処方薬事典データ協力:株式会社メドレー
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無水エタノール注「ファイザー」の基本情報
基本情報
- 肝細胞癌の経皮的エタノール注入療法
- 腫瘍病変毎に対して、総注入量は腫瘍体積により決定する
- 患者当たり1日注入量は最大10mL以内を原則とする
- 総注入量が1日最大注入量を超える場合、数日に分けて治療を行うが、週2回の注入手技を限度とする
副作用
注意事項
- 禁止
- エタノールに対し過敏症
- 原則禁止
- 重篤な肝障害
- 総ビリルビン値が3mg/dL以上
- 管理困難な腹水
- 重篤な出血傾向
- 注意
- アルコール代謝能の低い
- 希望禁止
- 妊婦・産婦
相互作用
処方理由
添付文書
肝細胞癌における経皮的エタノール注入療法。
腫瘍病変毎に対して、総注入量は腫瘍体積により決定する。患者当たり1日注入量は最大10mL以内を原則とする。総注入量が1日最大注入量を超える場合、数日に分けて治療を行うが、週2回の注入手技を限度とする。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.1日注入量が10mLを超える場合の安全性は確立されていないので、それ以上の注入量が必要な際は、慎重に注入する。
2.総注入量は、4/3π(r+0.5)3乗mL(r+0.5:腫瘍の最大径の半分+安全域cm)の計算式を目安として求める。
本剤は承認時までに副作用発現頻度が明確となる試験を実施していない。使用成績調査で99例中69例(69.7%)218件に副作用が認められている。主な副作用としては、AST上昇47例(47.5%)、ALT上昇44例(44.4%)、LDH上昇23例(23.2%)、腹部疼痛29例(29.3%)、発熱24例(24.2%)であった(再審査終了時)。
1.重大な副作用
1).ショック(頻度不明):ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2).心筋梗塞(頻度不明):心筋梗塞を起こすことがあるので、観察を十分に行い、症状が現れた場合は適切に処置する。
2.その他の副作用:次のような副作用が認められた場合は必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行う。
1).循環器:(頻度不明)血圧上昇、血圧低下。
2).肝臓:(1%以上)AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、Al−P上昇、総ビリルビン上昇、ChE低下、(頻度不明)γ−GTP上昇、直接ビリルビン上昇、ウロビリノーゲン陽性、HPT値減少、ICGR15増加。
3).呼吸器:(頻度不明)咳嗽。
4).血液:(1%以上)白血球増加、赤血球減少、血小板減少、(頻度不明)白血球減少、ヘマトクリット低下、血液凝固第8因子低下。
5).消化器:(1%以上)嘔気、食欲不振、嘔吐、(頻度不明)下痢、出血性十二指腸潰瘍。
6).代謝:(1%以上)アルブミン低下、血清総蛋白低下、(頻度不明)尿酸上昇、血糖上昇、血糖低下、尿蛋白陽性、尿糖陽性、血清総蛋白上昇、総コレステロール低下。
7).皮膚:(頻度不明)発疹、皮膚そう痒感。
8).その他:(1%以上)腹部疼痛、発熱、CRP上昇、倦怠感、酩酊感、(頻度不明)灼熱感。
承認時に提出された文献で認められた副作用については頻度不明とした。
(警告)
経皮的エタノール注入療法は、緊急時に十分処置できる医療施設及び経皮的エタノール注入療法に十分な経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施する。
(禁忌)
エタノールに対し過敏症の既往歴のある患者。
(原則禁忌)
1.総ビリルビン値が3mg/dL以上の患者又は管理困難な腹水を有する等、重篤な肝障害を有する患者[肝不全を起こす可能性がある]。
2.重篤な出血傾向を有する患者[重篤な出血を起こす可能性がある]。
(重要な基本的注意)
1.腫瘍の全体像が超音波で描出できない場合又は安全な穿刺ルートを確保できない場合には経皮的エタノール注入療法を施行しない。
2.経皮的エタノール注入療法単独による治療は、最大腫瘍径3cm以内の病変を原則とし、3cmを超える病変に対して治療を行う場合には、他の治療法との併用を考慮するなど、慎重に実施する。
3.腫瘍細胞が一部残存する恐れがあるので、CT等で確認する。
4.経皮的エタノール注入療法に伴う次の合併症が報告されているため、十分注意を払い実施する。
1).重篤な合併症
(1).肝癌破裂:肝表面から突出している腫瘍に対するエタノールの注入により、肝癌破裂が起こる可能性があるので、注入方法、適応に関して十分に考慮し、異常が認められた場合には適切に処置する[十分注意を払い実施する]。
(2).肝梗塞:肝梗塞を起こすことがあるので、観察を十分に行い、症状が現れた場合は適切に処置する[十分注意を払い実施する]。
(3).肝不全:肝不全を起こすことがあるので、観察を十分に行い、症状が現れた場合は適切に処置する[十分注意を払い実施する]。
2).その他の合併症
(1).肝臓:(症状)肝内胆汁性嚢胞、肝被膜下血腫、門脈内血栓、肝静脈閉塞、閉塞性黄疸、肝外A−Vシャント形成、肝膿瘍[十分注意を払い実施する]。
(2).胆嚢、胆管:(症状)胆管気管支瘻、胆管損傷、胆嚢炎、胆管内出血、胆道出血[十分注意を払い実施する]。
(3).呼吸器:(症状)気胸、胸水発現、血胸、胸腔内出血、呼吸困難[十分注意を払い実施する]。
(4).精神神経系:(症状)迷走神経反射[十分注意を払い実施する]。
(5).その他:(症状)炎症波及、穿刺部疼痛、腹腔内播種、腹膜炎、腹壁播種、リンパ節転移、転移<穿刺ルート>、心窩部痛、右季肋部痛、右肩痛、腹水発現、皮下出血、腹腔内出血[十分注意を払い実施する]。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。
2.授乳婦に投与する場合には授乳を中止させる。
(小児等への投与)
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
(適用上の注意)
1.投与経路:経皮的エタノール注入療法<腫瘍内注入>のみに使用し、その他の投与経路(血管内、脊髄腔内、皮下、筋肉内等)での投与を行わない。
2.アンプルカット時:本剤はワンポイントアンプルであるが、異物混入を避けるため、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭したのちカットすることが望ましい。
3.使用時:眼に入らないよう注意する(眼に入った場合は直ちによく水洗する)。
(その他の注意)
1.無水エタノールは外用には刺激が強く、殺菌力が劣ることが知られているので外用には使用しない。
2.本剤は引火性、爆発性があるため、火気(電気メス使用等を含む)には十分に注意する。
3.エタノール蒸気に大量に又は繰り返しさらされた場合、粘膜への刺激、頭痛等を起こすことがあるので、蒸気の吸入に注意する。
4.本剤に局所麻酔剤を加えて使用する場合、腫瘍壊死効果が確認されているエタノール濃度(90%以上)で使用する。
5.アルコール代謝能の低い患者では、全身状態の変化に十分注意する。
(取扱い上の注意)
使用期限内であっても、開封後はなるべく速やかに使用する。
(保管上の注意)
遮光して、火気を避けて保存。
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