処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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点滴静注用ホスカビル注24mg/mLの基本情報
基本情報
ウイルスの増殖に必要なDNA複製を阻害し、サイトメガロウイルス感染症を治療する薬
- デノシン
- バリキサ
- ホスカビル
- エイズのサイトメガロウイルス網膜炎
- 後天性免疫不全症候群のサイトメガロウイルス網膜炎
- 造血幹細胞移植のサイトメガロウイルス感染症
- 造血幹細胞移植のサイトメガロウイルス血症
- 造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎
- 1.後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎、造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症:1).初期療法:ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、1時間以上かけて8時間ごとに1日3回、又は1回体重1kgあたり90mgを、2時間以上かけて12時間ごとに1日2回、それぞれ点滴静注する
- なお、初期療法は2〜3週間以上行う
- 2).維持療法:初期療法に続く維持療法には、ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり90〜120mgを2時間以上かけて1日1回点滴静注する
- 維持療法中に再発が認められた場合は、初期療法の用法・用量により再投与することができる
- 2.造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症:1).初期療法:ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、1時間以上かけて12時間ごとに1日2回点滴静注する
- 初期療法は1〜2週間以上行う
- 2).維持療法:ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり90〜120mgを2時間以上かけて1日1回点滴静注する
- 維持療法中に再発が認められた場合は、初期療法の用法・用量により再投与することができる
- 3.造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎:ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、1時間以上かけて8時間ごとに1日3回点滴静注する
- なお、本剤による腎障害を軽減するため、本剤による治療中には水分補給を十分に行い、利尿を確保する
- <投与法及び希釈調製法>本剤を中心静脈より投与する場合は希釈せずに用いるが、末梢静脈より投与する場合には、血管への刺激を軽減するため、5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液にて2倍に希釈して用いる(12mg/mL)
- なお、本剤の血漿中濃度の過剰な上昇により、本剤の毒性が増強することがあるので、点滴速度に十分注意し、点滴静注以外では投与しない
- また、点滴速度を調節するため、点滴ポンプを使用することが望ましい
- <用量の調節>本剤の用量は、各患者の腎機能に応じて個別に調節する
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- クレアチニンクリアランス値が0.4mL/分/kg未満
- ペンタミジンイセチオン酸塩投与中
- 慎重投与
- 心機能異常
- 腎障害
- 低カリウム血症
- 低カルシウム血症
- 低マグネシウム血症
- 電解質異常
- 中枢神経系異常
- 注意
- 中枢神経系疾患
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
- 幼児・小児
- 慎重投与
- 高齢者
- 相対禁止
- 小児(0歳〜14歳)
- 慎重投与
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- イセチオン酸ペンタミジン
- 腎障害の増強
- イセチオン酸ペンタミジン
- 低カルシウム血症
- 血清カルシウム濃度に影響を及ぼす薬剤
- 低カルシウム血症
- ループ利尿剤
- 低カルシウム血症
- フロセミド
- 低カルシウム血症
- イセチオン酸ペンタミジン
- ペンタミジンイセチオン酸塩静注の併用で重篤な低カルシウム血症が発現し死亡
- 腎毒性を有する薬剤
- 腎障害を増強
- アミノグリコシド系抗生物質
- 腎障害を増強
- 硫酸ゲンタマイシン
- 腎障害を増強
- 硫酸アミカシン
- 腎障害を増強
- スルファメトキサゾール・トリメトプリム
- 腎障害を増強
- バンコマイシン塩酸塩
- 腎障害を増強
- アムホテリシンB
- 腎障害を増強
- シクロスポリン
- 腎障害を増強
- タクロリムス水和物
- 腎障害を増強
- メトトレキサート製剤
- 腎障害を増強
- シスプラチン
- 腎障害を増強
処方理由
添付文書
1.後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎。
2.造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症及びサイトメガロウイルス感染症。
3.造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.本剤は、先天性もしくは新生児サイトメガロウイルス感染症を効能・効果とはしていない。
