処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
※キーワードをスペースで区切るとAND検索に、半角の「|」で挟むとOR検索になります
タミフルドライシロップ3%の基本情報
基本情報
インフルエンザウイルスの増殖を抑え、インフルエンザ感染症の治療や予防に用いられる薬
- タミフル
- リレンザ
- イナビル
- ラピアクタ
- A型インフルエンザウイルス感染症
- A型インフルエンザウイルス感染症の予防
- B型インフルエンザウイルス感染症
- B型インフルエンザウイルス感染症の予防
- 〈治療〉成人通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日2回、5日間、用時懸濁して経口投与する
- 小児通常、オセルタミビルとして次の1回用量を1日2回、5日間、用時懸濁して経口投与する
- ただし、1回最高用量はオセルタミビルとして75mgとする
- 幼小児の場合:2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg)
- 新生児、乳児の場合:3mg/kg(ドライシロップ剤として100mg/kg)
- 〈予防〉成人通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、7〜10日間、用時懸濁して経口投与する
- 小児通常、オセルタミビルとして次の1回用量を1日1回、10日間、用時懸濁して経口投与する
- ただし、1回最高用量はオセルタミビルとして75mgとする
- 幼小児の場合:2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg)
- (用法及び用量に関連する注意)7.1. 〈治療〉インフルエンザ様症状の発現から2日以内に投与を開始すること(症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない)
- 7.2. 〈予防〉インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内に投与を開始すること(接触後48時間経過後に投与を開始した場合における有効性を裏付けるデータは得られていない)
- 7.3. 〈予防〉インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は、本剤を連続して服用している期間のみ持続する
- 7.4. 〈効能共通〉成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、次のような投与法を目安とすること(外国人における成績による)〔8.2、9.2.1、16.6.3参照〕
- 1). 〈治療〉成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、次のような投与法を目安とすること;①Ccr>30mL/分:1回75mg1日2回、②10mL/分<Ccr≦30mL/分:1回75mg1日1回、③Ccr≦10mL/分:推奨用量は確立していない[Ccr:クレアチニンクリアランス]
- 2). 〈予防〉成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、次のような投与法を目安とすること;①Ccr>30mL/分:1回75mg1日1回、②10mL/分<Ccr≦30mL/分:1回75mg隔日又は1回30mg1日1回、③Ccr≦10mL/分:推奨用量は確立していない[Ccr:クレアチニンクリアランス]
- (参考)国外では、幼小児における本剤のクリアランス能を考慮し、次に示す体重群別固定用量が用いられている〔16.6.1参照〕
- 1). 体重15kg以下の幼小児:固定用量はオセルタミビルとして1回30mg(治療に用いる場合は1日2回、予防に用いる場合は1日1回)
- 2). 体重15kgを超え23kg以下の幼小児:固定用量はオセルタミビルとして1回45mg(治療に用いる場合は1日2回、予防に用いる場合は1日1回)
- 3). 体重23kgを超え40kg以下の幼小児:固定用量はオセルタミビルとして1回60mg(治療に用いる場合は1日2回、予防に用いる場合は1日1回)
- 4). 体重40kgを超える幼小児:固定用量はオセルタミビルとして1回75mg(治療に用いる場合は1日2回、予防に用いる場合は1日1回)
副作用
注意事項
- 禁止
- 過敏症
- 慎重投与
- 腎機能低下
- 注意
- 糖代謝障害
- 高度腎機能障害
- 細菌感染症
- 腎機能障害
- 腎機能低下
- 腎機能障害を有する小児等
- 投与に際する指示
- 高度腎機能障害
- 細菌感染症
- 腎機能障害
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
- 注意
- 授乳婦
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 乳児
- 幼児・小児
- 高齢者
- 投与に際する指示
- 幼児・小児
- 注意
- 体重15kg以下の幼小児(0歳〜14歳)
- 体重15kgを超え23kg以下の幼小児(0歳〜14歳)
- 高齢者(65歳〜)
- 体重23kgを超え40kg以下の幼小児(0歳〜14歳)
