日経メディカル処方薬事典データ協力:株式会社メドレー

ヴォトリエント錠200mg基本情報

先発品(後発品なし)

一般名:パゾパニブ塩酸塩錠

製薬会社:ノバルティス ファーマ

薬価・規格: 4142.3円(200mg1錠) 薬価を比較する

添付文書(PDF)

基本情報

薬効分類

分子標的薬(キナーゼ阻害薬)詳しく見る

  • がん細胞が増殖する際のシグナル伝達に必要なキナーゼ(酵素)を阻害し抗腫瘍作用をあらわす薬
分子標的薬(キナーゼ阻害薬)の代表的な商品名
  • ネクサバール
  • スーテント
  • インライタ
  • ヴォトリエント
  • スチバーガ

効能・効果詳しく見る

  • 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
  • 悪性軟部腫瘍

注意すべき副作用詳しく見る

下痢疲労悪心高血圧毛髪変色食欲減退体重減少味覚異常嘔吐肝機能障害

用法・用量(主なもの)詳しく見る

  • パゾパニブとして1日1回800mgを食事の1時間以上前又は食後2時間以降に経口投与する
    • なお、患者の状態により適宜減量する

禁忌・原則禁忌

  • 病気や症状に応じた注意事項
    • 過敏症
  • 患者の属性に応じた注意事項
    • 妊婦・産婦

副作用

主な副作用

下痢疲労悪心毛髪変色食欲減退体重減少味覚異常嘔吐手掌・足底発赤知覚不全症候群頭痛発声障害

重大な副作用

高血圧肝機能障害AST上昇ALT上昇ビリルビン上昇γ−GTP上昇出血甲状腺機能障害蛋白尿重篤な感染症高血圧クリーゼ心機能障害うっ血性心不全左室駆出率低下QT間隔延長心室性不整脈Torsade de Pointes動脈血栓性事象心筋梗塞狭心症虚血性脳卒中一過性脳虚血発作心筋虚血静脈血栓性事象静脈血栓症肺塞栓症脳出血喀血消化管出血血尿肺出血鼻出血消化管瘻ネフローゼ症候群創傷治癒遅延間質性肺炎血栓性微小血管症血栓性血小板減少性紫斑病血小板減少溶血性尿毒症症候群破砕赤血球貧血腎機能障害膵炎網膜剥離飛蚊症光視症視野欠損視力低下肝不全管理できない重症高血圧腫瘍関連出血消化管穿孔可逆性後白質脳症症候群RPLS覚醒低下精神機能変化皮質盲視力消失

上記以外の副作用

腹痛消化不良口内炎便秘発疹脱毛症皮膚色素減少皮膚乾燥筋骨格痛血小板減少症好中球減少症白血球減少症粘膜炎無力症高カリウム血症高血糖浮動性眩暈末梢性ニューロパチー不眠症傾眠徐脈<無症候性>呼吸困難咳嗽気胸口内乾燥腹部膨満口腔咽頭痛胃炎しゃっくり痔核嚥下障害鼓腸剥脱性発疹皮膚そう痒症皮膚障害爪障害ざ瘡皮膚潰瘍毛髪成長異常筋肉痛関節痛筋痙縮リンパ球減少症赤血球増加症血中クレアチニン増加リパーゼ増加血中アルカリホスファターゼ増加LDH異常血中ナトリウム減少血中カルシウム減少血中マグネシウム減少血中尿素増加血中リン減少血中ブドウ糖減少血中アルブミン減少末梢性浮腫浮腫顔面浮腫胸痛霧視ほてり発熱多汗症脱水腫瘍疼痛悪寒挫傷不規則月経

注意事項

病気や症状に応じた注意事項

  • 禁止
    • 過敏症
  • 慎重投与
    • 血栓塞栓症
    • 高血圧
    • 肺転移
    • QT間隔延長
    • 重度腎機能障害
    • 脳転移
    • 外科的処置後創傷が治癒していない
    • 中等度以上の肝機能障害
    • QT間隔を延長させる可能性のある薬剤投与中
    • アントラサイクリン系薬剤による治療歴
    • 抗不整脈薬投与中
    • 心機能障害のリスク因子を有する
    • 心毒性を有する薬剤による治療歴
    • 放射線治療による治療歴
  • 注意
    • 化学療法未治療
    • 外科的処置が予定
    • 中等度以上の肝機能障害
  • 投与に際する指示
    • 外科的処置が予定
    • 中等度以上の肝機能障害