2.本剤は、サイトメガロウイルス感染が確認された患者において、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。
3.本剤は、造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症及び造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症において、他剤の治療効果が不十分又は忍容性に問題があると考えられる場合に投与する。
4.本剤をサイトメガロウイルス非感染者に感染予防の目的で使用しない。
1.後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎、造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症:
1).初期療法:ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、1時間以上かけて8時間ごとに1日3回、又は1回体重1kgあたり90mgを、2時間以上かけて12時間ごとに1日2回、それぞれ点滴静注する。なお、初期療法は2〜3週間以上行う。
2).維持療法:初期療法に続く維持療法には、ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり90〜120mgを2時間以上かけて1日1回点滴静注する。維持療法中に再発が認められた場合は、初期療法の用法・用量により再投与することができる。
2.造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症:
1).初期療法:ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、1時間以上かけて12時間ごとに1日2回点滴静注する。初期療法は1〜2週間以上行う。
2).維持療法:ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり90〜120mgを2時間以上かけて1日1回点滴静注する。維持療法中に再発が認められた場合は、初期療法の用法・用量により再投与することができる。
3.造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎:ホスカルネットナトリウム水和物として1回体重1kgあたり60mgを、1時間以上かけて8時間ごとに1日3回点滴静注する。
なお、本剤による腎障害を軽減するため、本剤による治療中には水分補給を十分に行い、利尿を確保する。
<投与法及び希釈調製法>
本剤を中心静脈より投与する場合は希釈せずに用いるが、末梢静脈より投与する場合には、血管への刺激を軽減するため、5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液にて2倍に希釈して用いる(12mg/mL)。なお、本剤の血漿中濃度の過剰な上昇により、本剤の毒性が増強することがあるので、点滴速度に十分注意し、点滴静注以外では投与しない。
また、点滴速度を調節するため、点滴ポンプを使用することが望ましい。
<用量の調節>
本剤の用量は、各患者の腎機能に応じて個別に調節する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.サイトメガロウイルス血症に対して本剤を投与する場合には、臓器特異的感染症状の出現に関し注意深く経過観察を行い、なお、感染症状が出現した場合には、速やかにサイトメガロウイルス感染症に対する本剤投与量への変更等、適切な処置を行う。
2.本剤の投与により重度腎障害を起こすことがあるので、本剤投与中は、血清クレアチニン値を初期療法期には少なくとも隔日に、維持療法期では週に一度は測定し、腎機能に応じて投与量を調節する。なお、本剤投与中にクレアチニンクリアランス値が0.4mL/分/kg以下になった場合には休薬し、腎機能が回復するまで投与しない。
3.本剤の腎障害を軽減するため、本剤初回投与前及び毎回の点滴静注時には適切な水分補給を行う(通常、本剤初回投与前及びその後本剤を点滴静注する毎にあわせて生理食塩液0.5〜1L/回、最大2.5L/日までを点滴静注する)。
4.利尿薬を併用する場合にはチアジド系利尿薬を用いる。
5.本剤は点滴静注によってのみ投与する(局所投与等、他の投与方法では使用しない)。
米国で実施された後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎に対する比較臨床試験総症例188例中152例(80.9%)に何らかの副作用が認められた。主な症状は嘔気(30.9%、58件)、貧血(28.7%、54件)、血清クレアチニン上昇(18.6%、35件)、嘔吐(17.0%、32件)、低マグネシウム血症(14.4%、27件)、低カリウム血症(13.8%、26件)、知覚異常(12.2%、23件)、低カルシウム血症(11.7%、22件)、頭痛(11.2%、21件)、発熱(10.6%、20件)であった。
造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症及び感染症については、副作用発現頻度が明確となる試験を実施していない。
1.重大な副作用:次のような症状が現れた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
1).ショック:本剤の投与中に、発熱・悪寒、発疹等を初発症状とし、戦慄、顔面蒼白、チアノーゼ、呼吸困難等のショック様症状を発現した症例が報告されている。
2).急性腎不全(1〜10%)。