- 体重40kgを超える幼小児(0歳〜14歳)
- 低出生体重児(0日〜27日)
- 2週齢未満の新生児(0日〜13日)
- 腎機能障害を有する小児等(0歳〜14歳)
- 投与に際する指示
- 体重15kg以下の幼小児(0歳〜14歳)
- 体重15kgを超え23kg以下の幼小児(0歳〜14歳)
- 体重23kgを超え40kg以下の幼小児(0歳〜14歳)
- 体重40kgを超える幼小児(0歳〜14歳)
相互作用
- 薬剤名
- 影響
- ワルファリン
- プロトロンビン時間が延長
処方理由
この薬をファーストチョイスする理由(2020年12月更新)
・内服薬である点が一番です。作用部位から考えるとリレンザやイナビルといった吸入薬が良いとは思うのですが、うまく吸入できない患者さんも多く、内服薬が便利です。ゾフルーザは作用機序はたいへん興味がありますが、耐性の問題からなかなかファーストチョイスにはなりにくいのではないでしょうか。(60歳代病院勤務医、一般内科)
・古い薬で安全性が確立しており、しかもジェネリックがあるので断然安いです。医療費のことを考えてもまずはタミフルのジェネリックが第一選択でしょう。それ以外の薬は何らかの理由で(経口摂取が困難等)タミフルが投与できないケースでやむを得ず使用する、というスタンスだと思います。(40歳代開業医、皮膚科)
・AにもBにもまあまあ効く感じ。子どもで内服を1回失敗しても、あと9回飲めていればリカバーできる点もよい。ザナミビルは、ある程度年齢が上がらないとうまくできず、結局一番投与しやすい経路で年齢も選ばないオセルタミビルを選んでしまう。(40歳代病院勤務医、小児科)
・院内処方をしているので吸入薬は吸入指導が面倒。「これ飲んどきなさい」とタミフルを処方する。ゾフルーザも便利だったが耐性の問題が出て以来、返品して使わないようにしている。(60歳代開業医、小児科)
・長く使用しており慣れていること、耐性ウイルスは一定割合で遭遇するがゾフルーザのように投与によって多数誘導されたという報告はないこと。(50歳代診療所勤務医、一般内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2018年12月更新)
・薬価が安いし、処方経験、副作用報告、耐性ウイルスの情報が豊富であること。そもそもインフルエンザと診断した全ての患者に抗インフルエンザ薬を処方する必要がないが、それでも処方するのであれば、処方歴が豊富で安いものを使用すべき。ゾフルーザをファーストチョイスで使うようなことは避けるべきと考えている。(30歳代病院勤務医、循環器内科)
・出勤や登校停止期間と内服期間が同一になるので患者に説明しやすい。発売からの期間が長い。(30歳代診療所勤務医、総合診療科)
・内服薬であり使い慣れている。ジェネリックの発売開始や予防内服使用可能な点もメリット。(60歳代病院勤務医、一般内科)
・飲み薬なので吸入よりも確実。5日間内服させることにより治療中であるという意識が生まれ、解熱後早期に活動開始してしまい感染を拡大させることを予防できる。(30歳代病院勤務医、内科系診療科)
・高齢者が多いので、吸入薬よりも確実に内服できるかどうかで判断します。ゾフルーザが販売されたので今後はゾフルーザが第一選択になるかもしれません。(50歳代診療所勤務医、総合診療科)
・初めに使い始めた抗インフル薬で今まで特に問題なく使用している。市販後調査に参加して安全性の高い薬と認識している。私は産婦人科医のため、成人の女性、特に妊婦に処方することが多く、胎児毒性、催奇形性が心配なので、使い慣れた薬以外はあまり使いません。(50歳代病院勤務医、産科・婦人科)
この薬をファーストチョイスする理由(2016年6月更新)
・リレンザの方が優れると思うが、患者に実演を見せてもうまく吸入できない人が実臨床上はかなり多いと感じる。オセルタミビル内服にせざるを得ない人がいるために、オセルタミビルの処方の方がザナミビルの処方を少し上回る。(50歳代病院勤務医、一般内科)
・患者さんもよく知っていて処方しやすい。他の薬剤は説明に時間がかかる。(60歳代病院勤務医、脳神経外科)
・集団生活において、予防投与が効果がある場合が多い。ただB型が流行した際にはオセルタミビルでは治療も予防も効果が不十分で、ザナミビルに切り替えた経験はある。(40歳代病院勤務医、小児科)
・処方薬の選択は患者に任せている。吸入よりも内服を希望する場合が比較的多いためタミフルをよく処方するが、吸入を希望する倍はイナビルを処方している。(30歳代病院勤務医、内科系専門科)
・効果だけであればラピアクタの方が高いと思う(今春当地で流行したB型ではタミフルは余り効果が無いと感じた)。しかし点滴静注はなかなか外来では使いにくい。(50歳代病院勤務医、一般内科)
・診療の際、内服か吸入か患者さんに尋ねるのですが、たいてい内服薬を選ばれるので、タミフルをよく使っています。吸入薬はやはり難しいのだと思っています。B型インフルエンザの時、患者さんが若い(20歳未満)時は、それでもイナビルを勧めています。(40歳代診療所勤務医、循環器内科)
この薬をファーストチョイスする理由(2014年12月更新)
・吸入薬と違い、失敗がない、服薬指導も不要。高熱で「ぼけ〜っ」とした方に複雑な吸入指導は無理。(50歳代開業医、一般内科)