患者の属性に応じた注意事項

  • 禁止
    • 妊婦・産婦
  • 注意
    • 高齢者

年齢や性別に応じた注意事項

  • 注意
    • 高齢者(65歳〜)

相互作用

薬剤との相互作用

薬剤名 影響
抗不整脈剤 QT間隔延長
QTを延長する薬剤 QT間隔延長
抗不整脈剤 心室性不整脈
QTを延長する薬剤 心室性不整脈
プロトンポンプ阻害剤 本剤のAUC及びCmaxがそれぞれ約40%及び42%低下
エソメプラゾール 本剤のAUC及びCmaxがそれぞれ約40%及び42%低下
薬物代謝酵素<CYP3A4>を阻害する薬剤 本剤のAUC及びCmaxはそれぞれ約66%及び45%増加
ケトコナゾール 本剤のAUC及びCmaxはそれぞれ約66%及び45%増加
肝薬物代謝酵素<CYP3A4>を誘導する薬剤 本剤のAUC及びCmaxはそれぞれ約54%及び35%低下
カルバマゼピン 本剤のAUC及びCmaxはそれぞれ約54%及び35%低下
フェニトイン 本剤のAUC及びCmaxはそれぞれ約54%及び35%低下
肝薬物代謝酵素<CYP3A4>を誘導する薬剤 本剤の有効性が減弱
カルバマゼピン 本剤の有効性が減弱
フェニトイン 本剤の有効性が減弱
パクリタキセル AUC及びCmaxをそれぞれ約26%及び31%増加
ラパチニブ 本剤のAUC及びCmaxはそれぞれ約59%及び51%増加
シンバスタチン ALT<GPT>が上昇

飲食物との相互作用

  • グレープフルーツジュース

処方理由

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    添付文書

    効果・効能(添付文書全文)

    1.悪性軟部腫瘍。
    2.根治切除不能又は転移性の腎細胞癌。
    <効能又は効果に関連する使用上の注意>
    1.悪性軟部腫瘍:
    1).悪性軟部腫瘍の場合、本剤の化学療法未治療例における有効性及び安全性は確立していない。
    2).悪性軟部腫瘍の場合、臨床試験に組み入れられた患者の病理組織型等について、添付文書の【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行う。
    2.根治切除不能又は転移性の腎細胞癌:本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。

    用法・用量(添付文書全文)

    パゾパニブとして1日1回800mgを食事の1時間以上前又は食後2時間以降に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
    <用法及び用量に関連する使用上の注意>
    1.他の抗悪性腫瘍剤(サイトカイン製剤を含む)との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
    2.食後に本剤を投与した場合、Cmax上昇及びAUC上昇するとの報告がある。食事の影響を避けるため、用法及び用量を遵守して服用する。
    3.副作用の発現により用量を減量して投与を継続する場合は、症状、重症度等に応じて、200mgずつ減量し、また、本剤を減量後に増量する場合は、200mgずつ増量する(但し、800mgを超えない)。
    4.臨床試験において、中等度肝機能障害を有する患者に対する最大耐用量は200mgであることが確認されており、中等度以上の肝機能障害を有する患者に対して本剤200mgを超える用量の投与は、最大耐用量を超えるため推奨されない(中等度以上の肝機能障害を有する患者に対しては減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意する)。
    5.本剤を服用中に肝機能検査値異常が発現した場合は、次の基準を考慮して、休薬、減量又は中止する。
    <肝機能検査値異常に対する休薬、減量及び中止基準>
    1).3.0×ULN≦ALT≦8.0×ULN:投与継続(Grade1以下あるいは投与前値に回復するまで1週間毎に肝機能検査を実施)。
    2).ALT>8.0×ULN:Grade1以下あるいは投与前値に回復するまで投与を中断し、投与を再開する場合は、400mgの投与とする。再開後、肝機能検査値異常[ALT>3.0×ULN]が再発した場合は、投与を中止する。
    3).ALT>3.0×ULNかつ総ビリルビン>2.0×ULN(ALT>3.0×ULNかつ直接ビリルビン>35%):投与中止(Grade1以下あるいは投与前値に回復するまで経過を観察)。
    GradeはNCI CTCAEによる。
    ULN:基準値上限。