3).心不全(1%未満)、心停止(1%未満)、血栓性静脈炎(1〜10%)。
4).痙攣発作(1〜10%)、テタニー(1%未満)。
5).呼吸抑制(1%未満)。
6).麻痺性イレウス(1%未満)。
7).失語症(1%未満)、痴呆(1%未満)。
8).横紋筋融解症(頻度不明)。
9).敗血症(1〜10%)。
2.その他の副作用:頻度は米国で実施された後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎に対する比較臨床試験成績に基づく。
1).血液:(10%以上)貧血、血中ヘモグロビン減少、顆粒球減少、(1〜10%未満)白血球減少、血小板減少、(1%未満)血栓症、(頻度不明)白血球増多。
2).循環器:(1〜10%未満)高血圧、心電図異常、心悸亢進、浮腫、潮紅、(1%未満)徐脈、期外収縮、低血圧、(頻度不明)心室性不整脈、QT間隔延長。
3).呼吸器:(1%未満)呼吸困難、喉頭炎。
4).過敏症:(1〜10%未満)発疹、そう痒。
5).皮膚:(1〜10%未満)皮膚潰瘍形成、(1%未満)皮膚障害、多汗。
6).腎臓:(10%以上)クレアチニンクリアランス低下、血清クレアチニン上昇等の腎機能異常、(1〜10%未満)尿毒症、排尿困難、尿道障害、多尿、(1%未満)蛋白尿、中毒性ネフロパシー、腎尿細管障害、夜間頻尿、抗利尿ホルモン異常、(頻度不明)腎臓痛、尿崩症。
7).代謝異常:(1〜10%未満)アシドーシス、Al−P上昇、(1%未満)血液量過多、LDH上昇、体重減少、アミラーゼ上昇、CK上昇(CPK上昇)。
8).電解質異常:(10%以上)低マグネシウム血症、低カリウム血症、低カルシウム血症、(1〜10%未満)低リン酸血症、高リン酸血症、低ナトリウム血症、(1%未満)高カルシウム血症[定期的に血清電解質を測定するなど観察を十分に行い、口周囲のヒリヒリ感、四肢のしびれ感、知覚異常等の発現又は電解質異常が認められた場合には適切な処置を行う]。
9).消化器:(10%以上)悪心・嘔吐、(1〜10%未満)下痢、食欲不振、腹痛、便秘、消化不良、味覚倒錯、(1%未満)腸炎、膵炎、鼓腸放屁、口渇、口内乾燥。
10).精神神経系:(10%以上)知覚異常、頭痛、(1〜10%未満)眩暈、不随意筋収縮、無力症、錯乱、知覚減退、神経障害、抑うつ、不安、疲労、倦怠感、精神病、神経過敏、興奮、攻撃性、振戦、運動失調、(1%未満)緊張亢進、ジスキネジー、末梢神経障害、反射亢進、昏迷、協調異常、EEG異常、傾眠、健忘[特に中枢神経系疾患の既往歴のある患者には注意する]。
11).泌尿・生殖器:(頻度不明)局所刺激性による性器刺激、陰茎潰瘍、外陰膣潰瘍[排尿後は洗浄・清拭等により衛生状態に注意する]。
12).肝臓:(1〜10%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ−GTP上昇、A/G比異常。
13).筋肉:(頻度不明)ミオパシー、筋炎、筋脱力、筋肉痛。
14).注射部位:(1〜10%未満)注射部位疼痛、(1%未満)注射部位炎症。
15).その他:(10%以上)発熱、(1〜10%未満)悪寒、感染症、(1%未満)視覚異常、疼痛、網膜剥離、複視、耳鳴、耳痛。
(警告)
1.本剤の投与により腎障害が現れるので、頻回に血清クレアチニン値等の腎機能検査を行い、腎機能に応じた用量調節を行う。
2.本剤は、電解質異常に伴う発作を誘発することがあるので、定期的に血清電解質を測定するなど、観察を十分に行い、慎重に投与する。
(禁忌)
1.本剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.クレアチニンクリアランス値が0.4mL/分/kg未満の患者[腎障害を増悪させることがある]。
3.ペンタミジンイセチオン酸塩投与中の患者。
(慎重投与)
1.腎障害のある患者[腎障害を増悪させることがある]。
2.低カルシウム血症、低マグネシウム血症、低カリウム血症等の電解質異常のある患者[本剤のキレート作用によりカルシウム及びマグネシウムの血清中濃度の低下を更に増強することがあり、また、血清中カリウム濃度を更に低下させることがある]。
3.中枢神経系異常・心機能異常のある患者[本剤による電解質異常により症状を悪化させることがあるので、慎重に観察を行い、血清電解質の補正など適切な処置を行う]。
(重要な基本的注意)
1.本剤の後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎に対する使用に際しては、患者又はそれに代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用する。
1).国内で実施された臨床試験の科学的なデータは少ない。
2).本剤は後天性免疫不全症候群<エイズ>患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎の根治療法薬ではないことから、症状が進行・再発する可能性があるので、定期的に眼科学的検査を受ける必要がある。
3).後天性免疫不全症候群(エイズ)のサイトメガロウイルス網膜炎で、腎障害、電解質異常に伴う発作が現れ重篤な転帰をとることがあるので、口周囲ヒリヒリ感、四肢しびれ、知覚異常等が現れた場合は直ちに担当医に報告する。
2.後天性免疫不全症候群<エイズ>患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎に対しては、本剤の投与により重篤な副作用が報告されていること及び本剤ではサイトメガロウイルス網膜炎を完治できないことを念頭におき、患者の精神面も含めて治療の要否を慎重に考える。