・飲み薬は吸入ができない人にも可能ですし、幅広い年齢層に使用できます。吸入は20才以下で吸入可能な方に、その中では1回で治療を終えることができるイナビルを選択する機会が多くなっています。ラピアクタは超高齢者、肺炎リスクの高い人、経口摂取が難しい人に限定的に使用しています。(50歳代診療所勤務医、総合診療科)
・まずは使い慣れている点。次にタミフル耐性菌でも臨床的にはタミフルが奏効するというデータを聞いたため。(30歳代病院勤務医、総合診療科)
・内服で薬効が期待できる。リレンザは吸入のため患者個人の吸入手技の得手不得手が関与する。点滴まで使用したことはない。(30歳代病院勤務医、循環器内科)
・小さな小児では一番コンプライアンスがいいので。(50歳代病院勤務医、小児科)
添付文書
A型インフルエンザウイルス感染症又はB型インフルエンザウイルス感染症及びA型インフルエンザウイルス感染症又はB型インフルエンザウイルス感染症の予防。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈治療〉A型又はB型インフルエンザウイルス感染症と診断された患者のみが対象となるが、抗ウイルス薬の投与がA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の全ての患者に対しては必須ではないことを踏まえ、患者の状態を十分観察した上で、本剤の使用の必要性を慎重に検討し、特に、幼児及び高齢者に比べて、その他の年代ではインフルエンザによる死亡率が低いことを考慮すること〔1.1参照〕。
5.2. 〈予防〉原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である1)高齢者(65歳以上)、2)慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者、3)代謝性疾患患者(糖尿病等)、4)腎機能障害患者を対象とする〔1.1、7.4参照〕。
5.3. 〈効能共通〉本剤はA型又はB型インフルエンザウイルス感染症以外の感染症には効果がない〔1.1参照〕。
5.4. 〈効能共通〉本剤は細菌感染症には効果がない〔1.1、8.4参照〕。
〈治療〉
成人
通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日2回、5日間、用時懸濁して経口投与する。
小児
通常、オセルタミビルとして次の1回用量を1日2回、5日間、用時懸濁して経口投与する。ただし、1回最高用量はオセルタミビルとして75mgとする。
幼小児の場合:2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg)。
新生児、乳児の場合:3mg/kg(ドライシロップ剤として100mg/kg)。
〈予防〉
成人
通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、7〜10日間、用時懸濁して経口投与する。
小児
通常、オセルタミビルとして次の1回用量を1日1回、10日間、用時懸濁して経口投与する。ただし、1回最高用量はオセルタミビルとして75mgとする。
幼小児の場合:2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg)。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈治療〉インフルエンザ様症状の発現から2日以内に投与を開始すること(症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない)。
7.2. 〈予防〉インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内に投与を開始すること(接触後48時間経過後に投与を開始した場合における有効性を裏付けるデータは得られていない)。
7.3. 〈予防〉インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は、本剤を連続して服用している期間のみ持続する。
7.4. 〈効能共通〉成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、次のような投与法を目安とすること(外国人における成績による)〔8.2、9.2.1、16.6.3参照〕。
1). 〈治療〉成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、次のような投与法を目安とすること;①Ccr>30mL/分:1回75mg1日2回、②10mL/分<Ccr≦30mL/分:1回75mg1日1回、③Ccr≦10mL/分:推奨用量は確立していない[Ccr:クレアチニンクリアランス]。
2). 〈予防〉成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、次のような投与法を目安とすること;①Ccr>30mL/分:1回75mg1日1回、②10mL/分<Ccr≦30mL/分:1回75mg隔日又は1回30mg1日1回、③Ccr≦10mL/分:推奨用量は確立していない[Ccr:クレアチニンクリアランス]。
(参考)国外では、幼小児における本剤のクリアランス能を考慮し、次に示す体重群別固定用量が用いられている〔16.6.1参照〕。