    副作用(添付文書全文)簡潔に見る

    悪性軟部腫瘍患者を対象とした国際共同第3相試験において、本剤を投与された240例中(日本人31例を含む)219例(91.3%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、下痢130例(54.2%)、疲労126例(52.5%)、悪心116例(48.3%)、高血圧94例(39.2%)、毛髪変色93例(38.8%)、食欲減退82例(34.2%)、体重減少73例(30.4%)、味覚異常65例(27.1%)、嘔吐61例(25.4%)であった(承認時)。
    腎細胞癌患者を対象とした国際共同第3相試験及び海外第3相試験において、本剤を投与された844例中(日本人29例を含む)795例(94.2%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、下痢451例(53.4%)、高血圧361例(42.8%)、疲労324例(38.4%)、肝機能障害296例(35.1%)、悪心286例(33.9%)、毛髪変色278例(32.9%)、食欲減退244例(28.9%)、味覚異常184例(21.8%)、嘔吐181例(21.4%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群175例(20.7%)であった(承認時)。
    次に示す副作用の頻度については、悪性軟部腫瘍患者を対象とした国際共同第3相試験並びに腎細胞癌患者を対象とした国際共同第3相試験及び海外第3相試験の結果をあわせて算出した。なお、これらの臨床試験以外から報告された副作用については頻度不明とした。
    1.重大な副作用
    1).肝不全(頻度不明)、肝機能障害(28.4%):肝不全、AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇及びγ−GTP上昇等を伴う肝機能障害が現れることがあり、死亡に至る例が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は休薬し、適切な処置を行う。
    2).高血圧(42.0%)、高血圧クリーゼ(0.6%):高血圧が現れることがあるので、本剤の投与期間中は血圧を十分観察し、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。なお、管理できない重症高血圧が認められた場合には休薬する。また、高血圧クリーゼが現れることがあるので、血圧の推移等に十分注意して投与し、高血圧クリーゼが現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
    3).心機能障害(2.8%):うっ血性心不全及び左室駆出率低下等の心機能障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は休薬等、適切な処置を行う。
    4).QT間隔延長(0.6%)、心室性不整脈(Torsade de Pointesを含む)(0.1%):QT間隔延長、心室性不整脈(Torsade de Pointesを含む)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
    5).動脈血栓性事象(1.8%):心筋梗塞、狭心症、虚血性脳卒中、一過性脳虚血発作、心筋虚血等の動脈血栓性事象が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
    6).静脈血栓性事象(1.1%):静脈血栓症及び肺塞栓症が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
    7).出血(13.2%):腫瘍関連出血を含む、脳出血(0.5%)、喀血(1.3%)、消化管出血(4.1%)、血尿(1.8%)、肺出血(0.1%)、鼻出血(4.9%)等の出血が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
    8).消化管穿孔(頻度不明)、消化管瘻(0.5%):消化管穿孔、消化管瘻が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
    9).甲状腺機能障害(12.6%):甲状腺機能障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
    10).ネフローゼ症候群(0.1%)、蛋白尿(12.5%):ネフローゼ症候群、蛋白尿が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等適切な処置を行う。
    11).感染症(8.6%):好中球減少の有無にかかわらず重篤な感染症が現れることがあり、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
    12).創傷治癒遅延(0.4%):創傷治癒遅延が現れることがあるので、創傷治癒遅延が現れた場合には、創傷が治癒するまで本剤の投与を中止する。
    13).間質性肺炎(0.1%):間質性肺炎が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
    14).血栓性微小血管症(0.1%):血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群等の血栓性微小血管症が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、破砕赤血球を伴う貧血、血小板減少、腎機能障害等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
    15).可逆性後白質脳症症候群(頻度不明):可逆性後白質脳症症候群(RPLS)が現れることがあるので、RPLSに一致する徴候や症状[高血圧(伴わない例もある)、頭痛、覚醒低下、精神機能変化、及び皮質盲を含めた視力消失など]が認められた場合は、本剤の投与を中止し、高血圧管理を含め、適切な処置を行う。
    16).膵炎(3.8%):膵炎が現れることがあるので、観察を十分に行い、膵炎を示唆する症状が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
    17).網膜剥離(0.1%):網膜剥離が現れることがあるので、観察を十分に行い、飛蚊症、光視症、視野欠損、視力低下等が認められた場合には、眼科検査を実施し、投与を中止する等適切な処置を行う。
    2.その他の副作用
    1).代謝:(30%以上)食欲減退、(5〜30%未満)体重減少、(5%未満)高カリウム血症、高血糖。
    2).神経系:(5〜30%未満)味覚異常、頭痛、(5%未満)浮動性眩暈、末梢性ニューロパチー、不眠症、傾眠。
    3).循環器:(5%未満)徐脈<無症候性>。
    4).呼吸器:(5〜30%未満)発声障害、(5%未満)呼吸困難、咳嗽、気胸。
    5).消化器:(30%以上)下痢、悪心、(5〜30%未満)嘔吐、腹痛、消化不良、口内炎、便秘、(5%未満)口内乾燥、腹部膨満、口腔咽頭痛、胃炎、しゃっくり、痔核、嚥下障害、鼓腸。
    6).皮膚:(30%以上)毛髪変色、(5〜30%未満)手掌・足底発赤知覚不全症候群、発疹、脱毛症、皮膚色素減少、皮膚乾燥、(5%未満)剥脱性発疹、皮膚そう痒症、皮膚障害、爪障害、ざ瘡、皮膚潰瘍、毛髪成長異常。
    7).筋骨格:(5〜30%未満)筋骨格痛、(5%未満)筋肉痛、関節痛、筋痙縮。
    8).血液:(5〜30%未満)血小板減少症、好中球減少症、白血球減少症、貧血、(5%未満)リンパ球減少症、赤血球増加症。
    9).臨床検査:(5%未満)血中クレアチニン増加、リパーゼ増加、血中アルカリホスファターゼ増加、LDH異常、血中ナトリウム減少、血中カルシウム減少、血中マグネシウム減少、血中尿素増加、血中リン減少、血中ブドウ糖減少、血中アルブミン減少。
    10).その他:(30%以上)疲労、(5〜30%未満)粘膜炎、無力症、(5%未満)末梢性浮腫、顔面浮腫、胸痛、霧視、ほてり、発熱、多汗症、脱水、腫瘍疼痛、浮腫、悪寒、挫傷、不規則月経。