3.本剤は体内の2価陽イオンとキレートを形成し、血清中カルシウム濃度低下、血清中マグネシウム濃度低下を来すとの報告があり、また、血清中カリウム濃度低下を来すことが報告されているので、本剤投与中は、定期的に血清電解質の測定を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う。
4.ショック等の重篤な過敏反応の発現を予測するため、十分な問診を行い、また、ショック等の重篤な過敏反応が現れた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行う。
5.泌尿・生殖器に局所刺激性による泌尿器刺激感・生殖器刺激感、泌尿器潰瘍・生殖器潰瘍が現れることがあるので、排尿後は洗浄・清拭等により衛生状態に注意する。
(相互作用)
1.併用禁忌:ペンタミジンイセチオン酸塩<ベナンバックス>[腎障害の増強、低カルシウム血症が起こることがあり、なお、海外で本剤とペンタミジンイセチオン酸塩静注の併用で重篤な低カルシウム血症が発現し死亡した症例が報告されている(相加的に副作用(腎障害、低カルシウム血症)が増強する)]。
2.併用注意:
1).血清カルシウム濃度に影響を及ぼす薬剤(ループ利尿薬等(フロセミド等))[低カルシウム血症が起こることがある(本剤のキレート作用により、低カルシウム血症を呈しやすくなる)]。
2).腎毒性を有する薬剤(アミノグリコシド系抗生物質(ゲンタマイシン硫酸塩、アミカシン硫酸塩等)、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、バンコマイシン塩酸塩、アムホテリシンB、シクロスポリン、タクロリムス水和物、メトトレキサート、シスプラチン等)[腎障害を増強することがある(相加的に副作用(腎障害)が増強する)]。
(高齢者への投与)
高齢者では、腎機能が低下している場合が多いので、腎機能に注意し、慎重に投与量を設定する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[動物実験(ラット)で胎盤通過性が報告されている]。
2.授乳婦:本剤を投与中の婦人には授乳を避けさせる[授乳中のラット(75mg/kg投与)の乳汁中薬物濃度が母体血中濃度の3倍に達したとの報告がある]。
(小児等への投与)
1.低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
2.動物実験で、本剤の歯あるいは骨への沈着は、成熟動物より幼若・成長期の動物に多いことが報告されており、ヒトでも同様の作用が予想されるので、小児には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。
(過量投与)
1.概要:本剤の過量投与が、米国における188例の後天性免疫不全症候群<エイズ>患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎を対象とした臨床試験において10例報告されている(1例は大発作、昏睡を起こし、呼吸停止、心停止により死亡した症例で、後天性免疫不全症候群<エイズ>患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎を対象とした臨床試験において他の9例はそれぞれ推奨用量の1.14〜8倍(平均4倍)の投与を受け、3例に痙攣発作、3例に腎不全、4例に四肢知覚異常や口周囲知覚異常、5例でカルシウム異常及びリン酸塩異常等の電解質異常が発現した)。
2.処置:本剤の過量投与に対する特異的な解毒剤はない(血液透析あるいは水分補給が考えられるが、有効性についての評価は行われていない;腎障害及び電解質異常に対する対症療法を行う)。
(適用上の注意)
1.投与時:急速静脈内投与しない。
2.配合変化:本剤は配合変化を起こすことが知られているので、希釈液には生理食塩液及び5%ブドウ糖注射液以外は使用しない(また、同一カテーテルを通じて、他剤や補液を同時に投与しない)。
3.開封後:本剤は保存剤が添加されていないので、開封後は24時間以内に使用する。
(その他の注意)
変異原性試験:CHO細胞を用いた染色体異常試験、マウス培養細胞を用いた形質転換試験及びマウスを用いた小核試験で変異原性が認められた。
(取扱い上の注意)
1.貯法:8℃以下では結晶が析出することがあるので、このような場合には微温湯で加温する。
2.注意:誤って薬液が皮膚や目に触れた場合は、局所刺激及び灼熱感が生じることがあるので、このような場合には、流水で洗浄する。
3.配合禁忌:本剤の希釈液には生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液以外は使用しない。
(参考:腎機能に応じた1回投与量調節ガイド)
1.後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎、造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症
1).初期療法:
(1).クレアチニンクリアランス>1.4mL/分/kg:通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日3回(8時間毎)1回投与量60mg/kg、点滴時間2時間以上の場合1日2回(12時間毎)1回投与量90mg/kg。
(2).1.4mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>1mL/分/kg:通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日3回(8時間毎)1回投与量45mg/kg、点滴時間2時間以上の場合1日2回(12時間毎)1回投与量70mg/kg。