1). 体重15kg以下の幼小児:固定用量はオセルタミビルとして1回30mg(治療に用いる場合は1日2回、予防に用いる場合は1日1回)。
2). 体重15kgを超え23kg以下の幼小児:固定用量はオセルタミビルとして1回45mg(治療に用いる場合は1日2回、予防に用いる場合は1日1回)。
3). 体重23kgを超え40kg以下の幼小児:固定用量はオセルタミビルとして1回60mg(治療に用いる場合は1日2回、予防に用いる場合は1日1回)。
4). 体重40kgを超える幼小児:固定用量はオセルタミビルとして1回75mg(治療に用いる場合は1日2回、予防に用いる場合は1日1回)。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(頻度不明):蕁麻疹、顔面浮腫・喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2. 肺炎(頻度不明):異常が認められた場合にはX線等の検査により原因(薬剤性、感染性等)を鑑別し、適切な処置を行うこと。
11.1.3. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明):重篤な肝炎、著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいγ−GTP上昇、著しいAl−P上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.4. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)。
11.1.5. 急性腎障害(頻度不明)。
11.1.6. 白血球減少、血小板減少(頻度不明)。
11.1.7. 精神・神経症状、異常行動(頻度不明):精神・神経症状(意識障害、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等)があらわれることがあり、因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれることがある〔8.1参照〕。
11.1.8. 出血性大腸炎、虚血性大腸炎(頻度不明):血便、血性下痢等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(0.1%以上*)発疹(0.8%)、紅斑(多形紅斑を含む)、(0.1%未満*)蕁麻疹、皮膚そう痒症、(頻度不明)※皮下出血。
2). 消化器:(0.1%以上*)下痢(2.8%)、嘔吐(2.0%)、腹痛、悪心、(0.1%未満*)口内炎(潰瘍性口内炎を含む)、便異常、(頻度不明)口唇炎、※血便、※メレナ、※吐血、消化性潰瘍、腹部膨満、口腔内不快感、食欲不振。
3). 精神神経系:(0.1%未満*)激越、嗜眠、傾眠、振戦、(頻度不明)めまい、頭痛、不眠症、感覚鈍麻、悪夢。
4). 循環器:(頻度不明)上室性頻脈、心室性期外収縮、心電図異常(ST上昇)、動悸。
5). 肝臓:(0.1%以上*)ALT増加、AST増加、(頻度不明)γ−GTP増加、Al−P増加。
6). 腎臓:(頻度不明)※血尿、蛋白尿。
7). 血液:(頻度不明)好酸球数増加。
8). 呼吸器:(0.1%以上*)※鼻出血、気管支炎、(頻度不明)咳嗽。
9). 眼:(0.1%未満*)結膜炎、(頻度不明)視覚障害(視野欠損、視力低下)、霧視、複視、眼痛。
10). その他:(0.1%以上*)低体温(0.8%)、(0.1%未満*)発熱、(頻度不明)疲労、※不正子宮出血、耳障害(耳灼熱感、耳痛等)、浮腫、血中ブドウ糖増加、背部痛、胸痛。
*)発現頻度は承認時までの臨床試験及び製造販売後調査の結果をあわせて算出した。
※)〔8.3参照〕。
(警告)
1.1. 本剤の使用にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること〔5.1−5.4参照〕。
1.2. インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤の予防使用はワクチンによる予防に置き換わるものではない。
(禁忌)
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある者。
(重要な基本的注意)
8.1. 抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されている。異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、①異常行動の発現のおそれがあること、②自宅において療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること、について患者・家族に対し説明を行うこと。なお、転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いこと、が知られている〔11.1.7参照〕。
8.2. 本剤は腎排泄型の薬剤であり、腎機能低下している場合には血漿中濃度が高くなるおそれがあるので、本剤の投与に際しては、クレアチニンクリアランス値に応じた用法及び用量に関連する注意に基づいて、状態を観察しながら慎重に投与すること〔7.4、9.2.1、16.6.3参照〕。
