6.3%、吸入投与:1.6%]、(0.2%以上〜5%未満)血清クレアチニン上昇、血尿、無尿、乏尿。
9).肝臓:(0.2%以上〜5%未満)AST上昇(GOT上昇)・ALT上昇(GPT上昇)・Al−P上昇、黄疸。
10).投与部位:(0.2%以上〜5%未満)静脈内又は筋肉内投与時に、局所の膿瘍、壊死、疼痛、硬結、(0.2%未満)静脈内又は筋肉内投与時に、局所不快感。
11).その他:(0.2%以上〜5%未満)静脈炎、CK上昇(CPK上昇)、LDH上昇、(0.2%未満)顔面潮紅。
(警告)
重篤な低血圧、低血糖及び不整脈が現れることがあるので、【用法及び用量】、【使用上の注意】に特に留意し、このような症状が発現した場合は直ちに本薬の投与を中止し、再投与しない。
(禁忌)
1.本剤に対する過敏症の既往歴のある患者。
2.ザルシタビン投与中の患者[海外で本剤(静注)との併用により劇症膵炎による死亡例が報告されているので、カリニ肺炎の治療のため本剤が必要になった場合は、ザルシタビンを休薬する]。
3.ホスカルネットナトリウム投与中の患者[腎障害の増強、低カルシウム血症が起こることがある(なお、海外で本剤(静注)との併用により、重篤な低カルシウム血症が発現した死亡例が報告されている)]。
4.吸入投与は、換気障害が重症<PaO2:60mmHg以下>の患者には行わない[換気障害のため、薬剤の十分な拡散が得られないことがある]。
5.アミオダロン<注射剤>投与中の患者[併用によりTorsades de Pointesのリスクが増加する]。
(慎重投与)
1.腎機能障害又は肝機能障害のある患者[腎又は肝機能障害を悪化させるとともに副作用も発現しやすくなる恐れがある]。
2.低血圧症又は高血圧症の患者[症状を悪化させる恐れがある]。
3.低血糖症又は高血糖症の患者[膵臓のβ細胞に作用し、症状を悪化させる恐れがある]。
4.白血球減少、血小板減少、貧血のある患者[症状を悪化させる恐れがある]。
5.低カルシウム血症の患者[症状を悪化させる恐れがある]。
6.高齢者。
(重要な基本的注意)
1.本剤による重篤な副作用報告があるので、カリニ肺炎と確定診断された患者若しくは臨床的にカリニ肺炎が強く疑われる患者において、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。なお、投与に際しては【使用上の注意】、【用法及び用量】を厳守する。
2.血液障害、ショック等を予測するため十分な問診を行う。
3.本剤投与前、投与中及び投与後を通じて、臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査、心電図検査等)を行う。
4.本剤投与後、突然重度低血圧が起こることがあるので、患者の基礎血圧値をあらかじめ測定し、投与時には必ず患者を横臥させる(各回投与時並びに治療期間中一定の間隔で血圧を測定する)。
5.本剤投与後、重度低血糖、また、高血糖、糖尿病が起こることがあるので、治療期間中及び治療後も血糖値を測定、監視する。
6.本剤投与後、QT延長及びTorsades de Pointesを含む重篤な心室性不整脈が起こることがあるので、冠疾患の患者、心室性不整脈の既往のある患者、低カリウム血症の患者、低マグネシウム血症の患者、徐脈の患者、又はQT延長を起こす恐れのある薬剤投与中の患者に投与する場合には注意する。
7.吸入中に気管支痙攣が起こることがある(このような場合には、β−刺激性気管支拡張剤の投与が有効である)。吸入時、気管支収縮は喫煙者や気管支喘息の患者で起こりやすく、β−刺激性気管支拡張剤の前投与により気管支痙攣が予防できるとの海外での報告がある。
8.本剤吸入投与にあたっては、換気性の良い部屋を使用し、取り扱い者は防護手段(手袋、マスク等)を講じ、できる限り被曝されないようにする。
(相互作用)
併用禁忌:
1.ザルシタビン<ハイビッド>[カリニ肺炎の治療のため本剤が必要になった場合は、ザルシタビンを休薬する;海外で本剤(静注)との併用により劇症膵炎による死亡例が報告されている(機序不明)]。
2.ホスカルネットナトリウム<ホスカビル>[腎障害の増強、低カルシウム血症が起こることがある;なお、海外で本剤(静注)との併用により、重篤な低カルシウム血症が発現した死亡例が報告されている(相加的に副作用(腎障害、低カルシウム血症)が増強する)]。
3.アミオダロン<注射剤><アンカロン注>[併用によりTorsades de Pointesのリスクが増加する(併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる)]。
(高齢者への投与)
定期的に検査を行うなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する[一般に高齢者では生理機能が低下している]。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、十分に検討した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[動物実験で母体死亡、胎仔毒性(後期死亡仔数増加、胎仔化骨遅延)が報告されている]。
2.授乳婦に投与する場合には授乳を中止させる[授乳婦への投与に関する安全性は確立していない]。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない[使用経験が少ない]。
(適用上の注意)
1.筋肉内注射時:筋肉内注射にあたっては次記の点に注意する。
1).筋肉内注射時神経走行部位を避けるように注意して注射する。
2).注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合には直ちに針を抜き、部位をかえて注射する。
2.吸入時:吸入投与に際しては、粒子径は効果に影響を及ぼすので、投与にあたっては注意する。
3.調製時:
1).本剤を溶解する時は、必ず日局注射用水を用いる。
2).静脈内・筋肉内注射にあたっては、溶解液を更に日局生理食塩液や日局ブドウ糖注射液で希釈してもよいが、それ以外の注射液とは混合又は希釈して使用しない。
3).吸入投与にあたっては、溶解液を他の薬剤と混合して使用しない。
4).溶解後の未使用残留分は廃棄する。
(その他の注意)
1.14日間以上の投与は、腎機能障害等の副作用による危険性に対して治療上の有益性が上回ると判断した場合にのみ行う(このとき、定期的な臨床観察・臨床検査による監視を続ける必要がある)。
2.海外において、リーシュマニア症に対して筋肉内投与した場合に、横紋筋融解症が報告されている。
3.後天性免疫不全症候群(AIDS)患者のカリニ肺炎治療において、本薬を吸入投与した患者では静脈内投与した患者に比べ治療効果が低いとの海外報告がある。
処方薬事典は、日経メディカル Onlineが配信する医療・医薬関係者向けのコンテンツです。一般の方もご覧いただけますが、内容に関するご質問にはお答えできません。服用中の医薬品についてはかかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。