    使用上の注意(添付文書全文)簡潔に見る

    (警告)
    1.本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与する。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与する。
    2.重篤な肝機能障害が現れることがあり、肝不全により死亡に至った例も報告されているので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察する。
    3.中等度以上の肝機能障害を有する患者では、本剤の最大耐用量が低いことから、これらの患者への投与の可否を慎重に判断するとともに、本剤を投与する場合には減量する。
    (禁忌)
    1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
    2.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。
    (慎重投与)
    1.重度腎機能障害患者[使用経験がない]。
    2.中等度以上の肝機能障害のある患者[臨床試験において、中等度の肝機能障害を有する患者に対する最大耐用量が200mgであることが確認されている]。
    3.高血圧の患者[高血圧や心機能障害が悪化する恐れがある]。
    4.心機能障害のリスク因子を有する患者(特に、アントラサイクリン系薬剤による治療歴等の心毒性を有する薬剤による治療歴、及び放射線治療による治療歴のある患者)[症状が悪化する恐れがある]。
    5.QT間隔延長の既往のある患者、抗不整脈薬投与中や他のQT間隔を延長させる可能性のある薬剤投与中の患者[QT間隔延長や心室性不整脈をおこす恐れがある]。
    6.血栓塞栓症又はその既往歴のある患者[本剤投与により血栓塞栓症が悪化又は再発する恐れがある]。
    7.脳転移を有する患者[臨床試験において、転移部位出血が報告されている]。
    8.肺転移を有する患者[気胸悪化又は気胸が発現する恐れがあり、また、臨床試験において、転移部位出血が報告されている]。
    9.外科的処置後創傷が治癒していない患者[創傷治癒遅延が現れることがある]。
    (重要な基本的注意)
    1.AST上昇、ALT上昇及びビリルビン上昇等を伴う肝機能障害が発現し、肝不全により死亡に至った例も報告されているので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を実施し、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行う。
    2.高血圧が現れることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血圧測定を行い、必要に応じて降圧剤の投与を行うなど、適切な処置を行う。管理できない重症高血圧が認められた場合は、休薬する。
    3.心機能不全が発現することから、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に心エコー等の心機能検査を実施し、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
    4.QT間隔延長、心室性不整脈(Torsade de Pointesを含む)が現れることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に心電図検査及び電解質測定を行い、必要に応じて、電解質(カルシウム、マグネシウム、カリウム)を補正するとともに、QT間隔延長等の不整脈が認められた場合には、適切な処置を行う。
    5.創傷治癒を遅らせる可能性があるので、外科的処置が予定されている場合には、外科的処置の前に本剤の投与を中断し、外科的処置後の投与再開は、患者の状態に応じて判断する。
    6.甲状腺機能障害が現れることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に甲状腺機能の検査を実施する。本剤投与中に甲状腺機能障害が認められた場合は、適切な処置を行う。
    7.ネフローゼ症候群、蛋白尿が現れることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に尿蛋白を観察し、異常が認められた場合は適切な処置を行う。
    8.毛髪変色又は皮膚の色素脱失が現れることがあるので、本剤を投与する場合にはその内容を適切に患者に説明する。また、剥脱性皮膚炎、手足症候群等の皮膚障害が現れることがあるので、十分に観察を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う(必要に応じて患者に皮膚科受診等を指導する)。
    (相互作用)
    In vitro試験で、本剤の代謝には主にチトクロームP450(CYP)3A4が、一部CYP1A2及び2C8が関与することから、CYP3A4阻害剤及び誘導剤は本剤の薬物動態に影響を及ぼす可能性がある。また、本剤はCYP(2B6、2C8、2E1及び3A4)、UGT1A1及びOATP1B1を阻害し、P−糖蛋白質(Pgp)及びBCRPの基質であった。