8.3. 出血があらわれることがあるので、患者及びその家族に対して、血便、吐血、不正子宮出血等の出血症状があらわれた場合には医師に連絡するよう説明すること〔11.1.8、11.2参照〕。
8.4. 細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがあるので、細菌感染症の場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと〔5.4参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(腎機能障害患者)
9.2.1. 高度腎機能障害患者:腎機能の低下に応じて用法及び用量を調節すること(血漿中濃度が増加する)〔7.4、8.2、16.6.3参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)で胎盤通過性が報告されている)〔16.3.1参照〕。
(授乳婦)
治療の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中へ移行することが報告されている)。
(小児等)
副作用の発現に十分注意すること(低出生体重児又は2週齢未満の新生児、腎機能障害を有する小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない)〔15.2.1、15.2.2参照〕。
(高齢者)
状態を観察しながら投与すること。一般に高齢者では、生理機能(腎機能、肝機能等)の低下や、種々の基礎疾患を有することが多い。国外で実施されたカプセル剤による臨床試験成績では、副作用の頻度及び種類は非高齢者との間に差は認められていない〔16.6.2参照〕。
(相互作用)
10.2. 併用注意:
ワルファリン[併用後にプロトロンビン時間が延長した報告があるので、併用する場合には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること(機序は不明である)]。
(過量投与)
13.1. 症状
過量投与時、嘔吐、傾眠、浮動性めまい等が発現することがある。
(その他の注意)
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 国内で実施されたカプセル剤による第3相予防試験において、糖尿病が増悪したとの報告が1例ある。また、国外で実施されたカプセル剤による第3相予防試験では、糖代謝障害を有する被験者で糖尿病悪化又は高血糖が7例にみられた(外国人データ)。非臨床試験においては、臨床用量の100倍までの用量において糖代謝阻害は認められていない。
15.1.2. 国外で実施されたカプセル剤による慢性心疾患患者及び慢性呼吸器疾患患者を対象とした第3相治療試験において、インフルエンザ罹病期間に対する有効性ではプラセボに対し有意な差はみられていない。しかし、本剤投与によりウイルス放出期間を有意に短縮し、その結果、発熱、筋肉痛/関節痛又は悪寒/発汗の回復期間が有意に短縮した(外国人データ)。
15.1.3. 国外で実施されたドライシロップ剤による慢性喘息合併小児を対象とした第3相治療試験において、有効性を検証するには至っていない。一方、安全性において特に大きな問題はみられていない(外国人データ)。
15.1.4. シーズン中に重複してインフルエンザに罹患した患者に本剤を繰り返して使用した経験はない。
15.1.5. 国外ではドライシロップ剤及びカプセル剤による免疫低下者の予防試験において、12週間の投与経験がある(外国人データ)。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. 幼若ラットの単回経口投与毒性試験において、オセルタミビルリン酸塩を394、657、788、920、1117、1314mg/kgの用量で単回経口投与した時、7日齢ラットでは薬物に関連した死亡が657mg/kg以上で認められた。しかし、394mg/kgを投与した7日齢ラット及び1314mg/kgを投与した成熟ラット(42日齢)では死亡は認められなかった〔9.7小児等の項参照〕。
15.2.2. 幼若ラットの単回経口投与トキシコキネティクス試験において、毒性が認められなかった用量におけるオセルタミビルの脳/血漿中AUC比は、7日齢ラットで0.31(394mg/kg)、成熟ラット(42日齢)で0.22(1314mg/kg)であった〔9.7小児等の項参照〕。
(取扱い上の注意)
20.1. 使用期限内であっても開栓後はなるべく速やかに使用すること。
20.2. 吸湿性があるので、開栓後は密栓し、湿気を避けて保存すること。
20.3. 開栓後4週間以上保存する場合は、冷蔵庫又は冷所(10℃以下)で保存すること。なお使用時は、結露を避けて開栓すること。
(保険給付上の注意)
本剤は「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の発症後の治療」の目的で使用した場合にのみ保険給付される。
(保管上の注意)
室温保存。
処方薬事典は、日経メディカル Onlineが配信する医療・医薬関係者向けのコンテンツです。一般の方もご覧いただけますが、内容に関するご質問にはお答えできません。服用中の医薬品についてはかかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。