(3).1mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>0.8mL/分/kg:通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日3回(8時間毎)1回投与量35mg/kg、点滴時間2時間以上の場合1日2回(12時間毎)1回投与量50mg/kg。
(4).0.8mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>0.6mL/分/kg:通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日2回(12時間毎)1回投与量40mg/kg、点滴時間2時間以上の場合1日1回(24時間毎)1回投与量80mg/kg。
(5).0.6mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>0.5mL/分/kg:通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日2回(12時間毎)1回投与量30mg/kg、点滴時間2時間以上の場合1日1回(24時間毎)1回投与量60mg/kg。
(6).0.5mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス≧0.4mL/分/kg:通常投与量180mg/kg/日;点滴時間1時間以上の場合1日2回(12時間毎)1回投与量25mg/kg、点滴時間2時間以上の場合1日1回(24時間毎)1回投与量50mg/kg。
(7).0.4mL/分/kg>クレアチニンクリアランス:投与しない。
2).維持療法:
(1).クレアチニンクリアランス>1.4mL/分/kg:通常投与量90mg/kg/日、点滴時間2時間以上、1日1回(24時間毎)1回投与量90mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、点滴時間2時間以上、1日1回(24時間毎)1回投与量120mg/kg。
(2).1.4mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>1mL/分/kg:通常投与量90mg/kg/日、点滴時間2時間以上、1日1回(24時間毎)1回投与量70mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、点滴時間2時間以上、1日1回(24時間毎)1回投与量90mg/kg。
(3).1mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>0.8mL/分/kg:通常投与量90mg/kg/日、点滴時間2時間以上、1日1回(24時間毎)1回投与量50mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、点滴時間2時間以上、1日1回(24時間毎)1回投与量65mg/kg。
(4).0.8mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>0.6mL/分/kg:通常投与量90mg/kg/日、点滴時間2時間以上、2日に1回(48時間毎)1回投与量80mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、点滴時間2時間以上、2日に1回(48時間毎)1回投与量105mg/kg。
(5).0.6mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>0.5mL/分/kg:通常投与量90mg/kg/日、点滴時間2時間以上、2日に1回(48時間毎)1回投与量60mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、点滴時間2時間以上、2日に1回(48時間毎)1回投与量80mg/kg。
(6).0.5mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス≧0.4mL/分/kg:通常投与量90mg/kg/日、点滴時間2時間以上、2日に1回(48時間毎)1回投与量50mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、点滴時間2時間以上、2日に1回(48時間毎)1回投与量65mg/kg。
(7).0.4mL/分/kg>クレアチニンクリアランス:投与しない。
2.造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス血症
1).初期療法:
(1).クレアチニンクリアランス>1.4mL/分/kg:通常投与量120mg/kg/日、点滴時間1時間以上、1日2回(12時間毎)1回投与量60mg/kg。
(2).1.4mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>1mL/分/kg:通常投与量120mg/kg/日、点滴時間1時間以上、1日2回(12時間毎)1回投与量45mg/kg。
(3).1mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>0.8mL/分/kg:通常投与量120mg/kg/日、点滴時間1時間以上、1日2回(12時間毎)1回投与量35mg/kg。
(4).0.8mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>0.6mL/分/kg:通常投与量120mg/kg/日、点滴時間1時間以上、1日2回(12時間毎)1回投与量25mg/kg。