    併用注意:
    1.プロトンポンプ阻害剤(エソメプラゾール等)[エソメプラゾールとの併用により、本剤のAUC及びCmaxがそれぞれ約40%及び42%低下したとの報告があるので、プロトンポンプ阻害剤との併用は可能な限り避ける(プロトンポンプ阻害剤が胃内の酸分泌を抑制することで、本剤の溶解度が低下し吸収が低下する可能性がある)]。
    2.CYP3A4阻害剤(ケトコナゾール等)[ケトコナゾールとの併用により、本剤のAUC及びCmaxはそれぞれ約66%及び45%増加したため、CYP3A4阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮し、併用が避けられない場合には、副作用の発現・増強に注意し、減量等を考慮する(これらの薬剤がCYP3A4活性を阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある)]。
    3.グレープフルーツ<ジュース>[本剤投与時はグレープフルーツ(ジュース)を摂取しないよう注意する(これらの薬剤がCYP3A4活性を阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある)]。
    4.CYP3A4誘導剤(カルバマゼピン、フェニトイン等)[カルバマゼピン、フェニトイン等との併用により、本剤のAUC及びCmaxはそれぞれ約54%及び35%低下したため、CYP3A4誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮し、併用に際しては、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮する(これらの薬剤がCYP3A4活性を誘導することにより、本剤の代謝が誘導され、血中濃度が低下する可能性がある)]。
    5.パクリタキセル[本剤は血漿中パクリタキセルのAUC及びCmaxをそれぞれ約26%及び31%増加させた(本剤がCYP3A4及びCYP2C8活性を阻害することにより、パクリタキセルの代謝が阻害され、血中濃度が上昇する可能性がある)]。
    6.ラパチニブ[ラパチニブとの併用により本剤のAUC及びCmaxはそれぞれ約59%及び51%増加した(ラパチニブはCYP3A4、Pgp及びBCRPの基質であり阻害作用を有することによる)]。
    7.シンバスタチン[併用によりALT<GPT>が上昇する恐れがある(機序は不明である)]。
    (高齢者への投与)
    一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら注意して投与する。
    (妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
    1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しない(また妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は避妊を行うよう指導する)[動物実験では、ラットで母体毒性及び催奇形性(心血管奇形及び骨化遅延)(3mg/kg/日以上)、胎仔体重低値及び胚致死作用(10mg/kg/日以上)、雌受胎率低値(300mg/kg/日)、ウサギで母体毒性、流産(30mg/kg/日以上)及び胎仔体重低値(3mg/kg/日以上)が報告されている]。
    2.授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせる[ヒトで乳汁移行に関するデータはない]。
    (小児等への投与)
    小児等に対する安全性は確立されていない(本剤の作用機序より、出生後早期の発達において臓器の成長や成熟に重大な影響を与える恐れがある)。
    (過量投与)
    1.徴候、症状:1000mg/日及び2000mg/日投与を行った患者において、疲労及び高血圧が観察された。
    2.処置:過量投与時、本剤の腎排泄の寄与は小さく、血漿蛋白結合率が高いため、血液透析は有効な除去法ではないと考えられる。
    (適用上の注意)
    薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
    (その他の注意)
    1.マウスを用いた反復投与毒性試験において、1000mg/kg/日の雌で増殖性変化(好酸性変異肝細胞巣及び肝細胞腺腫がそれぞれ2及び1例)が認められた。
    2.幼若ラットの生後9〜21日まで投与した試験において、30mg/kg/日以上で体重増加抑制及び早期死亡が認められ、生後21〜62日まで投与した試験においては、10mg/kg/日以上で大腿骨短小が認められた(これらの用量はいずれも成熟ラットにおいて同様の影響がみられた用量よりも低用量)。
    3.本剤とペメトレキセド及びラパチニブを併用した固形癌患者を対象とした臨床試験において、毒性の増大、死亡率の増加が懸念されたため早期に中止されている。

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