(5).0.6mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>0.5mL/分/kg:通常投与量120mg/kg/日、点滴時間1時間以上、1日2回(12時間毎)1回投与量20mg/kg。
(6).0.5mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス≧0.4mL/分/kg:通常投与量120mg/kg/日、点滴時間1時間以上、1日2回(12時間毎)1回投与量15mg/kg。
(7).0.4mL/分/kg>クレアチニンクリアランス:投与しない。
2).維持療法:
(1).クレアチニンクリアランス>1.4mL/分/kg:通常投与量90mg/kg/日、点滴時間2時間以上、1日1回(24時間毎)1回投与量90mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、点滴時間2時間以上、1日1回(24時間毎)1回投与量120mg/kg。
(2).1.4mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>1mL/分/kg:通常投与量90mg/kg/日、点滴時間2時間以上、1日1回(24時間毎)1回投与量70mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、点滴時間2時間以上、1日1回(24時間毎)1回投与量90mg/kg。
(3).1mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>0.8mL/分/kg:通常投与量90mg/kg/日、点滴時間2時間以上、1日1回(24時間毎)1回投与量50mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、点滴時間2時間以上、1日1回(24時間毎)1回投与量65mg/kg。
(4).0.8mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>0.6mL/分/kg:通常投与量90mg/kg/日、点滴時間2時間以上、2日に1回(48時間毎)1回投与量80mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、点滴時間2時間以上、2日に1回(48時間毎)1回投与量105mg/kg。
(5).0.6mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>0.5mL/分/kg:通常投与量90mg/kg/日、点滴時間2時間以上、2日に1回(48時間毎)1回投与量60mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、点滴時間2時間以上、2日に1回(48時間毎)1回投与量80mg/kg。
(6).0.5mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス≧0.4mL/分/kg:通常投与量90mg/kg/日、点滴時間2時間以上、2日に1回(48時間毎)1回投与量50mg/kg;通常投与量120mg/kg/日、点滴時間2時間以上、2日に1回(48時間毎)1回投与量65mg/kg。
(7).0.4mL/分/kg>クレアチニンクリアランス:投与しない。
3.造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎
1).クレアチニンクリアランス>1.4mL/分/kg:通常投与量180mg/kg/日、点滴時間1時間以上、1日3回(8時間毎)1回投与量60mg/kg。
2).1.4mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>1mL/分/kg:通常投与量180mg/kg/日、点滴時間1時間以上、1日3回(8時間毎)1回投与量45mg/kg。
3).1mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>0.8mL/分/kg:通常投与量180mg/kg/日、点滴時間1時間以上、1日3回(8時間毎)1回投与量35mg/kg。
4).0.8mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>0.6mL/分/kg:通常投与量180mg/kg/日、点滴時間1時間以上、1日3回(8時間毎)1回投与量25mg/kg。
5).0.6mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス>0.5mL/分/kg:通常投与量180mg/kg/日、点滴時間1時間以上、1日3回(8時間毎)1回投与量20mg/kg。
6).0.5mL/分/kg≧クレアチニンクリアランス≧0.4mL/分/kg:通常投与量180mg/kg/日、点滴時間1時間以上、1日3回(8時間毎)1回投与量15mg/kg。
7).0.4mL/分/kg>クレアチニンクリアランス:投与しない。
本用量調節ガイドを使用するには、クレアチニンクリアランス実測値(mL/分)を体重(kg)で除すか、血清クレアチニン値(mg/100mL)を用いて次記の計算式により、推定クレアチニンクリアランス値を求める。但し、あくまでも推定値であるので、重症の腎障害症例においては必ずクレアチニンクリアランスを測定する。
[クレアチニンクリアランス計算式]
(男性)クレアチニンクリアランス(mL/分/kg)=(140−年齢)÷(72×血清クレアチニン[mg/100mL])
(女性)クレアチニンクリアランス(mL/分/kg)=(140−年齢)×0.85÷(72×血清クレアチニン[mg/100mL])
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